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Introducing モンブラン傘下のミネルバが再出発。同時にミネルバ ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド ジャパン リミテッドエディション 14を発表(編集部撮り下ろし)

モンブランの高級時計製造を支えてきたヴィルレの名門、ミネルバが社内事業化する。その最初の1本目として選ばれたのはピタゴールだ。

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クイック解説

本日のニュースはふたつある。ひとつは、1858年にスイス・ヴィルレで創業したミネルバが、モンブラン傘下のままミネルバの名をこれまで以上に前面に打ち出すかたちで再出発すること。もうひとつは、その最初のモデルとして、筆記体が特徴のミネルバロゴだけを文字盤に載せた、ミネルバ ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド ジャパン リミテッドエディション 14が登場することだ。

 モンブランと言えば筆記具を思い浮かべる人が多いだろうが、時計好きにとって同社を語るうえで欠かせないのがミネルバだ。ミネルバとは、クロノグラフとスポーツ計時で名を成した工房である。2006年にリシュモン傘下に入り、翌2007年にはモンブランの高級時計製造を担う中核として組み込まれた。モンブランにとってそれは、筆記具のメゾンから本格的な時計ブランドへ踏み込む大きな転機でもあった。以来ミネルバは、モンブランのなかでヴィルレの工房とその技術を受け継ぐ存在であり続けてきた。

 ミネルバの工房では、各ムーブメントをひとりの時計師が最初から最後まで組み上げるだけでなく、ジャーマンシルバー製のブリッジやプレートも手作業で仕上げられる。さらにはV字型ブリッジやミネルバアローといったデザイン、ひげゼンマイの社内製造もいまなお維持している。モンブランが手にしたのはそうした高い製造能力だった。だから今回の再出発は、ただのリブランディングではない。これまでモンブランの時計づくりを裏で支えてきたミネルバが、ついに自らの名前で前に出てくるということだ。

 時計自体はかなりシンプルな仕上がりとなっている。18Kホワイトゴールド製のケースは39mm、厚さが9.5mm。ドーム型のボックスサファイアクリスタルとサファイアケースバックを備え、全体の印象はクラシックにまとめられている。サーモンダイヤルにはグレイン、サンレイ、アズラージュ(同心円状の装飾)の3つのテクスチャーが使い分けられ、6時位置にはスモールセコンド、外周にはレイルウェイミニッツトラックが入る。このサーモンダイヤルカラーにも理由がある。どうやら日本側が、2019年のパルソグラフの人気を踏まえてこの色を希望したらしい。

 さらに日本限定らしく、ディテールにも日本の要素が細かくちりばめられている。アラビア数字やインデックス、時・分針に塗られたオレンジのスーパールミノバは伏見稲荷大社の鳥居の色を思わせ、裏返すとあらわれるテンプ受けには東寺五重塔のエングレービング、ブラウンのストラップの裏地には亀甲文様が入る。

 今回のコラボレーションで特筆すべきは、そうした日本的なモチーフが単なるデザインにとどまっていないところだ。そもそもピタゴールという名前は、ミネルバが黄金比をもとに設計した美しいムーブメントの系譜に由来するものだが、日本ではそれとは別に1対1.414...の白銀比が古くから建築やデザインの美しいバランスとして親しまれてきた。今回の日本限定モデルは、そのふたつのバランス感覚をひとつの時計のなかで重ねたような1本でもある。ムーブメントは14リーニュで、生産本数は14本。ピタゴールの黄金比に、今回は日本独自の白銀比を重ねた。そう考えると14という数字の使い方にも納得がいく。価格は426万850円(税込)で、本日4月1日(水)から発売される。


ファースト・インプレッション

今回のビッグニュースは、なぜいまモンブランがミネルバの名をここまで前面に出すのかという話だ。もちろんその理由が明言されているわけではない。けれどリシュモンがミネルバを買収したのは2006年で、モンブランはその後ずっとヴィルレの工房とその技術を自社の高級時計づくりの核として育ててきた。公式サイトでもミネルバはオートオルロジュリーのレガシーとして押し出されているし、HODINKEEでも2022年には、文字盤にミネルバの名が戻ったことを“ヴィンテージファンにとっての本当の勝利”だと書いた。そう考えると、今回のニュースは急に舵を切ったというより、前からあったミネルバ人気にちゃんと応えたという感じがする。

 これは記念モデルというより、モンブランがこれからミネルバの名をどう前に出していくのかを示す最初の1本に見える。これから先、ミネルバをこれまで以上に前面に打ち出したモデルがどんなかたちで現れてくるのかは素直に気になるし、最初がピタゴールならその先の展開にも期待したくなる。ミネルバと言えばやはりクロノグラフの印象も強いだけに、そうした系譜が今後どこかで顔を出してくるのかどうかも含めて楽しみだ。


基本情報

ブランド: ミネルバ(Minerva)
モデル名: ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド ジャパン リミテッドエディション 14(Heritage Pythagore Small Second Japan Limited Edition 14)
型番: 134016

直径: 39mm
厚さ: 9.5mm
ケース素材: 18Kホワイトゴールド
文字盤: サーモン
インデックス: アプライドのアラビア数字とドット
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ブラウンのスフマートアリゲーターストラップ(裏地は亀甲文様)、18KWG製ピンバックル


ムーブメント情報

キャリバー: MB M14.08
機能: 時・分表示、スモールセコンド
直径: 31.6mm
厚さ: 4.07mm
パワーリザーブ: 約80時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時
石数: 19
クロノメーター: なし
追加情報: ジャーマンシルバー製の地板とブリッジにサーキュラーグレイン、コート・ド・ジュネーブ、手作業による面取り。大型チラネジ付きテンプ。テンプ受けに東寺五重塔のエングレービング


価格 & 発売時期

価格: 426万850円(税込)
発売時期: 発売中
限定: あり、日本限定14本

Photos by Yuki Matsumoto