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1980年代は、1990年代以降“オチ”になっている。 そして、その理由は簡単だ。音楽やファッション、そう、時計に至るまで、当時登場した文化的工芸品は、すぐにその年代のものと認識できる非常に特殊で分かりやすい、瞬時に認識できるスタイルをもっているからだ。
しかし、80年代から遠ざかれば遠ざかるほど、時計の見栄えは良くなり、その影響力の大きさを十分に把握することで、この10年が時計史にとってより重要なものとなっている。要するに、この時代はスウォッチ、G-SHOCK、ウブロを生み出した時代なのだ。カリキュレーターウォッチ(電卓付き時計)は、どんなに陳腐なものであっても、時代の数十年先を見据えた機能性が期待されていた。
1980年代には、ジャン=クロード・ビバーがブランパンを復活させ、ゲルト・R・ラングはエキシビションケースバック(シースルーバック)を特徴とするブティックラインを立ち上げた。そして、アラン・シルベスタインは、保守主義で知られるビジネスにおいても、1人のデザイナーのユニークな創造的なビジョンがブランドを定義することができることを示した。
一方、ヒップホップというジャンルが急成長し、時計を新世代のステータスシンボルに変えた。トム・セレックはドラマ『私立探偵マグナム(Magnum P.I.)』の中でロレックスのGMTマスターを着用し、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)』は、時計や腕時計、タイムトラベルを中心としたプロットで世界を支配した。
ロレックスのGMTマスター Ref. 16750 - 『私立探偵マグナム』でトム・セレックが着用していたのと同じもの。
今週は、これらのストーリーの多くをお伝えするが、途中でさらにいくつかのサプライズがある。恥ずかしがらず、皮肉もなく、大好きな、この10年で一番好きな時計を公開することからパーティーを始めよう。80年代が我々に教えてくれたことがあるとすれば、それは、時計や自分自身をあまり真剣に捉えてはいけないということだ。
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