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世界で最も偉大なアスリートの一人が現在、時計のスポンサーを失っている。誰が気にするんだ、と思われるかもしれない。でも、私は気になる。テニス観戦と時計が好きな私は、好きな選手がつけている時計を分析し、解釈することに喜びを感じるのだ。それはまた別のストーリーを追うことにもなる。
ダニール・メドベージェフとボヴェの関係は魅力的だ。また、ゼニスがセリーナ・ウィリアムズのコーチであるパトリック・ムラトグルーとパートナーシップを結び、テニスのコーチが試合中に画面に映る時間が長いことを受け入れたことも素晴らしい。ロジャー・フェデラー(ロレックス)とラファエル・ナダル(リシャール・ミル)は、それぞれのブランドアンバサダーとして完璧な存在だと思う。私は、自分がやろうと思っていることにお金を払ってくれる人がいるなら、それをやるべきだと信じている。
世界No.1テニスプレイヤーであり、史上最も偉大な男性テニスプレイヤーであるノバク・ジョコビッチ(サンプラスファンの皆さん、お待たせしました)は、約2年間、時計のスポンサーがついていない。彼はこれまでオーデマ ピゲとセイコーという2つのブランドと提携してきた。ジョコビッチのセイコーとの契約は2019年12月に正式に終了したにもかかわらず、彼は日本の時計メーカーのファンであり続けている。私は最近、彼がセイコー アストロンのクロノグラフと、ファンに人気のセイコー プロスペックス SBDC101の両方を身につけているのを目撃した。
セイコーにとっては素晴らしいことだが、なぜジョコビッチと誰も契約しないのかという疑問が残る。確かにジョコビッチは、フェデラーやナダルに比べて物議を醸すこともあるが、多くの時計メーカーが物議を醸すような人物と日々仕事をしているのだ。ジョコビッチなら、どこかのブランドが長期契約で多額の資金をバックアップしてくれることを期待してもいいはずだ。
さて、実のところ、別の契約が間近に迫っているのではないかという噂をいくつか耳にしているが、それが誰になるのかはまったくわからない。だからこそ、大胆に推測してみよう。ジョコビッチにとって最もふさわしいと思われる5つのブランドを下に挙げてみた。あなたはどこになるべきだと思うだろうか? コメント欄で教えてほしい。
そしてノバク、もしあなたがこれを読んでいるのなら、まだ永続的な時計のスポンサーを見つけていなくても大丈夫だと知っておいて欲しい。-ロジャーでさえ、適切な落ち着き場所を見つけるのに時間がかかったのだから。
それは…ロレックス?
世界で最もよく知られている時計ブランドが、世界トップの男性テニスプレーヤーと仕事をするのは自然なことだ。ロレックスは現在、ジョコビッチが最高のテニスをするグランドスラム4大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン)の公式計時を担当している。ロレックスのテニスアンバサダーのリストも充実しており、同社がこのスポーツとその才能を深く理解していることがわかる。問題はフェデラーだ。
ジョコビッチはグランドスラムのタイトル数でフェデラーを超える勢いだが、ファンにとってのフェデラーの遺産を追い越すことは難しいだろう。もしロレックスがジョコビッチと契約したら、それは同社が最も長く、最も密接な関係にあるフェデラーというパートナーを軽視しているとみなされるかもしれない。ロレックスは今年のウィンブルドンで、フェデラーのレガシーをジョコビッチから守るかのような広告を出していた。そのため、この組み合わせがすぐに実現するとは思えない。
それは…ロンジン?
ロンジンは、2007年からロレックスが引き継ぐ2018年まで、全仏オープンの公式計時スポンサーを務めていた。ローラン・ギャロスでの10年間の活躍の後、ロンジンは引退したスターであるアンドレ・アガシとシュテファニー・グラフとの長年のパートナーシップを除いて、ほとんどテニス界から去ってしまったようだ。
これは間違いだった。ロンジンにとって、テニス界の大スターとチームを組むこと以上にこのスポーツに再参入する良い方法があるだろうか? 一方で、同ブランドが現在展開している“Elegance Is An Attitude”という広告キャンペーンは、ジョコビッチの気まぐれな性格には合わないかもしれない。
それは…ラドー?
ラドーは、テニス界の意外な巨人だ。ロレックスに次いでテニスと最も密接な関係をもつブランドなのだ。ラドーは現在、クレー、芝、ハードコートの3つの主要なコートで行われる12の国際トーナメントの公式タイムキーパーを務めている。同ブランドでは最近、テニスにインスパイアされたルックブックも制作した。このルックブックでは、テニスのカントリークラブのようなシックな美しさが表現されている。
最も重要なのは、ラドーが現在世界ナンバーワンの女子テニスプレイヤーであるアシュリー・バーティと協力していることだ。男子と女子テニスのナンバーワンプレーヤーが、ラドーの少ないブランドアンバサダーのラインナップに加わることは、どれほどすごいことだろうか。
それは…タグ・ホイヤー?
大坂なおみは、20年前にセリーナ・ウィリアムズ(オーデマ ピゲのアンバサダー)が女子ツアーを席巻して以来、女子ツアーで最大のスターだ。彼女とジョコビッチが契約すれば、タグ・ホイヤーは今後何年にもわたってスポーツ界で最も人気のある2人の選手を味方につけることができる。
しかし、ジョコビッチは本当に男子ツアーの若い選手たちと同じスポンサーチームに入りたいと思うだろうか?今年の初めに全豪オープンで、次世代の男子選手の才能を否定したのは彼だった。
それは…グルーベル・フォルセイ?
そこで、ジョコビッチのために私が選んだのは、グルーベル・フォルセイだ。これは意外に思われるかもしれないが、完璧にフィットしているし、ぜひ実現してほしいパートナーシップだ。
グルーベル・フォルセイは、世界で最も優れた時計を非常に限られた数だけ、驚くような価格で製造している。同社は、すでに精密さで知られる業界や国に衝撃を与えるほど、完璧さにこだわっている。
ここで、ノバクとグルーベル・フォルセイのペア、ロジャー・フェデラーとロレックス、ラファエル・ナダルとリシャール・ミルを比較してみよう。この3者の行動は、常に比較されるものだからだ。
ロジャー・フェデラーとロレックスは、スイスでつくられた理想的な組み合わせだ。ノバクの敵対的なアプローチは合わないだろう。ラファエル・ナダルとリシャール・ミルは、限界を押し広げ、ハイテンションな美学を追求している。ジョコビッチのオールラウンドなゲームと、ナダルの炎のようなフォアハンドと比較するのは無意味だろう。
しかし、グルーベル・フォルセイとノバク・ジョコビッチは? 合いそうだ。同社の仕上げに対するアプローチを考えてみてほしい。ハンドメイド1は6000時間かけて作られている。これは、ジョコビッチの疲れを知らない熱心さと、徹底的なグランドストロークゲームに合うと思わないだろうか? ブランドのアバンギャルドな美学への傾倒はどうか? ノバクの最も有名なショットはサーブのリターンだが、私にはかなり型破りに見える。
そして、価格から外観まで、ほぼすべての面でほかのブランドを凌駕する時計メーカーとジョコビッチがペアを組むことは、まさに運命のように見える。
グルーベル・フォルセイは、これまで公式にブランドアンバサダーと提携したことはない。このことは会社の姿勢が真摯であると感じさせる。しかし、同社がテニスを高く評価していることは知っている。
同社が世界最高(間違いなく)の時計メーカーとしての地位を確固たるものにしたいのであれば、テニス界で最も優れた時計のフリーエージェントと手を組むべきだと思う。