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Watch of the Weekは、HODINKEEのスタッフや友人に、ある時計を愛用している理由を説明してもらう企画だ。今回の筆者は、グリーンベイ・パッカーズで将来殿堂入りを果たすクォーターバック、アーロン・ロジャース。数週間前、ウィスコンシン州グリーンベイで彼とキャッチアップした。以下は、彼の言葉だ。
今年の初め、私は親友の一人であるパッカーズのオフェンシブラインマン、デビッド・バクティアリの結婚式を執り行った。
"バック"(Bak、バクティアリのあだ名)と私は、もう10年も一緒にプレーしている。10年間、彼は文字通りフィールドで私の背中を見て、私を守ってくれた。そのお返しに、3月、私は彼の人生の最も重要な瞬間のひとつに、私の愛とサポートを示すことができた。そのとき私は彼と、彼の花嫁とユニバーサルライフ教会の新任牧師の前に立っていた。素晴らしい黒のタキシードを着て、手首にはお気に入りの白いダイヤルのゼニス クロノマスター スポーツをつけていた。
映画『寝取られ男のラブ♂バカンス』で、チャックが「僕の携帯電話には時計がついているから、(時計は)本当に必要ないんだ」と言うシーンを覚えているだろうか? 私はチャックとは違う。外食から、今年の初めにロンドンで国際試合をするためにパッカーズが初めて行った旅行まで、行く先々でこの腕時計を身につけている。
ゼニスのアンバサダーを務めるなかで、同社の歴史や精度へのこだわりを知り、そのすべてが私の心に響いてきたのだ。しかし、時計を選ぶのは個人の自由だ。私は自分の時計を選ぶとき、クロノマスター スポーツを選んだのだが、正直に言うとそれは見た目がよかったというのが大きな理由だ。
ここ数年のNFLの伝統となりつつあるラインマンのためのプレゼントを買うときでさえ、私は彼らが誰であるかによってひとりひとり異なる腕時計を選んできた。ある者はクロノマスター スポーツを、またある者はデファイ、クロノマスター オリジナル、さらにはパイロットウォッチも手に入れた。それぞれの時計にその年とメモを刻印して、特別な意味を持たせるようにした。しかし、私にとってクロノマスター スポーツは、美しい文字盤で、デザインが印象的でエレガント、そしてスポーツ性があり、まさに理にかなっていると感じた。とてもシンプルなのだ。
しかし、この夏、ゼニスの工房を見にル・ロックルに足を踏み入れた瞬間、私はこの時計をまったく新しい視点で見ることができた。
グリーンベイとル・ロックルには、実際に訪れてみないとわからないシンクロニシティ(共時性)がある。グリーンベイは、プロスポーツチームのある北米最小の都市というだけではない。グリーンベイは、チームだけでなく、地域社会も、歴史と卓越性への献身を体現しているのだ。シーズン中は、ほとんどすべてがパッカーズを中心に回っているように感じられる。バート・スター、マックス・マクギー、ファジー・サーストン、ジェリー・クレイマー、ウィリー・デイビス、ポール・ホーナング、レイ・ニッチェといったナショナルフットボールリーグの大物選手たちは、皆グリーンベイの代名詞だ。
それと同じように、ル・ロックルは、誰もが時計作りに打ち込んできたと感じられる場所である。ゼニスにも創業者のジョルジュ・ファーブル=ジャコや、エル・プリメロでゼニスを救ったことで知られる時計師シャルル・ヴェルモといった有名な人物たちがいる。そして、ゼニスには有名な時計メーカーなのだが、両社の歴史はそれだけにとどまりまらない。
私は新人たちに伝えるためのチェックリストを持っている。あのレストランに行く、ウィスコンシンのフィッシュフライに行く、サパークラブに行く、ベイビーチ遊園地に行ってジッピン・ピピンのジェットコースターに乗る、チーズカードを食べるなど、地域社会の経験の一部であるさまざまなことだ。くだらないものもあるが、実は深い意味を持つものもある。グリーンベイの過去、未来、そして現在を理解し、パッカーズの一員になるということはコミュニティの一員になるということ。それを納得するために、選手たちは見るべきランドマークや特定の人々に会う必要があるのだ。
ル・ロックルを訪れた際にも、卓越した技術に身を捧げようとする人々の意欲を感じた。私は熟練の技に大きな愛着を持っているが、ゼニスの工房では、最も単純な作業でさえも熟練の技を垣間見ることができる。時計製造は細かい作業が多く、一見平凡に見えるかもしれない。しかし、その平凡さのなかにこそ、美しさがあると私は信じている。ムーブメントに石を入れるのも、お客さまに食事を提供するレストランを切り盛りするのも、選手のユニフォームを洗うのも、レシーバーと一緒に毎日パスを投げ続けるのも、みんな一緒に目標に向かって突き進んでいることの一部なのだ。
私がパッカーズのクォーターバックやゼニスのアンバサダーでなくなる日が来るかもしれないが、私は常にこれらのコミュニティの一員であると考えるだろう。それまでは、そしてそれ以降も、このクロノマスター スポーツを腕にするときは、まったく新しいプライドを持ってそれを行うだろうと思う。
この時計は、もはや私の腕に似合うだけの時計ではない。親友とその最愛の人が結婚したときに身につけた時計、パッカーズを初めて海外遠征に連れ出したときに身につけていた時計、そして、ひとりが全体よりも偉大ではないということを私に教えてくれる、ふたつのコミュニティを象徴する時計なのだ。
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