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スウォッチ グループは最近発表した公開書簡のなかで、モルガン・スタンレーの最新年次報告書“Swiss Watcher”を批判し、投資銀行の経営陣に対し、アナリストレポートに記載されたデータの一部が「誤っており、疑問が残る」と指摘した。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントに宛てられ、下記にリンクされているスウォッチ グループの書簡によると、報告書に掲載されたスイス時計業界上位50ブランドのランキング、売上高および生産本数の推定値は「疑わしい仮定」に基づいており、その結果として「不正確な調査結果と疑わしい結論」を導き出しているという。
ビール/ビエンヌにあるスウォッチ本社。
今月初めに発表された第9版の“Swiss Watcher”報告書によると、スウォッチ グループ傘下のほとんどのブランドが売上減少に伴い、市場シェアも失ったとされている。また、グループの旗艦ブランドであるオメガが、ランキングで3位から5位に順位を落としたと報告している。スウォッチは長年この報告書を批判しており、投資銀行および、ランキングの推定値をまとめているスイス在住のアナリスト兼コンサルタントであるオリバー・ミュラー(Oliver Müller)氏が用いる手法に疑問を呈してきた。HODINKEEの取材に対し、ミュラー氏は現在モルガン・スタンレーの経営陣と法務部とでスウォッチ グループの書簡を検討しているため、コメントできないと述べた。
スウォッチ グループを含む上場企業は、総売上高と利益を示す財務報告書を公表する義務があるが、各ブランドの個別の業績を開示する義務はない。モルガン・スタンレーは、スイスのヴォントベル銀行を含むほかの銀行と同様に、年間売上高、生産本数、そして平均販売価格(ASP)の推定値に基づいた時計業界を分析した報告書を発表している。
ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲなど、スイスの主要時計ブランドの多くが非公開企業または家族経営である。そのため、この業界は不透明なことで知られており、アナリストや投資家は各ブランドの生産本数、売上高、利益を推定に頼らざるを得ない状況だ。
スウォッチ “What If Tariffs” ウォッチ。
モルガン・スタンレーはその報告書で、スウォッチ グループのオメガの年間売上高を22億スイスフラン(日本円で約4460億円)、推定販売本数を46万本とし、上位50ブランド中5位に位置づけた。一方、ヴォントベル銀行はオメガの売上高が2025年に約3%減の17億スイスフラン(日本円で約3440億円)になったと推定し、スピードマスターやシーマスターのモデルで知られるオメガを売上高で業界5位にランク付けし、ロレックスを含む競合他社に市場シェアを奪われたと指摘している。
スウォッチ グループは書簡のなかで、オメガに関する具体的な財務データは開示しなかった。しかしグループにとって第2のブランドであるロンジンが2025年に赤字を出したとするモルガン・スタンレーの主張には反論している。
スウォッチ グループは書簡で「実際には、ロンジンは2025年に売上高純利益率16.6%を計上している」と述べている。
ロンジン レジェンドダイバー。Photo Credit: Tan Tan Wang
スウォッチ グループはまた、ティソの業績についても言及し、モルガン・スタンレーが発表した5%の縮小という推定とは対照的に、PRXモデルで知られる同ブランドの売上は2025年に3%増加したと述べた。
またハミルトンについて、モルガン・スタンレーは9万5000本の販売本数に対し、収益を1億2500万スイスフラン(日本円で約250億円)と推定した。これに対しスウォッチ グループは、ハミルトンの「販売本数は記載されている数値の3倍」であり、アナリストレポートで推定された平均小売価格2014スイスフラン(日本円で約41万円)は、実際には741スイスフラン(日本円で約15万円)だったと述べている。グループ傘下のミドーについては、モルガン・スタンレーは平均価格を2131スイスフラン(日本円で約43万円)と推定した。スウォッチ グループは書簡のなかで、ミドーの平均小売価格は969スイスフラン(日本円で約20万円)であると述べている。
ハミルトン カーキ フィールド オート 38mm “コール・オブ・デューティ(Call of Duty)” スペシャルエディション。Photo Courtesy: Hamilton
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