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クイック解説
オメガが新年早々2本の新しいスピードマスターを発表した。新たにコレクションに加わったのは、スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナルをベースに、ブラックダイヤルにホワイトのインダイヤルを合わせた“リバースパンダ”ダイヤルだ。
ただし、既存モデルの単なるダイヤルバリエーションというわけではない。ダイヤルのディテールがこれまでとは異なり、新作では、ムーンウォッチの象徴でもあるステップダイヤルが2枚のプレートによって構成されている。上層プレートはポリッシュ仕上げのブラックカラーで、ニス塗装とラッカー仕上げによる光沢感を持ち、ロジウム仕上げのインダイヤルフレームを備える。一方、インダイヤルのベースはホワイトで、こちらもニス塗装とラッカー仕上げを採用。ミニッツトラックはメインダイヤルがホワイト、インダイヤルはブラックの転写で、反転カラーによる視認性の高さが際立つ。
ステンレススティール仕様の310.30.42.50.01.004。
定番のムーンウォッチ プロフェッショナルとは異なり、裏蓋はシースルーバック。ただしブレスレットは既存モデルと同じだ。
なお、この新作ではブラックセラミック製ベゼルリングが採用され、ホワイトエナメルでタキメータースケールが刻まれている。これは現行のムーンウォッチでは見られなかったディテールで、一部の貴金属モデルとツートンモデルにのみ採用されていた仕様だ。その一方で、風防はボックス型サファイアクリスタル、ブレスレットはポリッシュとブラッシュ仕上げの組み合わせが際立つ現行ムーンウォッチ定番の仕様で、オメガが特許を取得するプッシュボタンで簡単にサイズの微調整が可能なコンフォートセッティング付きフォールディングクラスプを備える。
18Kムーンシャイン™ゴールド仕様の310.60.42.50.01.002。
SS仕様と同じく、シースルーバックを採用。
ケースサイズは42mm径で、素材は2種類。すべての針とアワーマーカーにロジウム仕上げを施したステンレススティール仕様、そしてオメガ独自の耐久性に優れたイエローゴールド合金である18Kムーンシャイン™ゴールド仕様が用意された。なお、後者はメインダイヤルの時・分針、インダイヤルの針、そしてアワーマーカーもすべて18Kムーンシャイン™ゴールドだが、センターのクロノグラフ秒針のみPVD加工によるムーンシャイン™ゴールド仕上げとなっている。ちなみにどちらも夜光には、ホワイトのスーパールミノバを採用する。
SS、18Kムーンシャイン™ゴールド仕様ともに、ムーブメントはまったく同じCal.3861を搭載する。
また、いずれもムーブメントにはオメガ コーアクシャル マスター クロノメーター Cal.3861を搭載。一部の既存モデルと同様、シースルーバックになっており、ムーブメントを見ることができる。ほかの製品と同様、METASにより認定されるスイス最高水準の精度・性能・耐磁性を備えたマスター クロノメーター認定を取得し、5年間の保証が付く。
価格は310.30.42.50.01.004は147万4000円、310.60.42.50.01.002は697万4000円(ともに税込)。どちらも限定ではないレギュラーコレクションだ。
ファースト・インプレッション
意外と言うべきか、手巻きのスピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナルに“リバースパンダダイヤル”がレギュラーコレクションとして加わるのは、実は本作が初となる。ただし、リバースパンダダイヤルのスピードマスターは本作が初ではない。過去のモデルを調べてみると、オメガで初めてリバースパンダダイヤルが採用されたのは、1966年に製作されたシーマスター クロノグラフ(145.006-66/Cal.321)であることがわかった。そう、初のリバースパンダはスピードマスターではなかったのだ。
ではスピードマスターにおいてどんなモデルが存在したかというと、1992〜1999年頃の約7年間のみ製造・販売されたスピードマスターデイト オートマティック 3511.50や、1993年に日本限定で発売されたオメガ スピードマスター オートマティック 3510.52、そして現在は生産終了となっているスピードマスター レーシング 326.30.40.50.01.002にリバースパンダダイヤル仕様が存在していたが、これらはいずれも自動巻きモデルだった。手巻きのスピードマスターでリバースパンダダイヤルを備えていたのは、2017年に発売されたスピードマスター “スピーディ チューズデー” リミテッド エディション(世界限定2012本)だ。過去にいくつかあったものの、リバースパンダダイヤルのスピードマスターというのは、実はかなりの希少種なのだ。
スピードマスター “スピーディ チューズデー” リミテッド エディション 311.32.42.30.01.001。ハッシュタグ “#SpeedyTuesday”のスタートから5年を記念し、オメガファンへ感謝の気持ちを込めて2017年に発売。大きめの数字を放射状に配置した“ラディアルインダイヤル”が特徴。
スピーディ チューズデーモデルのデザインベースとなったのは、1978年にNASA用に作られたスピードマスター “アラスカ プロジェクトIII” モデルであり、全面マットなブラッシュ仕上げのケースを持ち、裏蓋には“A TRIBUTE TO ALASKA PROJECT”の文字が刻印されている。
また、新作は既存モデルをベースとしながら、ベゼルリング、風防素材、そして裏蓋仕様がこれまでにない組み合わせというのがポイントとなっている。ヘサライト風防を求めるなら、これまでは定番のムーンウォッチ プロフェッショナル 310.30.42.50.01.001(ナイロンストラップ仕様は310.32.42.50.01.001)を選ぶ必要があったが、その場合はベゼルリングはアルミニウム製で、裏蓋はクローズドケースバック。そしてシースルーバックを求めるなら、前述のモデル以外が選択肢となったが、SSモデルのベゼルリングはアルミニウム製であり、ブラックセラミック製のベゼルリングを採用していたのは一部の貴金属モデルとツートンモデルに限られていた。サファイアクリスタル風防とブラックセラミック製ベゼルリングを持ち、シースルーバックを採用するムーンウォッチ プロフェッショナルは、この新作だけなのである。
新作において最も注目すべきなのは、やはりこれまでにない2層構造の“サンドイッチダイヤル”によるリバースパンダデザインだ。
ムーンウォッチ プロフェッショナルは、1960年代に月面で着用されたオリジナルに忠実に作られていることが多くのファンから愛されるポイントになっているが、定番以外の質感豊かな仕上げのダイヤルを持つ各モデルがコレクションをより魅力的にしている。定番が表面を荒らしたマット仕上げであるのに対し、ツヤのあるラッカーダイヤル仕様のSSモデル、そしてサンレイ仕上げのゴールドモデル(ツートンモデルも含む)というラインナップだ。これまでゴールドモデルはいくつかの選択肢があったが、ラッカーダイヤル仕様はホワイトラッカーの一択。新作はSSのラッカーダイヤルの選択肢を広げることとなる。
Photo by Nahoko Omura
短時間ではあったが、事前に新作を見る機会に恵まれ実機を触ることができた。手に取って感じたのはマット仕上げの定番と比べると重厚感があることと少し厚みを感じさせることだ。これは異なるダイヤル仕上げ、そして2層構造のインダイヤルの沈み込みが顕著であることによる心理的な要因もあるが、実際のところ、定番モデルのケース厚が13.18mmであるのに対し、新作は13.54mm厚と、スペック上もわずか厚くなっている。このわずかな厚みの違いは、やはり文字盤の構造によるもので、クラシックな単層の文字盤よりも必然的に厚くなるのだろう。
Photo by Nahoko Omura
2層構造のいわゆる“サンドイッチダイヤル”は、オメガで初であるかは公式に確認中だが、少なくとも現行のスピードマスターコレクションでは初の仕様となる。定番モデルとは異なる、メリハリの効いたモダンな印象のダイヤルは、新作のブラック×ホワイトの組み合わせ以外の展開も予感させる魅力的な仕上がりだ。今後のサンドイッチダイヤルのバリエーション拡大にも期待したい。
基本情報
ブランド: オメガ(OMEGA)
モデル名: スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル ブラック&ホワイト
型番:310.30.42.50.01.004(ステンレススティール)、310.60.42.50.01.002(18Kムーンシャイン™ゴールド)
直径: 42mm
厚さ: 13.54mm
ケース素材: SS(310.30.42.50.01.004)、18Kムーンシャイン™ゴールド(310.60.42.50.01.002)
文字盤色: ブラックダイヤルにホワイトのインダイヤル
インデックス: ロジウム仕上げのアワーマーカー(310.30.42.50.01.004)、18Kムーンシャイン™ゴールド製のアワーマーカー(310.60.42.50.01.002)、
夜光: ホワイトのスーパールミノバ
防水性能: 5気圧(50m)
ストラップ/ブレスレット:SS(310.30.42.50.01.004)、18Kムーンシャイン™ゴールド(310.60.42.50.01.002)製ブレスレットにコンフォートセッティング付きフォールディングクラスプ
ムーブメント情報
キャリバー: 3861
機能: 時・分表示、9時位置にスモールセコンド、クロノグラフ(3時位置に30分積算計、6時位置に12時間計、センターにクロノグラフ秒針)
直径: 27mm
厚さ: 6.87mm
パワーリザーブ: 約50時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 26
クロノメーター認定: METAS認定のマスター クロノメーター
追加情報:1万5000ガウスまでの耐磁性能、シリコン製ヒゲゼンマイを備えたフリースプリングテンプ。ロジウムメッキ仕上げ、ブリッジにはストレートのジュネーブウェーブ装飾。
価格 & 発売時期
価格: 310.30.42.50.01.004は147万4000円、310.60.42.50.01.002は697万4000円(ともに税込)
発売時期: 2026年1月14日から。
限定:なし。通常コレクション
詳細は、オメガ公式サイトをクリック。
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