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Watching Movies 『THE GUILTY/ギルティ』でG-SHOCKをつけたジェイク・ギレンホールが受ける運命の911コール

今週のウォッチ関連映画で、彼は今まで以上にダークな苦悩をすることになる。

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映画の最大の強みは、時間を自在に操ることができることだ。何年もの時の流れを表現した映画もあれば、1日の出来事を描いた映画もある。アントワーン・フークア(Antoine Fuqua)監督の2021年の作品、ジェイク・ギレンホール(Jake Gyllenhaal)主演の『THE GUILTY/ギルティ』(原作はデンマーク映画の『Den Skyldige』)は、時間をさらに縮めている。9-1-1コールセンター(そしてその9-1-1コールセンターのみ)を舞台にしたこの推進力のある警官ドラマは、ある警官の夜勤中に起こり、すべてのアクションはカメラのない場所で電話越しに行われるのだ。基本的に映画の90分間はずっとギレンホールの顔を見つめて過ごすことになる(これを夜の過ごし方として悪くないと思う人もいるかもしれない)。

Joe Baylor (Jake Gyllenhaal) raises his hands to his head in frustration, revealing the strap of his G-Shock in The Guilty.

ジョー・ベイラー(ジェイク・ギレンホール)は、『THE GUILTY/ギルティ』で両手を頭の上に上げ、G-SHOCKのストラップを見せる。Image, Netflix

 主人公のジョー・ベイラーは(映画のクライマックスまで理由は明かされていないが)現場から排除され、緊急電話の応対に追いやられた左遷された警察官である。彼の夜勤は、彼の人生の軌道を変え、ストーリーを動かすきっかけとなる電話に出るまでは、ごくありふれた夜の電話応対になるはずだった。この一晩のあいだ、彼は警察官の持ち物として完璧な、大きくて頑丈なデジタルウォッチを身につけていた。


注目する理由

 アカデミー賞が目前に迫り、我々はアカデミーによって選ばれた昨年の作品だけでなく、選考に漏れた作品にも注目している。 この映画がオスカー級(それが何を意味するかは別として)ではないからと言ってがっかりはしない。しかし、Watching Moviesに関しては時計が重要であり、この作品はその点では勝者である。昨年、予告編が流れたとき、かなり興奮したのを覚えている。『TRUE DETECTIVE』で有名なニック・ピゾラット(Nic Pizzolatto)が脚本を手がけた様式化されたジャンル映画にギレンホールが出演する? そう、私は興味津々だった。でも、実際に映画を観たのはごく最近のこと。Netflixで見られるという事実は、劇場公開と同じように映画を見ようという気にさせないようだ。

Baylor (Gyllenhaal) takes a personal call in the hallway with his G-Shock on his wrist in The Guilty.

ベイラー(ギレンホール)は、『THE GUILTY/ギルティ』で手首にG-SHOCKをつけ、廊下で私用電話をかけている。Image, Netflix

 いずれにせよ、この映画は時計以外の時間的な要素もおもしろい。2020年10月のパンデミック最盛期に、11日間という短期間で撮影されたのだ。製作開始と同時に、フークワ監督は新型コロナウイルスに罹患し、全編をバンからズームを使って遠隔指示することになった。9-1-1コールを使っての電話の演技が多いので気づかないと思うが。ベイラー役のギレンホールは、『ナイトクローラー』のカオスな演技を彷彿とさせるようなパフォーマンスだ。全編が、ロサンゼルスで猛威を振るう山火事が巨大なテレビ画面に映るコールセンター内で撮影されている。

 ベイラーが誘拐事件に巻き込まれ、警察官としてのスキルを駆使して、机上で電話とパソコンだけを頼りに事件解決に挑むという筋書きだ。退屈に聞こえるかもしれないが、『大統領の陰謀』のような、1本の電話やメモ帳への走り書きが重要なアクションとなる映画と同様の動きとドラマがあるのだ。我々はずっとベイラーと一緒で、ほかのことはすべて我々の想像に任される。これは監督と脚本家、両方の能力の証だ。

Baylor (Gyllenhaal) working the phones and the case from his desk, wearing his G-Shock in The Guilty.

『THE GUILTY/ギルティ』でG-SHOCKを装着し、デスクで電話や事件の捜査をするベイラー(ギレンホール)。Image, Netflix

 カメラはほとんどベイラーだけに固定されているため、彼の手首がよく見え、したがって彼の腕時計もよく見える。カシオのG-SHOCK GA110-1Bだ。55×51.2×16.9mmと大型のG-SHOCKならではのブラックラバーに、メタリックでインダストリアルなデザインのダイヤルを組み合わせている。私は以前、法律関係の仕事をしており、警察の扱う事件で何度も法廷に立ち会ったが、この時計はまさに彼らが身につけているような時計だと言える。巨大で、高性能で、耐久性があり、まさに警察官が必要とするものなのだ。もちろん、ベイラーはもう現場に出る警察官ではないので、この時計は彼が失ったものすべてを思い起こさせる役割を担っている。

『THE GUILTY/ギルティ』でギレンホールが着用したG-SHOCK GA110-1B。

 この映画は、すべてが暗闇に近い状態で撮影されている。そのため、この時計の姿をはっきりと見ることはできないが、場面ごとにそのシルエットを見ることができる。ベイラーは喘息持ちで、ストレス解消のために常に吸入器をいじっている。カメラはしばしば彼の手のクローズアップに切り替わり、時計を見る十分な機会を与えてくれる。

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見るべきシーン

 映画の冒頭、ベイラーが珍しくデスクから離れ、洗面所にいる姿が映し出される。彼は吸入器を大きく吸い込み、鏡に映る自分を見つめる。ブルペンに戻って電話応対の続きと夜勤の終了に備えるためだ。彼が洗面台のノブを試しているとき[00:01:43]、カメラは彼のG-SHOCKの少しぼやけたクローズアップを映す。これは映画のなかでその時計をどれだけ多く見ることになるかを示す、ちょっとした伏線だ。

Joe Baylor looking into the bathroom mirror wearing his G-Shock in The Guilty.

Image, Netflix

 この映画は、プロットがよくわかるように説明したりしない。映画全体を見てわかるような作品だ。開始30分後、ベイラーがなぜ職務から外され、コールセンターに送られたのか、最初の手がかりが得られる。彼は自分の携帯にかかった電話を受け、翌朝に法廷審問に出ることを知らされる(その事件はここではまだ公表されていない。今日はネタバレなし)。そして、警官との電話へと続く。現在起こっていると思われる誘拐事件の容疑者の家に令状なしで立ち入らせようとする彼と、警官との緊迫した会話だ。警官に断られ、電話を切る。ベイラーは悔しそうに頭の汗を拭きながら[00:32:53]、特徴的なダブルバックルストラップがついた黒いG-SHOCKをちらりと見せる。このときから、彼は自分の手で問題を解決しなければならないことを悟るが、時間は(彼の時計で)刻々と過ぎていく。

Joe Baylor on the phone wearing his G-Shock in The Guilty.

Image, Netflix

『THE GUILTY/ギルティ』(主演:ジェイク・ギレンホール)は、アントワーン・フークア監督、ニック・ピゾラット脚本、アレクシス・ウェイドが小道具を担当した作品。Netflixで配信中。

Lead illustration, Andy Gottschalk

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G-SHOCKの詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。