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Introducing イエマ seconde/seconde/とコラボレーションしたヨッティングラフを発表

名カスタマイザー、ロマリック・アンドレとのコラボレーションによって、フランスが誇るツールウォッチの名作、1968年のヨッティングラフ・クロワジエールがグラフィティ風の“タグ”と“f”の一文字を加えられ、新たな表情を手に入れた。

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我々が知っていること

数あるツールウォッチのなかでも、イエマは常に独自の存在感を放ってきた。1948年の創業以来、同ブランドは生粋の、そして確信的な“フレンチらしさ”を武器に、自らのアイデンティティを築いてきた。宇宙から海に至るまで、あるいはスーパーマン スキンダイバーからヨッティングラフまで、イエマのアーカイブにはビッグアイサブレジスターやデジタル表示、リューズチューブに取り付けられたベゼルロックなど、そこにはフランスならではのエキセントリックな機能と独創的な華々しさがあふれている。

the Yema x seconde/seconde Yachtingraff
the Yema x seconde/seconde Yachtingraff
the Yema x seconde/seconde Yachtingraff

 新作のイエマ×seconde/seconde/ ヨッティングラフ(Yachtingraff、そう“グラフ”はFがふたつだ)はレガッタに対応した本格ツールウォッチを、まるでパリジャンらしいやんちゃで遊び心いっぱいにアレンジしたモデルだ。一見すると、1968年に登場した希少かつ魅力的なヨッティングラフ・クロワジエールへのオマージュであることは明白だが、しかしその印象はすぐに、しかもわざと予想を裏切る方向へと変わっていく。seconde/seconde/の名で知られ、風刺の効いたミーム的なカスタマイズを得意とするロマリック・アンドレ氏が、このヴィンテージの名作にストリートアート的なひねり加えているのだ。

 文字盤の中心でひときわ目を引くのは、オーバーサイズのレガッタカウントダウン用インダイヤルだ。オリジナルでは3時位置にあったが現行モデルでは9時位置に移され、デザインの核を成している。ただし今回は、慣れ親しんだクリーンなプリント仕上げとは違い、seconde/seconde/はグラフィティ風の手描きのような仕上げを選んでいる。カラフルな塗料は厚く塗られ、まるでまだ乾いていないかのような質感、さらにはダイヤル下部に白い塗料が垂れている様子まで表現されている。この9時位置のインダイヤルは装飾ではなく、15分×2のレガッタ用カウントダウン機能を備えた実用的なものだ。クロノグラフ針もダイヤルの色味に合わせてペイントされ、中央の時・分針はインデックスと調和するようスーパールミノバが塗布されている。12時位置にプリントされた“Yema Yachtingraf”のロゴには“F”がひとつ加えられており、これはブランドの言葉を借りれば、“ルールはスプレーで塗り潰すためにある”という信条を表現している。 

the Yema x seconde/seconde Yachtingraff
the Yema x seconde/seconde Yachtingraff
the Yema x seconde/seconde Yachtingraff

 ダイヤルのユニークさをさらに引き立てているのが、プッシャーのデザインだ。これらは巧みに手を加えられ、赤と青のスプレー缶のような見た目に仕上げられている。また、ソリッドケースバックには“La Croisière, ma muse(クルージング、それは私のミューズ)”というフランス語の刻印が施されている。これは1970〜80年代に放送されたアメリカのテレビ番組『The Love Boat』の仏語タイトル『La croisière s'amuse(クルージングは楽しい)』をもじったものであり、本プロジェクトにおけるアンドレ氏の“宣言”だと言える。

 seconde/seconde/によるアレンジを除けば、このヨッティングラフは2024年7月に発表されたベースモデル、ヨッティングラフ・クロワジエールと基本仕様を同じくする。ケースサイズは直径が38.5mm、厚さが10.53mmで、ヘアライン仕上げの丸型リューズには、ポリッシュ仕上げのイエマロゴがあしらわれている。内部にはセイコー製VK63メカクォーツムーブメントを搭載し、スムーズなクロノグラフ作動を実現する。

the Yema x seconde/seconde Yachtingraff pushers

 ヨッティングラフの価格は449ユーロ(日本円で約7万6000円)。2025年6月25日より予約受付が開始され、納品は2025年9月頃からを予定している。


我々の考え

カスタマイズを、ただのギミックと切り捨てるのは簡単だが、seconde/seconde/の手にかかれば、それはまったくの別物になる。彼の作品はアートとユーモア、ノスタルジーと破壊的精神という相反する要素を巧みに行き来する。その仕掛けは親しみやすさを求める新しいコレクターから、ルールを熟知したうえでそれを破る楽しさを知るベテラン愛好家まで、幅広い層の時計ファンに響く。その魅力はアイロニカルでありながら、決してシニカルではないところにある。

the Yema x seconde/seconde Yachtingraff

 フランスらしさあふれるふたつのブランドが手を組んだこのコラボレーションは、実によくできている。スプレー缶を模したプッシャーや、ダイヤルに描かれたコミカルな塗料の垂れなど、どこかにきっと思わず笑みがこぼれるポイントがあるはずだ。そして何より魅力的なのは、この遊び心が詰まったデザインのベースになっているのが、もともと完成度の高い実用的なツールクロノグラフであることだ。


基本情報

ブランド: イエマ(Yema)
モデル名: イエマ×セコンド/セコンド/ ヨッティングラフ(Yema x seconde/seconde/ Yachtingraff)

直径: 38.5mm
厚み: 10.3mm
ケース素材: 316Lステンレススティール
文字盤色: ブラック。カスタマイズされたインダイヤル
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: トロピックスタイルのブラックラバーストラップ、ピンバックル付き

Yema x seconde/seconde Yachtingraff caseback

ムーブメント情報

キャリバー: セイコー VK63 ハイブリッドメカクォーツ(Seiko VK63 hybrid meca-quartz)
機能: 時・分表示、スモールセコンド表示、クロノグラフ
巻き上げ方式: メカクォーツ


価格&発売時期

価格: 449ユーロ(日本円で約7万6000円)
発売: 予約受付は2025年6月25日(水)中央ヨーロッパ時間16時/アメリカ東部時間10時から開始
デリバリー: 2025年9月より出荷開始予定

詳しくはこちらをご覧ください。