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Business News 関税発表を受けて、中古時計市場の価格と掲載数が急騰

【ニュース】Everywatchがまとめたデータによれば、最新の関税率が公表された翌週にはパテック フィリップの中古時計の販売本数が倍増した。

パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ロレックスといった一流ブランドの中古時計の価格および掲載数は、アメリカが8月にスイスからの輸入品に対して大幅な関税を発表したのを受けて上昇した。しかし、Everywatchがまとめたデータによれば、その上昇は長くは続かなかった。予想を上回る関税が実施されると購入者側の反発が生じ、中古市場は安定を取り戻したのである。

 Everywatchのデータによれば、関税が発表された週における中古時計ディーラーによるパテック フィリップの世界販売額は、前週の4300万ドル(日本円で約64億円)から2倍以上の8700万ドル(日本円で約128億円)に増加。またロレックスの中古販売も、同週に1億700万ドル(日本円で約158億円)から1億2300万ドル(日本円で約182億円)へと大きく跳ね上がった。さらに、関税が実施された8月7日を含む8月4日から10日の週には、2次流通市場におけるロレックスの中古販売額は14%増の1億4000万ドル(日本円で約207億円)に達したことが同データで示されている。

Source: Everywatch 

 この期間中の販売増は、主にハイエンドで高価格帯のブランドに集中しており、オーデマ ピゲ、リシャール・ミル、ショパールの中古時計も軒並み売り上げを伸ばした。一方で、カルティエのように2次流通市場で中価格帯に位置づけられるブランドは、関税の発表およびその後の数週間にわたって、比較的価格変動が少なかった。

 関税発表および実施期間中に、一時的な取引量と平均掲載価格の上昇が見られたものの、Everywatchのデータによると、8月末には週間の全体的な販売量と平均販売価格が急落した。特にアメリカと香港でその傾向が顕著であった。Everywatchによればアメリカにおける中古時計の販売は、月末の1週間で前週比取引量が41%減少し、平均価格も14%下落したという。

Source: Everywatch

 インターネット上で公開されている掲載情報および販売情報をもとに、Everywatchが収集・デジタル処理した今回のデータは、スイス製品に対してアメリカが導入した39%の関税により、中古時計の売り手と買い手がどのように反応したかを示す初期的な指標である。このデータは関税が引き金となって2次流通市場における時計の価格と掲載数が急増し、パテックを含む一部のトップブランドでは販売が急伸したことを示している。しかしその直後、買い手が高騰した価格に反発し、売り手が新規掲載を控える、もしくはペースを落としたことで、市場は調整局面へと移行した。特にアメリカ市場でその傾向が顕著であった。それでも、オーデマ ピゲ、パテック、ロレックス、リシャール・ミルといった高価格帯ブランドの中古時計のグローバルな販売は、平均価格や取引量が落ち込んだアメリカ市場とは対照的に、比較的堅調に推移している。またブランパン、パテック フィリップ、ジャガー・ルクルト、カルティエといったスイスの有力ブランドの一部は、アメリカにおける関税の財務的影響を相殺するために、新品価格の引き上げ、あるいは値上げの予定を打ち出している。

 スイス時計協会によれば、スイス時計の輸出は8月に前年比16.5%減少し、米国本土および中国本土をはじめとする主要市場への出荷が軒並み落ち込んだ。今年4月と7月には、関税の実施を前にブランド各社が小売店への供給を急いだためアメリカ向け輸出が一時的に急増していたが、8月にはその反動が見られ、前年同月比で24%の減少となった。中国本土向けの出荷もほぼ36%の大幅な落ち込みとなっており、全体の低下に拍車をかけている。また今年1月から8月までのスイス時計全体の輸出額は、前年同期比で約1%減の1700万スイスフラン(約2148万ドル、日本円で約31億6000万円)にとどまり、わずかながらも前年を下回る水準となっている。