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フィリップ・デュフォー(Philippe Dufour)氏が75歳の誕生日を迎えてから数週間しか経っていないなか、歴史上最も賞賛され切望されてきた独立時計師のひとりであるフィリップ・デュフォーから、さらに大きなニュースが飛び込んできた。
先日6月30日の9時(アメリカ東部時間)に、A Collected Manがシンプリシティのなかで最も新しく、そして最も希少なプラチナ製の20周年記念シリーズの1本を希望小売価格130万ドル(日本円で約1億8780万円)で掲載したのだ。デュフォー氏が初めてシンプリシティを公開したときの3万5000ドル(日本円で約505万円)という価格が遠く及ばないほど、近年2次流通の市場価格ははるかに高騰している。特にこの特別な個体は、現在も未来もさらに垂涎の的となるだろう多くの特徴を備えている。
20周年を祝った際にデュフォー氏はいくつかのおもしろい情報も発表している。まず22本の時計を製造し、#00が2020年にフィリップスで136万スイスフラン(日本円で約1億5630万円)で落札され、彼が#21を保有したこと。次にデュフォー氏のビジネスパートナーであるクロード・スフェール(Claude Sfeir)氏の協力により、10本の時計の割り当てが抽選で選ばれたこと。しかし“小売”価格は大幅に上昇した(噂によると初回生産分の価格の20倍近く)。私のような人(シンプリシティさえあればほかのすべてを売ってもいいと夢見る人)の手の届かないところにあることを悲しむかもしれないが、ただ今の流通市場を考えると、その価格設定の裏にある思惑に異を唱えるのは難しい。
だから20周年記念シリーズがとてつもなく少数の時計(何十万人もの人々が欲しがっている)だったとすれば、この特別なタイムピースはさらに希少だということだ。この22本の時計のうち、サテン仕上げのプラチナ製ケース、鮮烈なブルーの文字盤、蝶番の付いたオフィサーズケースバックという、とりわけ印象的な組み合わせでつくられたのは7本だけだった。この時計は唯一の個体というだけでなく、デュフォー氏の時計のなかで最も魅力的なディテールの組み合わせのひとつとして際立っている。
デュフォー氏のシンプリシティで採用されている私のお気に入りのギヨシェダイヤルは、中央の模様が時計に命を吹き込んでいる。その上この美しくエレガントなブレゲの数字が、文字盤の素晴らしさをより際立たせている。サテン加工されたプラチナケースについて、一般的なユーザーがどう思うかはわからないが、私は写真だとタンタルのように見えるその外観とダイヤル、針、インデックスのコントラストの遊びが好きだ(シンプリシティには素晴らしいアイデアがある)。
この7つのシリーズからひとつの時計が市場に出るのは今回が初めてだ。ただA Collected Manは2021年に、非常に希少で素晴らしい個体であるグラン・プチ・ソヌリの腕時計を763万ドル(日本円で約8億3000万円)で販売するなど、デュフォー作品の実績がある。これは発表後すぐに売れてしまうと思われる。
デュフォー氏の仕事については、(HODINKEEやほかの人たちが)すでに何度も何度も取り上げていることなのでこれ以上語れることはない。その代わりに、A Collected Manで提供している素晴らしい写真をお届けしよう。この時計が再びプライベートコレクションとして姿を消したあとも、長く楽しんでいただけるだろう。
All photos courtesy A Collected Man.
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この希少なフィリップ・デュフォー シンプリシティの販売に関する詳細は、A Collected Manをご覧ください。