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Introducing タグ・ホイヤー “TH-カーボンスプリング オシレーター”を、モナコおよびカレラの新作限定モデルで採用

タグ・ホイヤー ラボで10年以上にわたり開発が進められてきた成果として、新しくTH-カーボンスプリング オシレーターが登場した。この調速・脱進機はシリコンではなくカーボン素材を採用しており、限定モデル2種に搭載される予定である。

ジュネーブ・ウォッチ・デイズのタイミングに合わせて、タグ・ホイヤーは機械式時計の未来に革命をもたらすという新たな時計製造技術を発表した。“TH-カーボンスプリング”と名づけられたこの技術は、タグ・ホイヤー ラボで自社開発されたもので、従来の設計を改良するためにカーボンの特性を活用したカーボン製オシレーターとなっている。

th-carbonspring

 この技術は、ブランドを代表するモナコとカレラの2モデルに搭載される。TH-カーボンスプリングはカーボン製のヒゲゼンマイで、4件の特許が出願されており、そのうち1件はすでに取得済みだ。タグ・ホイヤーによれば、この調速・脱進機には耐磁性、耐衝撃性、そしてカーボンファイバーの軽量性による二次的効果という3つの明確な利点があるという。軽量素材を使うことで、より重量のある部品に比べて精度の向上が期待できる。

 タグ・ホイヤーは、今回の新技術が従来のヒゲゼンマイ(たとえばスティール製やニヴァロックスのような合金、あるいはロレックス、オメガ、パテック フィリップ、そしてもちろんユリス・ナルダンが採用している現代的なシリコン製)と比較してどれほどの性能差があるのか、具体的な数値をまだ明らかにしていない。しかしながら、すでにこの技術は量産化の段階に達しており、50本限定で展開される2モデルに搭載され、5年保証付きでリリースされるという。これは注目に値する。シリコンも非磁性であるが、僕としてはカーボンからなるこの新しいソリューションが耐衝撃性や精度性能の面でシリコンに対してどのようなアドバンテージを持つのか、今後発表されるであろうスペック情報に大いに期待している。なにせシリコンには割れやすい一面もあるだけに、なおさら気になるところだ。

th-carbonspring

 ユリス・ナルダンが、シリコン製パーツをムーブメントに初めて実用化したフリークを発表してから、もうすぐ25年が経つ。そしてタグ・ホイヤー ラボ(旧タグ・ホイヤー インスティチュート)はこの10年間、ヒゲゼンマイにおける素材の進化の次なるステップとして、カーボン技術の開発に注力してきた。カーボン構造が従来のオシレーター設計にどのような改良をもたらすのか、その詳細データが待たれるところだが、こうしたR&D(研究開発)の現場を垣間見られるのは、やはりいつでもワクワクするものだ。今後さらに情報が明らかになれば、この革新的な技術について続報をお届けするつもりだ。

 とはいえ、今回はジュネーブ・ウォッチ・デイズでの話だ。ということで、このタグ・ホイヤーの最新技術を搭載した2本の限定モデルについて見ていこう。

タグ・ホイヤー モナコ フライバック クロノグラフ TH-カーボンスプリング

 TH-カーボンスプリングを搭載した限定モデルのうちひとつめは、モナコ(Ref.CBL5190.FT6313)だ。ケース径は39mmで、ブラックのフォージドカーボン製ケースに加え、カーボン製のプッシュボタンとリューズが組み合わされている。ケース厚は14.1mmでラグ・トゥ・ラグは47.4mm、防水性能は100m。カーボンケース(と最新のカーボン製オシレーター)には、ブラックのカーボンダイヤルと、スーパールミノバ加工が施されたホワイトの針が組み合わされている。

th-carbonspring monaco

 ムーブメントにはフライバック クロノグラフを備えるCal.TH20-60が搭載され、そこにTH-カーボンスプリングが組み込まれている。このムーブメントはCOSC認定を受けており、2万8800振動/時の振動数と80時間のパワーリザーブを備えたTH20系の構成に準じている。このカーボン尽くしのモデルは50本限定で、個人的には、このカーボンのモダンなルックスと、モナコならではの個性的なシェイプとユニークなダイヤルレイアウトの組み合わせが実に魅力的だと感じている。タグ・ホイヤーによればこのモデルは今年12月までに発売予定で、価格は260万7000円(税込)となっている。

th-carbonspring monaco and carrera
タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリーム スポーツ TH-カーボンスプリング

 このカーボン仕様の限定ペアを締めくくるのが、カレラをベースとしたモデルである。ケースは44mm径のブラック フォージドカーボン製で、ベゼル、リューズ、プッシュボタンも同様にカーボンからなる。厚さは15.4mmで、ラグ・トゥ・ラグは49.7mm。ケースバックはグレード2チタンにサンドブラスト&DLC仕上げが施されている。ダイヤルもモナコと同じくブラックカーボン製で、ホワイトの蓄光マーカーと針を備えている。こちらはスパイラル状のエングレービングが施され、フライング・トゥールビヨンの開口部も設けられている点で異なる。

th-carbonspring carrera

 トゥールビヨンという複雑機構が加わる本作は、ムーブメントにTH-カーボンスプリングを搭載したCal.TH20-61を採用する。COSC認定取得済みで、クロノグラフとトゥールビヨンを搭載し、2万8800振動/時の振動数と65時間のパワーリザーブを実現している。なお、防水性能はモナコと同じく100mだ。

th-carbonspring carrera

 このタグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリーム スポーツ TH-カーボンスプリングは、ブランドロゴ入りのチタン製フォールディングバックル付きのブラックラバーストラップで提供される。発売時期は2026年第1四半期を予定しており、価格は613万2500円(税込)と発表されている。