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我々は今、テクノロジーに支配された世界に生きている。我々がすること、あるいはしてきたことのほとんどすべてをコンピュータ技術によってよりよくすることができるのだ。機械式時計にこだわるエディターにとっては、これは非常に難しい問題だ。「時計は必要ない、スマホで時間を確認する」という声をよく耳にする。
しかしながら、誠実なる機械式時計(またはアナログ式時計)は、現代の技術とはまったくかけ離れた素晴らしい技術で製造され続けている。電池もマザーボードも使わない機械式時計が、人間にはできないことを可能にしているのだ。
大掛かりなコンプリケーションや複雑なクロノグラフを除けば、ダイバーズウォッチほどこうした試みの優れた例はないだろう。セイコー、オメガ、ロレックス、シチズンなどのブランドは、長年にわたり、最も過酷な潜水条件に適合する時計を製造し続けてきた。そして、プロのダイバーがアナログのダイバーズウォッチよりも、ダイビングコンピューターを腕に装着する方がはるかに多い時代に、彼らはこれを実行しているのだ。その意味でこれらの時計は、プロのダイバーよりも我々のような愛好家にとってより魅力的な時計になっている。我々はこれらの時計に魅了され、物理的に潰れたり(または崩壊)することなく長時間深く潜水できる能力に心を奪われるのだ。
3年前、ビクター・ヴェスコヴォ氏は、潜水艇リミッティング・ファクターにオメガのウルトラディープを装着し、マリアナ海溝の海底1万928mへの最深潜水の記録を打ち立てた。我らがコール・ペニントンは、グランドセイコーの飽和潜水に挑戦し、その実力を確かめた。そしてそれはやり遂げた。これらのヘビーデューティなダイバーズウォッチがさらにクールなのは、その性能もさることながら、ほとんどのモデルがそれぞれのブランドにおけるワイルドなデザイン言語の絶対的な頂点に位置していることだ。そこで、世界海洋デーにちなんで、我々のお気に入りのクレイジーでオーバーテクノロジーなダイバーズウォッチをリストアップしてみた。
オメガ シーマスター プロプロフ 1200M チタン
僕にとって、オメガのプロプロフはビッグ・ダイブ・ウォッチ・エナジー(BDWE)の頂点に立つモデルだ。55×48mmというワイドなサイズでありながら、ラグからラグまでのサイズが長くないため快適で、しかもメッシュブレスレットのチタン製。60年代後半、オメガが真のプロ仕様のダイバーズウォッチを作りたいという思いから生まれたプロプロフは、大型のがっしりしたダイバーズウォッチで、そのプロポーションは非常に複雑には違いないが、それがかえってスタイリッシュに見える。ランボルギーニLM002の時計版に相当するが、その大胆なスタイリング、オーバービルドなエンジニアリング、そしてダイビングがより多くを必要とし、一般の人々がその過剰さを冒険とスタイルの証しとして見ていた時代のシグナルであり続ける姿に、僕はただただ敬服する。僕の手首には少し大きすぎるかもしれないが、今でも夢の時計のひとつだ。価格:158万4000円(税込)
- ジェームズ・ステイシー(シニアライター)
ロレックス ディープシー "ジェームズ・キャメロン"
私は、人間が行うことのできるアクティビティをはるかに超えた性能を持つダイバーズウォッチにひかれてしまう。時計に熱中する楽しみのひとつは、各ブランドが時計製造の限界に挑戦し、どうやって事実上無敵のスポーツモデルを作り上げるのかを知ることだ。
例えば、ロレックスのディープシー。ロレックスのダイバーの偉大な系譜を継ぐ時計がここにある。そのルーツは、人類史上最も高いクリスタルを備えたディープシー スペシャルまで遡ることができる。しかし、このモデルはもっとばかげた偉業をやった。3900mの潜水能力を持つこのモデルは、「ジェームズ・キャメロン」というニックネームで呼ばれた。これを潜水艇に装着してマリアナ海溝を潜った有名な映画監督にちなんでつけられたのだ。まれにポップカルチャーとのクロスオーバーがこのブランドからも生まれるが、この場合、キャメロン監督ではなく、冒険家としてのキャメロンに敬意を表している(ロレックス エクスプローラーがエベレスト探検に敬意を表しているのと同じように)。この時計は44mmと巨大ですべての手首にフィットするわけではない。そしてロレックスらしくない、海の底を思わせるカラフルなグラデーションの文字盤が特徴だ。しかし、この時計に不可能な深さはないのだから、たとえ陸に上がったとしても安心していられる。価格:157万4000円(税込)
-ダニー・ミルトン、シニアエディター
シチズン プロマスター 1000m プロフェッショナルダイバー
プロマスター ダイバー1000Mは、控えめに言ってもモンスター級の時計だ。ダイバーズウォッチに期待されるすべての機能を備えているが、そのボリュームは11倍なのだ。直径52mm以上、厚さ21mm以上という巨大さもさることながら、私がこれまで見たダイバーズウォッチのなかで最も精巧なベゼルのロック機構を備えているのだ。ジェイソン・ヒートンは、彼のIn-Depthレビューで、"とんでもなくオーバーテクノロジーで、妥協のない時計だ "と言っていた。もちろん、1000mという水深は、実際のダイビングで必要とされる水深をはるかに超えているが、エクストリームな防水性能は楽しみの一部でもある。より実用的にエコ・ドライブ技術を採用し、プロマスター ダイバー1000Mはあらゆる光発電時計のなかで最大の耐圧深度を誇っている。価格:28万6000円(税込)
- ジャック・フォースター、編集長
セイコー プロスペックス 1975 メカニカルダイバーズ 復刻デザイン SBDX035
SLA041/SBDX035にまつわる言い伝えは次のようなものだ。1968年、セイコー本社に「セイコーの時計は深海に耐えられない」という日本の潜水士からの手紙が届く。セイコーの技術者である徳永幾男は、この問題に挑み、時計をイチから設計し直した。その結果、20件もの特許を取得し、1975年にまったく新しい時計としてデビューを果たした。この時計は従来のダイバーズウォッチとは一線を画すもので、モノコック構造のケース(外装はチタン製)とL型ガスケットを採用し、600m防水を実現したのだ。ヘリウムの侵入も許さなかった。「ツナ缶」と呼ばれるこの時計は、セイコーが誇る最強のダイバーズウォッチなのだ。写真の限定モデル、1975 メカニカルダイバーズ 復刻デザインは、55年の歴史に敬意を表し、今日では1000m防水を誇るより素晴らしいスペックとなった。価格:49万5000 円(税込)
- コール・ペニントン、エディター
ブランパン フィフティ ファゾムス X ファゾムス
横幅56mm、高さ24mm、究極の機械式ダイバーズウォッチといえば? それは、ブランパンの唯一無二のXファゾムスだ。2010年代初頭に発売されたXファゾムスは、ダイバーズウォッチというカテゴリーを定義するこれ以上ない例として、機械式ダイバーズウォッチというジャンルの最終形となるべく作られたモデルだ。機械式水深計、ふたつの水深表示スケール、レトログラード式5分計、アモルファス金属合金、最大深度メモリーカウンター、ヘリウムエスケープバルブ、そしてサファイアクリスタルベゼルや300m防水といったフィフティ ファゾムス伝統の機能がフル装備されたモデルなのだ。巨大で、がっしりしていて、ワイルドで、非実用的 - そして、私はそれを愛さずにはいられないのだ。価格:476万3000円(税込)
- ローガン・ベイカー、ブランドエディター
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