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我々が知っていること
フラテッロのトーマス・ヴァン・ストラーテン(Thomas van Straaten)氏が立ち上げたマイクロブランド、VPCまたの名をウェヌスタス ペル コンスタンティアム(Venustas Per Constantiam)から、第2弾となる新作ダイバーズウォッチ、タイプ 39VMが登場した。ブランドが世界最薄の200m防水ダイバーズウォッチと自負するこのモデルは、フラットなサファイア風防を含めても、ケース厚わずか9.4mmとスリムだ。また、前作よりもサイズアップしており、ハードコーティングが施されたステンレススティール(SS)製ケースは直径39mm、ラグ・トゥ・ラグの長さは47mmとなっている。
タイプ 37HWを知る人なら、多くのデザインコードがこの新作に引き継がれていることに気づくだろう。ケースにはブランド独自の竪琴ラグが採用され、大部分を占めるサテン仕上げとは対照的に、大きく流れるようなポリッシュ面がアクセントを添えている。ブレスレットにはタイプ 37HWからいくつかの改良が加えられており、工具不要の微調整機構が進化し、新たにシングルボタンのクイックリリース機構が導入されたほか、仕上げの質も向上した。この新しいクイックリリース機構は、オプションのラバーストラップにも採用されている。
ダイバーズウォッチであるタイプ 39VMは、もちろん120クリックの逆回転防止ベゼルを備えている。マットブラックのセラミック製ベゼルインサートには、独自のタイポグラフィを用いたマーキングが刻印され、ブルーに発光するセラミック夜光が充填されている。ダイヤルはグラファイトとフロストという、カドラノール(Cadranor)社製のマットなものがふたつ用意されている。控えめな印象ながら、わずかにパウダー状の質感を持つマットなテクスチャーは、真鍮製のプレートに不透明度の異なるカラーを塗り重ねることで実現されている。ダイヤルを飾るテキストは12時位置の下にプリントされたVPCのロゴと、6時位置の“Swiss Made”というシグネチャーのみだ。ポリッシュ仕上げのアプライドインデックスとドルフィン針を組み合わせることで、視覚的なコントラストが生まれ、視認性を高めている。
タイプ 39VMは、ブラックのラバーストラップも選択できる。
時計内部には2万8800振動/時、約56時間のパワーリザーブを誇るトップグレードの自動巻きムーブメント、セリタ製Cal.SW300-1bを搭載。このムーブメントはクロノメーター認定を受けており、COSCの証明書が付属する。
結局のところ、タイプ 39VMのデザインを9.4mmの厚さに凝縮するための工夫の多くは、一般的なユーザーには気づかれないような細部に宿っている。例えば市場にある多くの時計よりも、針の重なりを大幅にタイトに設計している点などが挙げられる。こうした細かな公差の改善は目には見えないが、確実に製造コストに反映されるものだ。その結果、価格はSS製のブレスレット仕様で2998ユーロ(日本円で約55万円)、ラバーストラップ仕様で2768ユーロ(日本円で約50万8000円)となった。なお、通常の欧州価格にはVATが含まれる場合が多いが、これらはVAT抜きの価格であるため、実際の購入価格はこれより高くなる点には注意が必要だ。
タイプ 37HWと同様、VPCはタイプ 39VMを先行予約で販売しており、代金は前払い、納品は7〜9カ月後を予定している。生産数は予約の状況に応じて“最小300本、最大500本”とされており、発売前日にはブランドの友人向けに250本が用意された。現在は一般向けの先行予約として250本が提供されている。
我々の考え
私がVPCのタイプ 37HWを常々特別な思い入れを持っていた理由はふたつある。ひとつはストラーテン氏が自らの信念を貫き、実際に資金を投じて、世に送り出したいと心から願うブランドや時計を開発するという夢を形にしているからだ。もうひとつは第1弾モデルで成し遂げられたことの多くが、私のデザインに対するこだわりを刺激してくれたからである。ブランドが目指した目的を達成したのは明らかであり、独自のタイポグラフィにこだわっている点は、私個人としても高く評価したい。
タイプ 39VMはラインナップのなかで初めて、デザインを正当に受け継いだ後継機のように感じられ、ダイバーズウォッチというスタイルはさらに広い顧客層に支持されるだろう。細部の作り込みもきわめて優れており、ベゼルの数字からセリフを取り除いたり、フラット4を採用したディテールは、ストイックなデザインのなかに時計愛好家好みの遊び心を感じさせる。個人的には、カラーダイヤルの選択肢があればなおよかったと思う(37HWのグリーンダイヤルは、これまで見たなかで最高のグリーンのひとつだった)。しかし今回登場したふたつのダイヤルもきわめて洗練されており、追加生産分が完売すれば、将来的にはさらなるバリエーションが登場するだろう。
価格設定については、タイプ 37HWと同様、スペック上は高く感じられるかもしれない。というのもこの価格帯は、伝統ある有名ブランドの魅力的な時計たちが選択肢に入ってくるからだ。最近の時計価格全般に対する私の諦めのような感覚もあるかもしれないが、このダイバーズウォッチに詰め込まれた機能の数々と、“規模の経済”が働かないマイクロブランドが実現したこの薄さを考えれば、以前ほど驚くようなことではない。VPCは現時点で自らの顧客層を正確に把握しており、それ以外に媚びるようなことはしていないのだ。
興味深いのは、このモデルが記録を塗り替えるダイバーズウォッチ(ただし、200m防水の自動巻きダイバーズとして最薄という非常に特定の記録だが)として打ち出されている点だ。公差が改善され、針の重なりが修正されているといった細かな説明をするよりも、ストーリーとして理解しやすいのかもしれないが、これには考えさせられた。ダイバーズウォッチにおいて、私はこれまで薄さを気にしたことがあっただろうか?
おそらく、ケースの厚さを意識するのは厚すぎると感じたときだけで、その逆はなかった。しかし、このダイバーズウォッチが市場にある多くのドレスウォッチと同等の薄さであると気づいたとき、それが手首でいかに印象的に映るかを想像せずにはいられない。これは間違いなく実物を手に取って体験すべき感覚であり、近いうちに実機を手にすることを楽しみにしている。
基本情報
ブランド: VPC(Venustas Per Constantiam)
モデル名: タイプ 39VM(Type 39VM)
直径: 39mm
厚さ: 9.34mm
ケース素材: 316Lステンレススティール
文字盤: グラファイト、フロスト
インデックス: アプライド、ダイヤモンドカットインデックス
夜光: スーパールミノバBGW9
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: SS製のブレスレット、ラバーストラップ(あるいは両方)
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ SW300-1b(トップグレード)
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: あり、COSC認定
追加情報: COSC証明書付属
価格&発売時期
価格: ブレスレット仕様は2998ユーロ(日本円で約55万円)、ラバーストラップ仕様は2768ユーロ(日本円で約50万8000円)
発売時期: 予約受付中、7〜9カ月後に納品予定
限定: 販売状況により300〜500本のバッチ生産。シリアルナンバーなし
詳しくはこちらをご覧ください。
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