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業界の第一線で活躍するジェフ・ヘス(Geoff Hess)氏が、サザビーズ・アメリカズの新しい時計部門責任者に就任することが発表された。ヘス氏は最近までバックス&ルッソ(Bacs & Russo)と提携してフィリップスの国際スペシャリストを務めるなど、彼はサザビーズでの職務において幅広い経験をもたらす。彼はニューヨークにあるサザビーズの時計部門に加わり、市場における能力と存在感を高め続けていくことになる。
「サザビーズと世界中、そして世代を超えたその巨大な広がりに感銘を受けずにはいられません」と、今週初め、私たちにヘス氏は話した。「サザビーズウォッチはビルドモード(構築期間)に入りました。それは私のバックグラウンドでもあります。信頼されて任され、すでに素晴らしい地位にある部署をさらに強化する機会を得られたのは光栄なことです」
ヘス氏は30年以上にわたる時計コレクターであり、8年前にプロとして時計業界に携わるようになった。彼はニューヨークのバックス&ルッソでフィリップスに5年近く勤めたあと、サザビーズに移籍。それ以前は2020年にWatches of Switzerlandに買収された、ヴィンテージ&中古販売会社のAnalog/ShiftのCEOを務めていた。Analog/Shiftに入社する前は、弁護士として従事していた。
そして彼はこの度、アメリカにおけるサザビーズ時計部門の責任者に就任した。この部門はニューヨークで一貫して存在感を高めてきた、サザビーズのアメリカ大陸における専門セクションだ。2021年に4130万ドル(日本円で約59億4181万円)だった同社の時計売上高は、昨年4850万ドル(日本円で約69億7689万円)へと増加している。ただ昨年のニューヨークでの総売上高が5150万ドル(日本円で約74億923万円)だった首位のフィリップスにはわずかに及ばなかった。
「オークションハウスは互いの総売上高を比較するのが好きですが、コレクターは自分たちがどう扱われるかをずっと気にしています」とヘス氏。「これは今まで以上に重要なことです。趣味の世界には、アクセスのしやすさ、割り当てを得るという概念が浸透しており、ある程度は顧客に便宜を図っているように感じることができます。ただ最終的にはひどく疲れさせ、落胆することになるかもしれません。クライアントが本当に求めているのは、大切に扱われていると感じることなのです」
オークション市場が好調を維持するなか、ヘス氏がサザビーズに入社したのはパンデミック時に大きく伸びたほかの流通市場が減速するなかでのことだ。
ヘス氏は「オークションが伸びているにもかかわらず、市場は後退期にあると言わなければ嘘になるでしょう」と述べた。「価格はいくらか下がったが、実際のところコレクターはそれを歓迎しています。また、サザビーズの観点から見ると、特にコレクターとクライアントを第1に考える企業にとっては大きなチャンスになるでしょう。実際、時計収集とは新しいものを手に入れることを目指すものであり、コレクターがそれをできなければ、もはや楽しいと感じることはないのです」と続けて話した。サザビーズがこの業界の一翼を担う機会を創出していることに言及し、そしてこの業界は多くのコレクターにより成長し続ける一方で、作品の購入がより現実的になってきているとも指摘した。
多くのコレクターは、彼のInstagramのニックネームである“@manhattanrollie”を知っているだろう。特にヴィンテージウォッチコミュニティでは、彼は何年も前からその地位を確立している。そして世界中からコレクターが集まる大規模なイベントRollieFestの主催者でもあり、さらにヘス氏はGPHGアカデミーのメンバーのひとりでもある。
ヘス氏は早速、今週からサザービズ・ニューヨークオフィスに加わり、時計部門は秋のオークションシーズンに向けて準備を進めている。