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Hands-On スタジオ・アンダードッグとフィアーズのカクテルに着想を得た新作02シリーズ マンハッタンを実機レビュー

ワインドアップ NYCに行くべき理由がまたひとつ増えたとすれば、このモデルはまさに(マラスキーノ)チェリーのような存在だろう。

Photos by TanTan Wang

なかには2025年の春、British Watchmakers’ Dayで発表された特別な限定モデルについての私の網羅的なリストを覚えている人もいるかもしれない。そのリストで私はまったく取るに足らず、そして誰も頼んでいないベスト・オブ・ショー賞を、スタジオ・アンダードッグ×フィアーズのギムレット 限定モデルに贈った。この時計はインターネット上で大きな話題を呼んだショーでのみ入手可能nモデルで、当然のことながら瞬く間に完売した。それはリチャード・ベンク(Richard Benc)氏が創業した若く、デザイン志向のマイクロブランドであるスタジオ・アンダードッグと、1846年から家族経営で続く(そして1976年にフィアーズ・ウォッチ・カンパニーが閉鎖されたのち、2016年にニコラス・ボウマン=スカーギル/Nicholas Bowman-Scargill氏によって復活した)フィアーズという、きわめて英国的なコラボレーションシリーズの始まりだったことが判明した。

Studio Underd0g Fears Manhattan On Windowsill

 大西洋の向こう側では、私と同じようにあの時計を手に入れる機会から遠く離れていることにがっかりしている人は多かった。だが最初のコラボレーションの成功を受け、ついにこの10月、アメリカ東海岸にもカクテルに着想を得たモデルを手に入れる機会が訪れた。

 それはもちろんスタジオ・アンダードッグ×フィアーズの新作、マンハッタンであり、素晴らしい出来栄えだ。アイコニックなカクテルにちなんで名づけられたマンハッタンはギムレットと同じ手法を用いながら、より暖かく、豊かなトーンを持つ。厚さ12mmでラグ・トゥ・ラグ43.5mmの、直径38mmのクッションケースはフィアーズのブランズウィックから採用されており、より柔らかなスクエアシルエットときわめてコンパクトなラグを備えている。際立ったオニオンリューズはブランズウィックのヴィンテージルーツを思わせるもので、手巻きムーブメントのための手触りのいいリューズだ。

Studio Underd0g Fears Manhattan Crown Shot
Studio Underd0g Fears Manhattan Case Side Shot
Studio Underd0g Fears Manhattan Dial Closeup

 ダイヤルをひと目見れば、ふたつのねじ頭がすぐにスタジオ・アンダードッグとの関わりを示している。同ブランドの多くのデザインと同様に、マンハッタンは、2本のねじでベースダイヤルに取りつけられた厚さ1mmのサファイアディスクを備えている。この盛り上がったサファイアディスクにはレイルウェイミニッツトラック、ブラックアウトラインのアワーインデックス、そしてフィアーズとスタジオ・アンダードッグ両方のロゴを含む、ダイヤル上のすべてのプリント要素が収められている。細かく書かれた“Assembled in Great Britain”の文字は6時位置にある。注目すべきは、このマンハッタンが非機能的なプロトタイプだったため、ダイヤルのプリントに一部不完全な箇所があることだ(特にブラックアウトラインの周り)。しかしサファイアダイヤルは素晴らしい要素であり、平坦なプリント数字に独特の奥行きを与え、光の当たり方によって影ができ、視差効果もユニークで新鮮だ。

 ギムレットに見られるくり抜かれた針とは対照的に、マンハッタンは別の方向へ進み、わずかに温かみのある夜光付きの針を採用している。これはベースとなる、サンレイ仕上げを施した魅惑的なまでに強烈なアンバーカラーのフュメダイヤルを素晴らしく引き立てる。この色の組み合わせは普段私が選ぶものではないが、手首に着けていると見つめずにはいられなかった。光のなかで本作を動かすと、ダイヤルのサンレイの筋目を通して、ダークブラウンから強烈なオレンジへとさまざまな色合いが現れる。

Studio Underd0g Fears Manhattan Caseback Shot

 時計内部には手巻きのセリタCal.SW210を搭載し、42時間のパワーリザーブを持つ。この分野では標準的なムーブメントだが、巻き上げの感触は小気味よく、少し大きめのリューズのおかげでとても巻きやすい。すべてはソリッドケースバックで覆われており、サンレイサテン仕上げが施されている。ふたつのチェリーの小さなエングレービング(飲み物へのオマージュ)以外に特別な装飾はない。

 ギムレットにすっかり魅了されていたため、本作も気に入るだろうと思っていた。しかし、このマンハッタンはこのシリーズで初めて実際に手に取ることができたものであり、これほどまでに気に入るとは思ってもいなかった。ブランズウィックのケースは、短いラグにもかかわらずクッションケースのおかげできわめて存在感があり、私の細い手首にもほぼ完璧にフィットする。そして私は通常、新しい時計に付属しているストラップを外し、長年集めてきたコレクション(安らかに眠れ、HODINKEEショップよ)のものに交換するのだが、英国のストラップメーカー、The Strap Tailorが製作したブラウンレザーストラップは本作に完璧にマッチしている。もし私がマンハッタンを購入するなら、間違いなくこのストラップのままにするだろう。

 しかし本作の最もエキサイティングな部分は、間違いなくそのダイヤルだ。彼らが続編で単に異なる色のグラデーションを選ぶのではなく、このダイヤルの名前にふさわしい表現を採用したことを高く評価する。ギムレットのダイヤルが軽やかでフレッシュで、甘いとすれば、マンハッタンのダイヤルはより強烈だ。

Studio Underd0g Fears Manhattan Wristshots

 ギムレットの発表とそのローカルでの発売戦略に多くの人々が不満を漏らしたように、“マンハッタンでのマンハッタン”の発売も、10月にニューヨークを訪れることができない人々から同じような感情を呼び起こすだろう。確かにマンハッタンは300本限定で、10月17日から19日まで開催されるワインドアップウォッチフェア(すでに終了)で対面販売でのみ提供され、価格は1300ドル(日本円で約19万6000円)だ。しかし心配する必要はない。このふたつのブランドはマンハッタンに続くモデルをすでに予告しており、“ヘア・オブ・ザ・ドッグ”(Hair of the D0g)というニックネームがつけられ、ショーに行けなかったり、ニューヨークに行くことができなかった人々のためにショーの終了時に発売される予定だ。続報に期待しよう。

 ギムレットの成功とワインドアップウォッチフェアの人気を考えれば、フィアーズとスタジオ・アンダードッグがショーでこれらのモデルをすべて売り切ることに問題はないだろうと私は確信している。最も熱心なコレクターたちが手に入れられますように。

 詳細はスタジオ・アンダードッグフィアーズのサイトから。