trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing タグ・ホイヤー 新たなカレラ クロノグラフ シーファーラー 、ソルナーに着想を得たダイヤルで過去にオマージュを捧げる

ブランド初のタイドインジケーター(潮汐表示)搭載モデルのカラーリングを採用し、現代版シーファーラー初の非限定モデルが登場。


タグ・ホイヤーはLVMHウォッチウィーク 2026において、時計愛好家や海を愛する人々に向けた新しいデザインを発表した。それがタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ シーファーラーだ。これは20世紀半ばのヴィンテージホイヤーファンに愛されたユニークな時計に捧げる現代的なオマージュである。HODINKEEをよくご覧になっている読者なら、2024年に我々のリミテッドエディションチームがタグ・ホイヤーと共同開発したコラボレーションモデルを覚えているかもしれない。あのモデルこそ、風変わりなタイドインジケーターを備えた42mmのカレラ “グラスボックス” クロノグラフというプラットフォームの先駆けとなったものだ。

 今回発表されたのはモダンなシーファーラーの第2弾であり、初の非限定モデルとなる。HODINKEEとのコラボレーションモデルと同様に、ステンレススティール(SS)製のケースは直径42mm×厚さ14.4mmで、ラグ・トゥ・ラグは48.6mmだ。ケース右側のポンプ式プッシャーはプロポーションが整っており、クロノグラフの操作もしやすい。一方でケース左側には、面取りが施された追加のプッシャーがあり、タイドインジケーターを設定するために“TIDE”と適切に刻印されている。

TAG Heuer Seafarer
The original Heuer Solunar

特徴的なタイドインジケーターを備えたオリジナルのソルナー。 Image courtesy TAG Heuer

2443 Seafarer in hand

アバクロンビー&フィッチのブランドロゴが備わっているホイヤー Ref.2443 シーファーラー “MKII”。Image courtesy Analog Shift

 第1弾モデルが1968年のRef.2446C シーファーラーから着想を得ていたのに対し、今回新たに導入されたダイヤルはより個性的だ。1949年のソルナーに起源をさかのぼる配色を採用し、さらに進化した3つのレジスターのクロノグラフも取り入れている(このダイヤルは主にRef.2443 シーファーラーに見られるデザイン要素を多く反映しているようだ)。ソルナーは漁師や船乗りのために、満潮と干潮の時刻をインダイヤルで表示するタイドインジケーターを初めて導入したモデルだった。アバクロンビー&フィッチとの共同開発によるこのタイドインジケーターは斬新な複雑機構だったが、商業的に広く成功を収めるにはあまりにもニッチすぎた。しかしのちに従来のクロノグラフへと統合されたことで、より実用的な時計へと進化を遂げた。それこそが、今回の新作のインスピレーションの源となっている。

 この現代的なモデルはシャンパンカラーをベースとしており、オパライン仕上げのテクスチャーによってその温かみはわずかに抑えられている。ダイヤルの主なアクセントカラーにはライトティールブルーとイエローが選ばれ、ラッカー仕上げを施したタイドインジケーターと30分積算計のインダイヤルに配されている。ラッカー仕上げは素晴らしく、ダイヤルにさらなる質感と適度な光沢を与えている。分積算計ではティールラッカーのセグメントと、ラッカー仕上げではないセグメントのスネイル仕上げとのコントラストが実に見事な仕上がりだ。HODINKEEバージョンとは異なり、このレギュラーモデルには日付窓があり、スモールセコンドのインダイヤルに干渉している。商業的なニーズは理解できるものの、日付窓の位置(ムーブメントに対してケースとダイヤルが大型化していることも要因だろう)については少し違和感を覚える。

TAG Heuer Seafarer Upside Down Wristshot
TAG Heuer Seafarer Case Side
TAG Heuer Seafarer Tide Macro

 ダイヤル上のすべてのプリントと、グラスボックスの特徴であるインナーリング(今回はタキメーターではなく、60分目盛りを備えたベージュカラー)はブラックで統一されている。一方で、アプライドインデックスと針には18K 3N イエローゴールド(YG)のメッキが施され、アクセントを添えている。針の中央にはブラックのストライプが施されて視認性を高めており、ほかのダイヤルアクセントとマッチするティールカラーのスーパールミノバが塗布されている。

 YG製の針はインスピレーション源となったソルナーのデザインに忠実かもしれないが、ダイヤル上の豊かなYGが淡いラッカーの色調と組み合わさると、少し主張が強すぎるようにも感じられる。同時に、この配色は現代においてきわめて珍しいため、不思議な魅力を放っていることも認めざるを得ない。絶大な人気を誇るスキッパーのデザインに比べると、万人に受け入れられやすい外観ではないかもしれない。しかしその特定のモデルへの言及は一部の熱狂的な愛好家の心を打ち抜くだろうし、間違いなく楽しい時計だ。

TAG Heuer Seafarer Caseback
TAG Heuer Seafarer Bracelet
TAG Heuer Seafarer Dial Closeup

 シースルーバックからは、自社製ムーブメントTH20にタイドインジケーターを追加し改良した自動巻きムーブメント、Cal.TH20-04を眺めることができる。TH20の例に漏れず、仕上げはインダストリアルで主にサテン仕上げが施されており、視覚的なアクセントとして一部にストライプ模様があしらわれている。垂直クラッチとコラムホイールを備え、80時間のパワーリザーブを誇る、現代的で優れたクロノグラフキャリバーであることに変わりはない。

 手首につけてみると、42mm径の大きさが即座に伝わる堂々とした存在感を放つ。特に私が今でも好む小ぶりなケースを持つ兄弟モデルと比較するとより顕著だ。とはいえ、短めのラグと7連ブレスレットのコンパクトなエンドリンクがサイズ感を抑えるのにひと役買っており、ラグ・トゥ・ラグが50mmを切っていることも相まって驚くほど身に着けやすい。私自身、グラスボックス クロノグラフを愛用しているが、ブレスレットの着け心地のよさと、手首に自然になじむ感覚には今でも感銘を受けている。ダイヤルは前述のとおり一見すると型破りな色使いだが、歴史的なリファレンスへのこだわりは評価したい。これはグラスボックス スキッパーと同様の方向性であり、単なるヴィンテージの忠実な復刻に逃げることなく、ホイヤーの歴史に敬意を払う思慮深い手法と言える。

TAG Heuer Seafarer Side Wristshot

 タグ・ホイヤーの現在のラインナップにおいて、このシーファーラーをどう位置づけるかはとても興味深い。より広い市場向けの標準的なグラスボックス クロノグラフ、時計製造技術を誇示するカレラ スプリットセコンド クロノグラフ、そして最後に、このデザイン重視で愛好家向けのモデルという構成だ。127万500円(税込)のこの時計は、いわゆる隠れた名盤のような存在であり、その実用性が大半の購入者に理解されずとも、風変わりな時計を探している人々のコレクションに収まることだろう。しかしきわめて幅広い層にアピールする膨大なデザインカタログのなかで、こうしたディープな1本は常に歓迎されるべきものだ。

 詳しくはこちらをご覧ください。