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Watches & Wondersで小さくなって登場した2021年の新作時計たち

年々、時計のケースの直径は大きくなっていた。しかし、今年のWatches & Wondersでは、その傾向が逆になったようだ。

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時計のケースサイズは、1~2mmの違いで大きく変わるものだ。そのため、2000年代から2010年代にかけて、スポーツウォッチの大型化が進み、パネライが爆発的な人気を博し、45mm以上の時計がますます流行したことは、大きな変化を感じさせるものだった。ブライトリング、IWC、オメガ、そしてロレックスなどのブランドは、消費者の要望に応えてサイズアップしていったのだ。

 最近では(ヴィンテージウォッチのブームもあってか小型化傾向にある)、ケース径だけでなく、厚さと全長(ラグからラグまでの時計の縦方向の長さ)という2つの重要な指標についても、より控えめなサイズが求められている。以下のWatches & Wondersの新作は、ダウンサイジングのデザインへの動きを反映している。


ロレックス エクスプローラー

 ロレックスがエクスプローラーのコンビモデルを発表したのは確かに衝撃的だったが、僕はそれよりも、先代の39mmサイズから「新しく」36mmサイズへ移行したことの方が大きな話題だと思う(記事「ロレックス エクスプローラーの新世代は36mm、そしてコンビモデルも 2021年新作」参照)。

 エクスプローラーのレガシーにおいて、36mmは長い間、その一部であった。しかし2010年、ロレックスはより大きな39mmのケースサイズで214270を発表。それから11年後、39mmのオイスターパーペチュアルが廃止されたことを受けて、エクスプローラーは36mmに戻ったのだ。なぜこのような変更がなされたのか? ロレックスは明言していないが、推測するのは楽しい。39mmというサイズは、サブマリーナーやGMTマスターのような40mmのプロポーションに近すぎたのかもしれない。

 ありがたいことに、どちらのサイズを選んでも間違いはない。僕の好みは常に36mmサイズだが、数年前に「ロレックス エクスプローラー Ref.214270を1週間レビュー(動画あり)」でRef. 214270を使ってみたところ、大きめのサイズにも関わらず感銘を受けた。

 最後にひとつ、おかしなアイデアが浮かんだ。一般消費者の宇宙旅行が視野に入り、エクスプローラーが36mmに戻った今、非常に珍しいスペースドウェラーの後継モデルが出る可能性はあるだろうか?


IWC ビッグ・パイロット・ウォッチ(43mm)

 このリストにある時計の中では、新しくそれほどビッグではないビッグ・パイロット・ウォッチ 43が一番面白いと思った。何しろ「ビッグ」であるサイズは、名前の中にそのまま反映してしまうほどの特徴だったのだから。

 レイアウトも機能もシンプルにまとめられた新しいビッグ・パイロット・ウォッチは、これまで46mmのケースサイズが主流だったIWCの時計ラインナップに43mmの翼を加えたものだ。センターセコンドとクラシックなフリーガー・レイアウトを備えたこの小径のビッグ・パイロット・ウォッチには、ブラックまたはブルーの文字盤が用意されており、どちらにも大型の兄弟モデルと同様に美しく大型の円錐形リューズと、IWC自社製自動巻きムーブメントが搭載されている。

 つまり、小さくはなったが、まだ小さい時計ではない。少なくとも、文字通りわずか数mmに注目する記事の中では、この点は重要な違いだと思う。これ以上小さくなると、ビッグ・パイロット・ウォッチはIWCの主力パイロットウォッチである39~41mmのレンジを侵し始めるからだ。ビッグ・パイロット・ウォッチは、その考え抜かれたオーバーサイズの外観から得られるインパクトを失ってしまうだろう。これはおそらく可能な限り小さいサイズなのだ。

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IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41

 こちらは、43mmのビッグ・パイロット・ウォッチに比べると驚きは少ないが、それでも素晴らしいリリースだと思う。SIHH2019で、IWCはスピットファイアのラインナップに、41mmの小型サイズのクロノグラフモデルなど、一連のアップデートをした。そして今回、ブランドの中核をなすパイロット・ウォッチ・クロノグラフが、ブルーとグリーンの両ダイヤルモデルで41mmサイズに加わることになったのである(記事「IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフに41mmサイズが登場 2021年新作」)。(何しろ2021年だ、グリーンダイヤルは当然だろう)。

 これらの新モデルは、43mmのバージョンに取って代わるものではないが、IWCの自社製コラムホイール式自動巻きムーブメント69385を備えている。これらのハンサムなパイロット・ウォッチデザインは、100m防水、クイックチェンジ・マウント(ブレスレットまたはストラップ)を備えて82万5000円(税込)という、この価格帯では十分な競争力をもっている。

 41mmのパイロット・クロノを1週間ほど使ってみて、小さいサイズの追加の背景にある考え方を理解するのは難しいことではなかった。今後数年間は、最も人気のあるサイズ(41mmと43mm)がパイロット・シリーズの中心になると思われるが、ラインは39mmのルーツの方向に戻っていくのだろう。


パネライ サブマーシブル ブロンゾ ブルー アビッソ

 知ってるよ、42mmのサブマーシブルは2017年から何らかの形で存在している(僕がHODINKEEの参加したばかりの頃にここでレビューもした)。ここでの話は、サブマーシブルが42mmであることではなく、パネライがついにブロンズ製の42mmサブマーシブルを発表したということだ(記事「パネライ サブマーシブル ブロンゾ ブルー アビッソ 2021年新作」参照)。そして、これはかなり魅力的なのだ。

 ブロンゾは2011年以来、パネライのサブマーシブル戦略の一部となっているが、47mmのパネライがフィットする手首でない限り、唯一の選択肢はスティールだった。今回、1000本の限定生産で、ブロンゾの42mmが登場。僕はブロンズ製の時計はあまり好きではないが、ブロンゾのサブマーシブルは非常に理にかなっていると思うし、旧世界の航海ツールの美的な系譜に則っている。とはいえ、ブルーのスエードのストラップは、陸上生活者向けかもしれないが。


チューダー ブラックベイ クロノ(奨励賞)

 このチューダーのダイビングに通づるクロノグラフの最新モデルは、僕の心の中で今回の比較リストに入っていた。結局のところ、新型のパンダモデルは、正しい比較対象を選べば小さくなったといえるのだ。ジョン(・ビューズ)がチューダーの新作クロノグラフのハンズオン記事「チューダー ブラックベイ クロノ 実機レビュー」で強調したように、直径41mm、厚さ14.4mm、全長49.8mmのこれらの新作は、2019年の「チューダー ブラックベイ クロノ S&G」と同じサイズなのだ。

 このサイズの変化は、2017年に発売されたオリジナルのブラックベイ クロノの厚さ14.9mmと比較して初めて実感できるものだ。0.5mmは厚みの面で違いを生むが、これはオリジナルのデザインに対する小さな微調整のように思え、確かに新モデルの特徴であるブラックベゼルと新しいダイヤルの影に隠れてしまっているものである。

 最後に、あなたが何を考えているかは分かる。新しいロレックス エクスプローラーII Ref.226570もチューダーと同様に小さくなっているのではないか? 第5世代のエクスプローラーIIは、216570とは異なる寸法の最新ケースを搭載しているという報告があるが、僕たちはまだ226570に触れることができておらず、自分たちのノギスで新型のケースを測定していない。混乱や誤った情報を増やしたくないため、実際に測定できるようになるまで、226570はリストから外しておいた。