ADVERTISEMENT
クイック解説
2018年に初めて登場した、ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリに、サーモンピンクダイヤルが日本ブティック限定モデルとして発売された。
本作の原点は、2015年まで遡る。オーデマ ピゲは、2015年にスイス連邦ローザンヌ工科大学と共同で、耳に心地良いとされるミニッツリピーターの音を解析。新開発の音響板にゴングを設置することで、ハンマーが打った振動音を共鳴し、さらに裏蓋との空洞で増幅される。懐中時計のような豊かな音色を響かせるコンセプトモデル(ロイヤルオーク コンセプト RD#1)を発表。翌2016年には、この機構(スーパーソヌリ)を搭載し、ロイヤルオーク コンセプト スーパーソヌリとして発売した。
その改良型ムーブメントをロイヤル オークに初めて搭載し、2018年に発表されたのが、ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリだ。今回発表されたのは、そのバリエーション。日本限定カラーとしてサーモンピンクダイヤルを採用しており、ムーブメントには、改良型のCal.2959を搭載している。
ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリは、2018年にもチタンケースにブルーダイヤル、プラチナケースにブラックダイヤルを合わせた2モデルが発表されているが、両モデルは共にYOSHIDA限定モデルとして販売されていた。本作は日本のブティック限定モデルとなっており、オーデマ ピゲ ブティック 銀座・大阪・名古屋、そしてYOSHIDA 東京本店で販売される。
なお、既存のロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリの詳細については、こちらの記事をご覧いただきたい。
ファースト・インプレッション
今年1月にジョン・ビューズも興奮した様子でロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリのIntroducing 記事を公開したが、本作も間違いなくコレクター垂涎の的となるだろう。ロイヤル オークの圧倒的な人気ぶりに加えて、ミニッツリピーターを搭載したコンプリケーションウォッチということも理由の1つだ。
ジャック・フォースターも先日公開した記事の中で解説していたが、複雑時計製造の歴史の中で、ミニッツリピーターのようなチャイミングコンプリケーションほど恐ろしく複雑な機構はなく、他のどの複雑機構よりも時計製造を完璧に熟知している必要があり、そのメカニズムは部品数の多さを誇るだけでなく、高級時計製造で見られるさまざまな部品間の極めて難解な機械的相互関係を完全に把握する必要があるのだと。
そうした時計ゆえ、ミニッツリピーターを搭載する時計は、自ずと生産数が限られてしまう。1本数千万円はくだらない高額商品であるが、ハイエンドな逸品を求めるような熱心な時計愛好家の多くが手に入れたいと考えるのも頷ける。
人気のロイヤル オークに、これまた人気のグランドコンプリケーションであるミニッツリピーターの組み合わせという点は、もちろん注目のポイントだ。しかしながら、個人的には、この時計がチタンケースを採用したモデルであるということの方が、より興味深いと思っている。
リシャール・ミル、ドゥ・ベトゥーン、ローマン・ゴティエ、ダヴィッド・カンドー…。そして、ブルガリ、ブレゲ、オメガ…。前者はいずれも超が付くほどの独立系高級ブランドであり、後者は時計好きなら誰もが知るメガ高級ブランドだ。それぞれ歴史も、作る時計のコンセプトも全く異なるが、こうした高級ブランドにおいてチタンケースを使用したハイエンドモデルが多く見られるようになった。
チタンは軽量で、低アレルギー性であるなど、優れた特性を備える一方、難加工素材であるとされる。中でも特に難しいのが研磨。その理由を簡単にまとめると、
1)金属表面のうねりのコントロールが難しい
2)研磨中は工具に熱が集中し、工具の研磨性能がすぐに下がる
3)工具と化学反応を起こしやすく、工具が破損しやすい
といった項目が挙げられる。早い話が、磨いてポリッシュ仕上げを施すことが困難なのだ。
しかし、前述のブランドでは、ゴールドやスティールと同じようにポリッシュ仕上げを施したモデルや、優れた立体感を与えたケースをもつモデルがリリースされている。
そして本作、ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリも写真を見る限り、チタンとは思えないような優れた仕上げが施されていることが見て取れる。こうしたことをさらりとやってしまうところは、さすがオーデマ ピゲといったところであろうか。トップブランドとしての余裕を時計から感じることができる。
基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ(Royal Oak Minute Repeater Supersonnerie)
型番: 26591TI.OO.1252TI.02
直径: 42mm
厚さ: 14mm
ケース素材: チタン
文字盤色: サーモンカラー×グランドタペストリー
インデックス: アプライドバー
夜光: あり。時・分針とアプライドバーインデックスにスーパールミノバ
防水性能: 20m
ストラップ/ブレスレット: チタンブレスレット、APフォールディングバックル
ムーブメント情報
キャリバー: 2959
機能: 時・分表示、スモールセコンド、ミニッツリピーター
直径: 30mm
厚さ: 6mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600 振動/時
石数: 32
価格・発売時期
価格: 3350万円(税抜)
販売時期: 発売中
限定: ジャパンブティック限定35本。オーデマ ピゲ ブティック 銀座・大阪・名古屋、および、YOSHIDA 東京本店のみの取り扱い
詳細は、オーデマ ピゲ公式サイトをクリック。