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クイック解説
今年は、時計にまつわる記念周年がかなり多い一年だった。モナコ、月面着陸、自動巻きクロノグラフ、クォーツ…他に何か見落としているだろうか?
ゼニス エル・プリメロの50周年は、1月に発表された限定版のBOXセットから着実に続いてきた。バーゼルワールドでは、オリジナルの3色の文字盤をキープしつつ、イエロー、ホワイト、ローズゴールドのケースを導入したA386トリビュート ウォッチ・トリオ (それぞれ50個限定)を発表。その数ヵ月後、より構築的なケースと白黒の文字盤を備えた、エル・プリメロA384にスポットを当てた作品も登場された。
それ以来、クロノマスター エル・プリメロC.01 xコレクティブ、バンフォード ウォッチ デパートメント、ミスター ポーターと共に製作したA384「エッジ オブ スペース 」、A386 リバイバル ファイン ウォッチ クラブ エディション、そしてHODINKEEショップのためのエル・プリメロ リバイバルG381が発表されたりと、かなり忙しい年になっている。
そして、この記念年をスタイリッシュに終えるべく、1969年に初めて発表されたA386を称える特別なプラチナ製のエル・プリメロを11月、フィリップスのオークションにかけられた。これはPTケースを採用した、初めてのA386スタイルのエル・プリメロであり、ラピスラズリの文字盤を備えた最初のエル・プリメロでもある。
この特別な一本は、ゼニスとフィリップス時計部門のメンバーが共同でデザインを手がけた。フィリップス時計部門と提携するバックス&ルッソの共同創業者である、リヴィア・ルッソ(Livia Russo)は、石を使った文字盤の愛好家としてヴィンテージ ウォッチ業界で知られており、ラピスを選択したことは当然ともいえる。
フィリップスによると、このモデル名は単に「ワン オフ」であり、エル・プリメロA386の中でもユニークなものだそう。このプロジェクトは、ゼニスからフィリップスへ話が持ち込まれ、最も有名なキャリバーの50周年を記念した時計を製作しようという試みから始まった。いくつかデザインが検討されたが、最終的には本来のゼニスA386ケースを採用した2つの候補が残り、この美しいデザインが勝利を収めたそうだ。この時計のリファレンス40.P386.400/57.C842から分かるように、「プラチナ」の略であるPを付けたP386として発表されている。
2019年11月9日に開かれたジュネーブ ウォッチ オークション Xでロット番号136として登場し、スイスの小児がん支援団体であるゾイ フォー ライフ(Zoe4Life)に利益が寄付される。
ファースト・インプレッション
この時計の写真を初めて見たとき、60年代後半に発表されたオリジナルのエル・プリメロのケースを思い起こした。しかし文字盤は、A386のオリジナルデザインとは異なる。従来の文字盤は、重なり合う3色のサブダイヤルを備え、それがケースやムーブメントと同様に特徴的だった。しかし、本機の文字盤は、3時と9時に2つの大きなサブダイヤルがあり、6時の位置には非常に小さなサブダイヤルが配されている。このデザインは、白と黒の文字盤を備えた18KYG製のG381に近いように見える。
この時計に関してもうひとつ注目に値することは、オークションハウスがロットの調達において、非常に積極的な役割を果たしているという事実だ。通常、オークションハウスは委託品(ほとんどの場合、ヴィンテージまたは中古の時計)を受け入れて販売する。ただそれだけ。しかし今回は、フィリップスがブランドと新しい時計を共同デザインし、オークションにかけているのだ。力の入った、面白い企画だと思う。
基本情報
ブランド:ゼニス(Zenith)
モデル名:ワンオフ エル・プリメロ(The One Off EL PRIMERO)
型番:40.P386.400/57.C842
直径:38mm
ケース素材:プラチナ
文字盤色:ラピスラズリの青、ホワイトのサブダイヤルとクロノグラフ表示
インデックス:アプライド
夜光:あり、時分針、アワーマーカー
ストラップ/ブレスレット:カーフレザーストラップ
基本情報
キャリバー:ゼニス エル・プリメロ 400
機構:時、分、秒表示、クロノグラフ、日付
直径:30mm
パワーリザーブ:50時間
巻き上げ方式:自動巻き
振動数:5Hz(3万6000振動/時)
石数:31
価格・発売時期
価格:フィリップス オークション価格
販売時期:2019年11月
限定:ユニークピース
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