ADVERTISEMENT
去年『バービー(原題:Barbie)』を見なかった人は、最新情報を知らずにいたか、アカデミー賞にノミネートされたマテル社のおもちゃを題材にした映画のような、ピンクのマーケティングの天才(グレタ・ガーウィグ)を意識的に避けていたかのどちらかだろう。
そして、もしあなたがバービーをスキップした少数派に属していながらHODINKEEを読んでいるのであれば(それはおそらくあなたが時計好きであることを意味する)、実際に観ることをおすすめする。ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)演じるケンの時計の見どころが満載だからだ。その詳細は同僚のダニーのWatching Movies記事でお届けしている。要約すると、ゴズリングは3本のヴィンテージホイヤー クロノグラフを同時に着用し、しかもすべての場面でシャツを着ていなかった。つまり時計が完璧に見えたということだ!
残念なことに、日曜日の夜に行われた英国アカデミー賞授賞式でのカーペットウォーク中、グッチの長い袖がゴズリングのユニークな新グラスボックスウォッチブレスレットの時計を遮っていた。ただ彼が式典中に座っているとき、とても鮮やかな白い袖の裾(興味深いスーツの選択だ)の下から時計を捉えることができた。当然のことながら、私たちはこのハイブリッドなブレスレットウォッチとグラスボックスを調査することにした。
タグ・ホイヤーの友人によると、ゴズリングは映画『バービー』で着用したブレスレットのホイヤー Ref.1158 CHNをとても気に入り、自分も欲しいとリクエストしたそうだ。タグ・ホイヤーのチームは、昨年9月のグッチのショーで着用するためにヴィンテージのミュージアムピースを彼に貸し出したあと(このときも袖で隠れていた)、ゴスリングのために独自のミラネーゼスタイルを持つゴールドブレスレットのグラスボックス カレラをつくることにした。
「開発チームと協力して、ゴールドのグラスボックスに合う新しいミラネーゼブレスレットを考案しました。エンドリンクを取り付けることについて、いくつかの選択肢を検討しましたが、最終的にミラネーゼスタイルの仕上げにした、1940年代ヴィンテージのストレートエンドのリンクブレスレットにしました」。タグ・ホイヤーのヘリテージ・ディレクターであるニコラス・ビーブイック(Nicholas Biebuyck)氏はこう述べた。
昨年の11月に発売された金無垢グラスボックスは、現在数量限定で提供している。これは単に生産上の制限によるものだ。タグ・ホイヤーの生産のほとんどはステンレススティールであり、ゴールドウォッチは汚染を避ける材料のリサイクル管理をするために、別の装置で製造しなければならない。「ゴールドをほかの金属と混ぜることができないことを考えると、金無垢モデルは生産がボトルネックになります。装置から余分なゴールドを取り除くときには、まず純金を手に入れて、それを再度溶かして新たに製造する必要があります」とビーブイック氏は説明した。
タグ・ホイヤーは現在、メッシュブレスレットの金無垢時計を生産していないが、2018年にはロニー・ピーターソン(Ronnie Peterson)が所有していた1158 CHNの忠実なレプリカを製造した。ピーターソンのキャリアを記念して製作された、1970年代初頭の純金製Cラインケースを持つ自動巻きクロノグラフ(もちろん最新キャリバー搭載)は、ロニー・ピーターソン財団のためのチャリティーオークションで落札された。この時計は24万ドル(当時の相場で約2650万円)の値がついた。そしてクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が2番目となる18K製1158 CHNレプリカを所有していると考えられているが、これはロナウドが5度目のバロンドールを受賞したことを記念して、2017年当時のタグ・ホイヤーCEO、ジャン-クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)氏から贈られたものである。
グラスボックスは、ホイヤー Ref.1158 CHNとは明らかに異なるルックスを持つ。これはオリジナルの金無垢カレラにシルバー文字盤(パンダダイヤルは提供されたことはない)を持つRef.2456や、オリジナルのカレラシリーズにゴールドメッキを施した3レジスターのRef.2448に近い。もちろんRef.1158のメッセージもある。最新の39mmグラスボックスのダイヤルデザインは、Ref.1158をそのまま踏襲しており、6時位置にはランニングセコンドダイヤルが追加されている。
ゴズリングがアカデミー賞でこれを着用して、かつグッチの袖がもう少し短くなっているか、次回も確認する必要がある。
話題の記事
WATCH OF THE WEEK アシンメトリーのよさを教えてくれた素晴らしきドイツ時計
Bring a Loupe RAFの由来を持つロレックス エクスプローラー、スクロールラグのパテック カラトラバ、そして“ジーザー”なオーデマ ピゲなど
Four + One 俳優である作家であり、コメディアンでもあるランドール・パーク氏は70年代の時計を愛している