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Introducing ユニバーサル・ジュネーブの復興は新章へ。新作のレディースモデルが登場

ブランドの歴史、ウォッチメイキング、そしてファッションの系譜に根ざした多彩なラインナップによって、新たなレディースラインが華々しくスタートした。


我々が知っていること

ユニバーサル・ジュネーブはブランドのリローンチ後、初となるレディースコレクションを発表した。この再興は、2023年にブライトリングによる買収を起点として動き出したものだ。今回のコレクションは、1950〜60年代のデザインを中心に、当時の時計およびファッションの広範なトレンドからも着想を得ている。その背景を紐解くために、まずは当時のファッション業界を振り返ろう。1950年代に広がったデザインの多くは、1947年にクリスチャン・ディオールが発表した“ニュールック”と呼ばれるスタイル革命に端を発する。この変化は戦後の繁栄を反映したものであり、質素な戦時中の装いに代わって、より装飾的で華やかな衣服やアクセサリーが登場し、富と社交文化の復活を象徴していた。

Ug Ladies 2026

 同じミッドセンチュリー期には、ユニバーサル・ジュネーブからふたつの重要なモデルが生まれている。ひとつは洗練されたドレスウォッチ、ディオラミックであり、もうひとつはブランドを代表するアイコニックなデザインのひとつ、ディスコ・ヴォランテだ。ディオラミックはポールルーターに対して“反対の存在”とも言える、機能よりもフォルムを優先したモデルだ。彫刻的なケース形状や、独特のベゼルとダイヤルデザインが特徴だった。一方、ディスコ・ヴォランテは異なるエレガンスを体現し、そのイタリア語で“空飛ぶ円盤”を意味する名前のとおり、広く平坦なベゼルと最小限のラグが円盤を想起させる。この造形は同時代のジュエリー、とりわけ中央の石を小さな宝石が“星座”のように取り囲むカクテルリングにも見られ、“円盤的な印象”を持つ。ユニバーサル・ジュネーブは、宝石セッティングにおいても、この“黄金期”で際立った存在だった。1965年には革新的なダイヤモンドデザインでダイヤモンド・インターナショナル・アワードを受賞し、“ダイヤモンドファッションはユニバーサルに始まる”というスローガンへと繋がっていく。

 最後に触れるのは、1950年代に導入された交換式ストラップだ。これにより女性は“ワードローブのように時計を楽しむ”ことが可能となり、時計は日々のスタイルに合わせて変化するアイテムとなった。こうした要素すべてが、今回の新コレクションに反映されている。ラインナップは、ディスコ・ミニ、ディスコ・マキシ、ディオラミック、ミニ・カブリオレ、そしてディスコ・ヴォランテの新解釈で構成される。

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ダイヤモンドベゼルを備えたホワイトゴールド製のディスコ・ミニ。

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ローズゴールド製のディスコ・ミニ。

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ディスコ・ミニの春夏ストラップコレクション。

 ディスコ・ミニでは、最も豊富なバリエーションが展開される。まず標準的な“プレタポルテ”エディションとして、18Kローズゴールド(RG)製モデルと、合計1.13ctのパヴェダイヤモンドをあしらったベゼルを備える18Kホワイトゴールド(EG)製モデルの2種類がある。さらにより装飾的な18KWG製のディスコ・ミニ レースがあり、こちらは合計4.4ctのダイヤモンドベゼルを備える。いずれもマザー・オブ・パールダイヤルを採用し、すべて直径28mmでクォーツムーブメントを搭載する。

 加えて、最も豪華な仕様としてディスコ・ミニ クチュールエディションがある。オーストラリア産ブルーファイアオパールのダイヤルと、サファイア、エメラルド、アクアマリンがあしらわれたフレームが特徴だ。しかしそれでもディスコ・ミニ最大の魅力は、交換可能なストラップにある。バングル、アリゲーターレザー、あるいは春夏コレクションとして用意されたレザーやツイード素材も展開される(上の画像)が、これらはフランスのリボンメーカー、ジュリアンフォール社の手仕事によるものだ。価格はモデルによって異なり、1万6000から3万スイスフラン(日本円で約320万から約600万円)となる。ディスコ・ミニ レースは32mm径でクォーツムーブメントを搭載し、価格は3万9000スイスフラン(日本円で約780万円)からだ。

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ディスコ・ミニ レース。

 その近縁として位置づけられるディスコ・マキシは、ディスコ・ミニ クチュールエディションのコンセプトをさらに推し進めたものだ。ダイヤルとベゼルは同心円状に構成され、中央のルビーを起点に、40石のバゲットカットのピンクサファイアによるグラデーションが広がり、さらに外周にも同様のサファイア、そして38石のブリリアントカットのピンクサファイアによる層が重なる。ストラップはアリゲーターレザーで、18KRG製ケースの直径は44.8mm、価格は15万スイスフラン(日本円で約3000万円)である。

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ディスコ・ミニ クチュールエディション。

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  続いてディオラミックの復活だ。こちらもふたつのバリエーションで、より豪華さを強調した仕様となる。37mmのRG製クチュールエディションでは、インペリアルジェイド製ダイヤルに、シャンルヴェエナメルと190石で計1.88ctのエメラルドをあしらったベゼルが組み合わされ、価格はスイスフラン10万(日本円で約2000万円)となる。

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ディオラミック クチュールエディション。

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 次に登場するミニ・カブリオレは、さらに遡って1930年代のアーカイブから着想を得ている。クラシックなアール・デコの雰囲気が色濃く表れ、バングルのように見えるカフデザインによって時間表示を隠す、いわゆるシークレットウォッチだ。バングルの各パーツおよび控えめなダイヤルには、ヘリンボーンモチーフが施され、バングルには3色のトーンで構成されたバゲットカットダイヤモンドとサファイア、ダイヤルには3種のマザー・オブ・パールが用いられている。サイズは縦19.8×横31.35mmで、価格は32万スイスフラン(日本円で約6400万円)となる。

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WG製のミニ・カブリオレ クチュールエディション。


我々の考え

これら新コレクションは明確なデザインコードが前面に打ち出されているが、同時に注目すべきは、ディスコ・マキシの各モデルにユニバーサル・ジュネーブの自社製キャリバーが搭載されている点だ。新しいツインバレル式のマイクロロータームーブメント Cal.UG-110は、ブランドが次章で築こうとしているレガシーの基盤となるものだ。これほど装飾性の高いレディースモデルで、技術面に力を入れることは少ないが、本作は美しさに加え、高効率、優れた精度、そして十分なパワーリザーブも実現している。

 網羅的に見ると、デザインは1960年代のファッションハウスの影響にとどまらず、当時のレディーズウォッチにおける広範なトレンドが見て取れる。特にディスコ・ミニにおいては、1960年代にニバダやのちのタイメックスが展開したカラーマシリーズの影響もあるだろう。それらは交換式ストラップやベゼルによって、時計自体の“ワードローブ”を変えられるモジュール式設計が特徴で、あらゆる装いに合わせられる時計だった。現在でもこれらは2次流通市場で高い人気を誇るが、モダンコレクションでこの発想を採用するブランドが少ないことは驚きだ。

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ディスコ・ミニ クチュールエディション。

 ユニバーサル・ジュネーブは、このモジュラー式設計をディスコ・ミニでより洗練させた。交換可能なストラップの“ワードローブ”の発想に加え、春夏コレクションというオートクチュール的な発想も取り入れているのは魅力的だ。そしておそらく今後、秋冬コレクションも登場するだろう。Watches & Wonders、、Geneva Watch Days、IAMWATCH、、Dubai Watch Weekなどの時計の祭典について友人に説明する際、私はいつも“時計業界のファッションウィークのようなものだ”と答えている。しかし業界の実感としては、それは必ずしも正確な比喩ではない。時計のリリースには本来、季節性は問わないからだ。その意味で、ユニバーサル・ジュネーブは新しい基準を提示している可能性がある(また、他ブランドがこのアプローチをどう発展させるのかも興味深い)。

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