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Hero Image by Kyosuke Sato/特に表記のない画像はSeiko
クイック解説
セイコー プロスペックスのフラッグシップシリーズであるマリンマスターに、新たな節目を示す2本が加わった。ひとつは国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)とのコラボレーションによる数量限定モデル、もうひとつは同型ケースを採用する進化を遂げたレギュラーモデルだ。発売日はともに7月10日。JAMSTECコラボレーション限定モデルは世界限定1000本で価格は55万円、レギュラーモデルは50万6000円(ともに税込)だ。
今回の新作が興味深いのは、単なるカラーバリエーションや限定仕様ということにとどまらず、マリンマスターの系譜に、改めて実用と探求というテーマを盛り込んだ点にある。セイコーのダイバーズウォッチは1965年の国産初のダイバーズウォッチを原点として、1968年の300m空気潜水モデル、1975年のチタン製600m飽和潜水用モデルと発展してきた。JAMSTECとはそうした歴史のなかで1980年代から協力関係を築き、1983年には「しんかい2000」で飽和潜水用モデルの深海テストも実施した。特に今回のJAMSTECコラボレーション限定モデルでは、そうしたセイコーのダイバーズウォッチにおける挑戦の軌跡、挑戦の精神を表現に込めている。
マリンマスター 1968 ヘリテージというモデル名が示すように、そのケースデザインは1968年モデルの流れをくむ流線型フォルムと4時位置リューズを継承している。一方でブレスレットには新開発のワンプッシュダイバーアジャスター方式のクラスプを導入。最大約16mmの調整幅があり、約2mmずつ、8段階の微調整を行うことができる。特筆すべきは中留を閉じたままでも延長分を戻すことができるため、潜水時はもちろん、日常生活における腕周りの変化などにも簡単な操作で調整できる点だ。なお、この新型のクラスプはJAMSTECコラボレーション限定モデル、レギュラーモデル双方に採用されている。
JAMSTECコラボレーション限定モデルの見どころは、やはり特徴的なダイヤル表現だ。北極域研究船が氷海を切り開く航路からイメージした立体的な型打ち模様を新開発し、中央へ向かって深みを増すブルーグラデーションと、厚い透明塗膜を重ねて磨き込むことで、静謐で奥行きのある表情を獲得した。単なる“海”を想起させる青ではなく、研究船が向かう極地の冷たさと透明感、北極海の澄んだ深みをディテールへ落とし込んでいる点が何と言っても秀逸だ。また、ダイヤルを際立たせる表現のひとつとしてベゼルリングには落ち着いた色味のブルーセラミックスを採用。裏蓋には限定モデルの証として「JAMSTEC LIMITED EDITION」表記とシリアルナンバーをあしらう。
一方のレギュラーモデルは、王道のマリンマスター像をより研ぎ澄ませた1本だ。ダイヤルは前述の限定モデルとは打って変わって梨地仕上げのマットな質感と深いブラックカラーを採用。高輝度ルミブライト(これは限定モデルも共通)、そしてセラミックス製ベゼルもダイヤル同様ブラックとし、視認性の高さとツール感を優先した。
両モデルに搭載されるのは自動巻きのCal.8L45。日差+10秒〜−5秒、約72時間パワーリザーブを実現したムーブメントで、これまでに限定モデルでの採用例はあったが、レギュラーモデルへの搭載は本作が初となる。300m空気潜水用防水、42.6mm径のがっしりとしたケース、光の歪みを抑えて視認性を高めるデュアルカーブサファイア風防を備えるなど、プロユースはもちろんのこと、日常的にも快適に着けられる1本に仕上がっている。
ファースト・インプレッション
Photo by Kyosuke Sato
旧モデル(Cal.8L35搭載のマリンマスター 1968 ヘリテージ)と新作の違いは、主にムーブメント、ブレスレット機構、文字盤表現の3点。特に最大の進化はムーブメントだ。旧モデルが搭載していたのはCal.8L35で、精度は日差+15秒〜−10秒、パワーリザーブは約50時間。これも不満に感じられるようなスペックではないが、新作では日差+10秒〜−5秒、約72時間へとさらに性能が向上したCal.8L45を搭載する。ケースサイズは新作も旧モデルも42.6mm径で、新作はわずかに厚みが増している(新作は14.1mm厚、旧モデルは13.4mm厚)が、このムーブメントの違いは見た目にはわからない大きな刷新ポイントとなっている。
ムーブメントの進化と並び、次に実用面での進化は、やはり新開発のワンプッシュダイバーアジャスター方式のクラスプが採用された点は大きい。新作は最大約16mm、約2mm刻みで8段階の微調整が可能で、中留を閉じたままでも延長分を戻せる。旧モデル側ではワンプッシュダイバーエクステンダー方式のクラスプを採用していた。これも工具なしで簡単にブレスレットが延長できる機能だったが、こちらはあくまでもウェットスーツ着用時に上から装着するために数cmの長さを追加できるというもの。工具不要で細かな即時調整が可能な新作のクラスプは、日常使いでも着け心地の差として体感しやすく、特に魅力的に感じられるはずだ。
Photo by Kyosuke Sato
そして、新作を手に取ってみて最も注目すべきポイントだと感じたのはダイヤル表現だ。ツールウォッチとしての確かな性能はもちろん担保しつつ、思わず見入ってしまう楽しさ、手に取った時の高揚感など、新作はそうした時計を手にした際の感情面における魅力の訴求がより進化している。限定モデルに見られる、北極域研究船の航路をモチーフにした新開発の立体型打ちダイヤルとブルーグラデーションは、まさに海を思わせる透明感があり見ているだけで楽しいものだ。レギュラーモデルにおいては梨地仕上げであることは新作も旧モデルも同じだが、新作では“今までよりも深い黒の塗装”と、その変化を強調。これにより高い視認性を追求したというが、この色味の変化をどのように実現したのかは、プレスリリースからは情報が得られなかった。ダイヤル表現の進化については、機会があれば、どんなところにこだわり実現させたのか、ぜひとも聞いてみたいと思っている。
Photo by Yuki Matsumoto
基本情報
ブランド: セイコー プロスペックス(Seiko Prospex)
モデル名: マリンマスター 1968 ヘリテージ
型番:HBF002J(JAMSTEC コラボレーション限定モデル)、HBF001J(レギュラーモデル)
直径: 42.6mm
厚さ: 14.1mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: 中央に向かって深みを増すブルーグラデーション(HBF002J)、ブラック(HBF001J)
インデックス: エンボス
夜光: あり。時・分針とエンボスインデックス、ベゼルのゼロポイントにルミブライト
防水性能: 300m(空気潜水用防水)
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレット(調整幅最大約16mm、2mmごと8段階)、ワンプッシュダイバーアジャスター方式クラスプ
ムーブメント情報
キャリバー: 8L45
機能: 時分表示、センターセコンド、3時位置に日付表示
直径: 28.4mm
厚さ: 6mm
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻付き)
振動数: 2万8800振動/時(8振動/秒)
石数: 35
クロノメーター: なし(ただし、日差+10秒~-5秒の高精度)
追加情報: 動力ゼンマイの素材にセイコー独自の合金素材のスプロン(Spron)を採用
価格&発売時期
価格: HBF002Jが55万円、HBF001Jが50万6000円(ともに税込)
発売時期: 2026年7月10日(金)
限定: HBF002Jは世界限定1000本(うち国内250本)、HBF001Jは通常コレクション。ともにセイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーブティック、セイコーウオッチサロンで販売
詳細は、セイコーウォッチ公式サイト、JAMSTECコラボレーション限定モデルについては特設サイトをクリック。
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