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既に気づいた方もいるかもしれないが、今回のSIHHでは、パネライがサブマーシブルのラインナップを一新した。今回発表された限定モデルには、購入者がブランドアンバサダーである探検家マイク・ホーン(Mike Horn)や、イタリアの海軍特殊部隊マリーナ・ミリターレ(Marina Militare)と共に一生に一度の旅行や探検を経験できるものもある。本稿で紹介するモデルは限定版ではなく、そういった体験は付属してないが、新サブマーシブルの素晴らしいデザインとサイズ感を示してくれる。 以下の2つのダイバーズウォッチは、今年発表された新しいサブマーシブルの中のベーシックモデルだ。実用的ダイバーズウォッチとしてフラッグシップの地位を占める。
興味深いことに、今年、サブマーシブルがルミノールコレクションの傘下から切り離された。逆回転防止ベゼルにクッションケース、そしてルミノールスタイルのリューズガードなど、サブマーシブルの定番デザインは踏襲。42mm径のモデルにも300mの防水性能が備わっており、ダイバーズウォッチとしての基準をクリアしている。最も堅牢な実用時計を独自のコレクションにするという決定は、正しかったと思う。パネライはここ数年、ルミノール ドゥエのように、スーツスタイルにも似合うよう、薄さと着け心地を重視したルミノールの新モデルを加えてきた。サブマーシブル コレクションの独立化によって、パネライはイタリアにルーツを持つスイスの時計メーカーとして、次のことを明確にした。自社のすべての時計がダイビングに適しているわけではない一方で、ダイバー用に定義された独自のコレクションということである。顧客のためにも明確にすべきポイントではある。
ご覧のとおり、新しいサブマーシブル42mmには2つのバリエーションがある。ブルーセラミックベゼルのグレーの文字盤がPAM00959、ブラックセラミックベゼルインサートが付いたブラック文字盤がPAM00683だ。PAM00683は典型的なパネライデザインだが、目を奪われるのはグレーのほうだ。グレーダイヤルに特別なテクスチャが施されており、魅力的なデザインに仕上がっている。両方の時計とも、よくバランスが考えられたダイヤルで、ドットとバーが組み合わされたマーカーにはボリュームのある夜光が施されており、夜間や深海でも高い視認性を誇る。針もまた十分すぎる夜光が配され、存在感抜群だ。サブマーシブル42mmは、実用時計として比類ない出来栄えである。その主要な要素としては、耐水性と共に暗闇下での高い視認性だろう。カレンダーに関する終わりなき議論について、ここで解決するつもりは全くないが、このカレンダーは少なくとも私の目には適当だと映る。文字盤の色と深さに同化するようなグレーとブラックのカラーリングは、目立たないながらも読みやすい。
裏側にはねじ込み式の裏蓋が付いており、300mの防水性能を実現している。両モデルはそれぞれ、ブラックまたはブルーのラバーストラップがつき、ダイビングをしたり泳いだり、さらには湿度の高い夏の日でも対応できるだろう。また、本機のオーナーがスエードやほかのレザーなど、よりスタイリッシュなストラップに交換したい場合にも、ラグ下のクイックリリース システムのボタンを使用すれば簡単に行える。特別なツールを使用して、ラグのサイドと裏側にあるプッシュボタンを同時に押すと簡単に取り外しできる。
サイズ、デザイン、機能の観点から言うと、新サブマーシブル42(PAM00683およびPAM00959)は、ジェームス(JAMES STACEY)が2017年にレビューしたルミノール サブマーシブル1950 3ディズ オートマチック アッチャイオ(PAM00682)に連なるものだ。ここで言及すべきなのは、PAM00682には自社製キャリバーP.9010を採用しているが、新モデルのムーブメントはキャリバーOP XXXIVであることだ。これはリシュモングループがパラネイの設計に従い、傘下のヴァル・フルリエで製造しており、同じ72時間のパワーリザーブを有している。この新しい時計は108万円(税抜)の定価で、96万円(税抜)のPAM00682に比べてわずか12万円の値上がりだが妥当な額だと思われるだろう。
腕に乗せると、サブマーシブル42mmは快適にフィットしつつ、素晴らしい存在感を発揮する。現存のラインナップでは、確かに42mmは最小サイズだが、パネライらしさは全く欠いていない。むしろダイビングに特化したダイバーズウォッチそのものだ。角ばった定番のクッションケースとリューズガードの存在により、本機は実際のサイズよりも大きく感じると思うかもしれないが、これぞ最適なパネライサイズだ。
もちろんダイバーズウォッチにセラミックインサートを採用するのは初めてではなく、初めて使われたのは2012年発表のPAM00389(アマグネティック)だ。とはいえ、この時計にブルーのインサートが加える色合いは本当に素晴らしい雰囲気であり、今年のSIHHにおいて、より思い出に残る時計の1つなのである。
詳細についてはパネライ公式サイトへ。