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Photos by Mark Kauzlarich
我々が知っていること
トレダノ&チャンは、この2年間で4番目となる時計を発表した。今作はフルチタンケースを採用し、ケースサイズを改良した。さらに波紋模様を施した18Kゴールド製のダイヤルを備えている。2024年に発売されたトレダノ&チャン b/1はパンデミック後の過剰な消費の熱狂に乗じ、創造性を二の次にして繰り返される新作発表に疲弊していた市場にとって一種の救いのような存在だった。ホイットニー美術館からサザビーズの本部へと転用された建物にあるマルセル・ブロイヤー(Marcel Breuer)が手掛けた窓のデザインにインスパイアされ、ロレックス マイダスの遠い親戚(数十年もの隔たりはあるが)とも言える彫刻的なアングルを持つケースは、まさに絶好のタイミングで登場した。人々がかつてないほど、ヴィンテージの構造的なケースを持つ時計に、奇妙で個性的な魅力を見いだしていた時期だったからだ。そのデビュー作(および昨年の後続モデル)への評価により、トレダノ&チャンはここ数年で最も興味深い新興ブランドのひとつとなった。今回の新作は初代よりも高価だが、愛すべきポイントは数多くある。
この時計に見覚えがある理由はいくつかあるかもしれない。昨年のドバイウォッチウィークのPhoto Reportのなかで、まだ情報解禁前だったb/1.3rの写真を掲載した。しかしそれは、ファッションに精通したイタリア人コレクターによってすでにリークされていたからだ。また、この時計は過去のb/1をイチから作り直したわけではなく、デストロ仕様も引き継いでいるためなじみがあるように見えるのだろう。しかし、当時はまだ判明していなかった詳細なディテールがある。
まず、ケース幅が33.5mmから32mmへとサイズダウンされた。時計が再び大型化の傾向にある現代において、これは少し驚きだ。また(以前の記事のコメント欄で頻繁にリクエストされていたとおり)、チタンケースとブレスレットの採用により軽量化も実現している。厚さは、初代にはなかったファセット付きのサファイアクリスタル風防を含んでいるため、風防を含まない最も薄い部分で8.8mm、風防を含む最も薄い部分で10.8mm、そして最も厚い部分の12.4mmと幅がある。
昨年ドバイでアルフレッド・チャン(Alfred Chan)氏の手首に巻かれたトレダノ&チャン b/1.3r。
ムーブメントは、42時間のパワーリザーブを備えたセリタ製のSW100を搭載している。価格は1万200ドル(日本円で約180万円)で、ステンレススティールモデルから大幅に上昇した。この価格設定にはいくつかの要因がある。ダイヤルに使用された金のコスト、そしてチタン製ブレスレットの切削加工と仕上げの難しさだ。また(旧モデルが中国製だったのに対し)今作はスイス製となっている。b/1.3rは世界限定350本で、東部標準時で2月12日午前9時(編注;日本時間で2月12日 午後11時)に発売される。
我々の考え
さまざまな要因によって時計界で一躍成功を収めたこの若きブランドにとって、これはおそらく私のお気に入りのリリースだ。フィル・トレダノ(Phil Toledano、ブランドの共同創設者である銀髪で社交的な英国人だ)氏にセンスがあるかどうかは議論の余地がない。そのセンスがよいかどうかは、マイク・ヌーヴォー(Mike Nouveau)氏のTikTokで彼がどれほど激しくいじられているかによるだろう。
冗談はさておき、トレダノ氏がきわめて難解で、しばしば見過ごされがちな何かに熱中する姿を見るのはいつも楽しい。私が彼の意見に疑問を投げかけると、必ず彼自身の見解を裏付ける論理的な根拠を提示してくれる。時計をデザインする際、センスと独自の視点を持っていることは私にとって最も強力な武器のひとつだと思える。
デザインの“なぜ”を深く考え、自分の言葉を信じていると感じさせるような説明ができる人は決して多くない。私は多くの新興ブランドに“なぜこれを作ったのか”と問いかけるが、その答えに物足りなさを感じることも少なくない。もし市場のニッチを埋めるための時計を作りたいと言うのであれば(それが最も多い答えだ)、単に既存のデザインを少し調整しただけではなく、真のニッチであるべきだ。そして、この時計のように見事に具現化されていなければならない。
これらの時計は、所有していないことに対して強いFOMO(買い逃しの恐怖)を感じさせる。それは、彼らのデザインや展開がいかに思慮深いものであるかが伝わってくるからだ。価格の上昇はかなり厳しいものだが、(特にチタン製の)ケースやブレスレットはダイバーズウォッチなどと比べて製造が容易でないことは確かであり、理解できる。過去のb/1シリーズと比較して、この小さなケースサイズに劇的な違いを感じるかと聞かれれば、並べて比較しない限りはそれほど気にならないというのが正直なところだ。私自身、小さな時計を身に着けることに抵抗はない。
視認性にも問題はないし、正直なところ、小さな時計を着用した私の姿を誰かに“奇妙”だと言われたとしても気にしない。それは“その人”の問題であって、“私”の問題ではない。私は自分のために時計を着けているのだ。しかしその美学はきわめて大胆であるため、このb/1.3rが現在の自分を適切に表しているのか、それともそうありたい自分を映しているのかを自問することになる。私は、このようなステートメントを自信を持って着こなせる人間でありたい。その答えが出るまではこの時計を愛用する人々を眺めながら、その魅力を味わうことにしよう。
トレダノ&チャン b/1.3rの波打つダイヤル。
基本情報
ブランド: トレダノ&チャン(Toledano & Chan)
モデル名: b/1.3r
直径: 32mm
ケース素材: グレード5チタン
文字盤: 18Kゴールド製 “波模様”のテクスチャーダイヤル
インデックス: なし
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: チタン製ブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ SW100
機能: 時・分表示
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
価格&発売時期
価格: 1万200ドル(日本円で約180万円)
発売時期: 東部標準時で2月12日午前9時(編注;日本時間で2月12日 午後11時)
限定: あり、350本
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