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Watch of the Weekでは、HODINKEEのスタッフや友人を招き、彼らの愛用している時計とそのエピソードをインタビューしている。今回ご紹介するのは、IWCのアンバサダーでありHODINKEEの投資家でもある、クォーターバックのトム・ブレイディ(Tom Brady)だ(なんとスーパーボウルのチャンピオンに7回も輝いている大物)。数ヵ月前、私たちはチャリティゴルフトーナメントで彼を取材し、次のようなコメントを預かった。
2004年のことだ。フィレンツェの街を歩いていて、パネライのブティックに立ち寄り、“私が時計にそんなお金をかけることはないだろう”と思ったことを思い出す。
そして18年後の今、私は自分の言葉を噛み締めている。
私は、IWCのアンバサダーとしてチャリティゴルフトーナメントであるビッグ・パイロット・チャレンジに参加し、IWCのビッグ・パイロット・ウォッチ ・トップガン“モハーヴェ・デザート”を着用している。この時計は、ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団によってオークションにかけられ、恵まれない地域に住む意欲的なアスリートたちにチャンスを提供する機関である、マイアミの非営利団体ディビア・ドリームを支援するために使用される予定だ(編集部注:ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団のオークションは2022年5月に開催され、その詳細はこちらでご覧いただきたい)。
私の時計のコレクションを子供たちにどう手渡そうか、しばらく前から計画を練っていた。子供たちはきっと大切にしてくれるだろうから。しかし同時にチャリティーで何かできないかと、さまざまな方法を考えてきた。これはその手始めである。
今はアンバサダーを務めているが、長いあいだ、私はこのブランドの単なるファンであった。実は大学時代のスクリーンセーバーがIWCのGST オートマティック アラームだったこともある。最高に高潔な時計だと思っていたため、手に入れることに憧れたこともあったが、当時の私には現実的ではなかった。
私が望んだ時計をようやく手に入れたのは、2002年に初めてスーパーボウルで優勝したときだった。優勝したあと、ニューヨークの57丁目にあるトゥルノーに行き、ポケットに入っていたお金でIWCを買って帰った。その時計は今も私と時をともにしている。
その後、私の30歳の誕生日に妻がホワイトゴールドのポルトギーゼをプレゼントしてくれた。彼女は家族全員の前で私にサプライズをしてくれたのだ。この時計は、私の人生のなかで最も重要な機会に身につけるものである。ホワイトハウスを訪ねる時にもつけて行ったように。
私とIWCの正式な関係のはじまりは、自然なものであった。リシュモントのCEOであるヨハン・ルパート(Johann Rupert)氏とはすでに面識があったが、あるとき、彼は私にやってほしいことがあると言った。気がつくと、ニューヨークでIWCのCEOであるクリス・グレインジャー・ヘル(Chris Grainger-Herr)とミーティングを行っていた。私たちはたちまち意気投合した。これは18年か19年のことだ。尊敬していた会社と一緒に仕事ができるなんて、信じられなかったのを覚えている。
私たちが最初に行ったことのひとつに、この時計がボストンで、どのように私の旅路がスタートを切ったかを紹介するキャンペーンが挙げられる。私はそのストーリーが大好きだ。そして今、私はここで善意のオークションにかけられることになっているこのビッグ・パイロット・ウォッチ ・トップガン“モハーヴェ・デザート”を身につけている。ケースバックには私の名前が入っているが、これを目にすることも近々なくなる。今日、私が身につけたら、ほかの誰かの手に渡るからだ。そして私は自身の時計のほとんどは、そういうものだと捉えている。最終的には私の家族や、今回の場合、素晴らしいチャリティーのもとへたどりつく。ビッグ・パイロット・ウォッチ ・トップガン“モハーヴェ・デザート”は、とてもカジュアルに着用できるのが愛すべき魅力だ。素晴らしい時計で、私も頻繁に身につけている。
タンパベイ・バッカニアーズのクォーターバックルームでは、何よりも腕時計の話をする。いつも最新のリリースについて話し合い、お互いにどう思うかを尋ね合う。ウォッチメイキングは真っ白なキャンバスから始まる。これらのブランドはいわばアーティストなのだ。フットボールでいえば、ほかのクォーターバックには見えないものを見ようとする、それと同じことが時計のフィールドでも行われている。時計づくりには、本当の意味でのイノベーションが起こっているのだ。
時計に引かれ始めた当初は、これほど深くニッチな文化が存在するとは知らなかった。今では、皆さんが想像もつかないような人たち(誰とは言わないが)とつながっているが、それらのつながりも、すべてはフットボールではなく時計が運んできたものなのだ。
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