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Introducing タグ・ホイヤー カレラ アストロノマーで月を射抜く(編集部撮り下ろし)

型破りなムーンフェイズの解釈が、これまでにない魅力を放つ。

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我々が知っていること

ムーンフェイズ機構付きの腕時計を眺めながら、“もっと月を見ていたい”と思ったことはないだろうか? そんな願いを抱く人にぴったりのモデルが、タグ・ホイヤーから登場した。その名もタグ・ホイヤー カレラ アストロノマー。これは、同社がこれまでに手がけたなかでも指折りの奇抜な時計かもしれない。

 この新作カレラ アストロノマーは、その名が示すとおり、グラスボックス登場以前の仕様による39mm径のカレラケースを採用している。ラインナップされた3本の時計はいずれも、ダイヤルの構成がほぼ共通している。カラーアクセントとなるミニッツトラックが外周を囲み、その内側にはシルバーのサンレイ仕上げが施されたミッドダイヤルがあり、さらにその内側に、ひと目見ただけではいささか複雑すぎる独自のムーンフェイズ表示が広がっている。

Carrera Astronomer Lying on Suitcase
Carrera Astronomer Two Tone Closeup
Carrera Astronomer Steel Caseback

 限定ではない通常モデルは、ブラックとホワイトで統一された仕上がりで、立体的に植字されたアラビア数字のインデックスが際立っている。これに対して限定モデルのひとつは、スティールと5Nローズゴールドのツートン仕様で、インデックスにも同色のゴールドコーティングを施 す。ポリッシュ仕上げの5連ブレスレットの中央には、ローズゴールドのラインが走っており、デザインのアクセントとなっている。もうひとつの限定モデルは、グレーのモノクローム仕上げを基調としながら、インデックス、針、ムーンフェイズ、ムーンポインターの各所にグリーンのアクセントを効かせたデザインだ。これら2本のモデルはいずれも各500本の限定生産である。

 ダイヤル中央のセクションには、7つの月の位相(フェーズ)がイラストで描かれており、さらに月のサイクルである29.5日すべての日数に対応するマーカーも配置されている。ダブルチップ付きのポインターディスクが、現在の月の位相とそのサイクル内の日数を同時に示す仕組みとなっている。このポインターディスクは、毎日午前1時にひとつずつ進むよう設計されている。このムーンフェイズ表示は、一般的な“星空に浮かぶ月”をロマンティックに表現する方式とは異なり、より科学的なアプローチで構築されている。カレラ アストロノマーでは、文字盤のマーカーとポインターを見れば、月の現在の状態をほぼ完全に読み取ることができる。つまり、もし街中で見知らぬ人に「今の月の満ち欠けは?」と尋ねられたとしても、すぐに答えられるというわけだ。

Carrera Astronomer Green Closeup
Carrera Astronomer Two Tone Lay Flat
Carrera Astronomer Wristshot

 このムーンフェイズ表示を駆動するのは、新たに開発された自動巻きムーブメントのCal.7であり、パワーリザーブは56時間を誇る。裏蓋はスティール製のソリッドバック仕様となっており、そこには天文台をモチーフとしたレーザーエングレービングが施されている。

 新作カレラ アストロノマーは、10月より販売開始予定だ。通常モデル(Ref.WBX2110.BA0044/ブレスレット仕様)の価格は69万8500円。一方でスティール製の限定モデル(Ref.WBX2112.FC6615/ストラップ仕様)は67万1000円、スティールとローズゴールドのツートンモデル(Ref.WBX2111.BD0002)は105万6000円(以上すべて税込)となっている。限定モデルはいずれも各500本限定生産である。


我々の考え

この新作アストロノマーは、おそらく今年のタグ・ホイヤーのリリースのなかでも、最も突飛なモデルのひとつであろう。そして、こうした“変わり種”の話題を語るのが好きな人間がチーム内にいるとすれば、それは間違いなく自分だ。というわけで、今回も語っていこう。現行の“プレ・グラスボックス”カレラ コレクションを見渡すと、そのラインナップは正直なところ……退屈である。だからこそ、クロノグラフではないこの新作アストロノマーのような先進モデルに、グラスボックスのデザイン言語がまだ採用されていないことには驚かされる。というのも、グラスボックスの導入はタグ・ホイヤーにとって大きな進化だったと思うし、2010年代の百貨店的ブランドなイメージから脱却し、独自性のある方向へと舵を切るうえで、大きな武器になっていたはずだからである。

Carrera Astronomer Trio on suede

 グラスボックスの最新デザインをアストロノマーにどう取り入れたかを見るのも興味深かったかもしれないが、新たな試みに挑戦したタグ・ホイヤーには素直に称賛を送りたい。本作は万人受けするものではないかもしれないが、少なくともムーンフェイズ表示としては独自性に富んでおり、しかも実用性という観点からはきわめて希有なアプローチである。つまり、月の満ち欠けを“正確に読み取る”という本来の目的にきちんと応えているのだ。新しいアイデアにリスクを取ることを決して否定しない。ヴィンテージ好きのコレクターならば、1950年代のホイヤー ソルナールを思い浮かべるだろう。アストロノマーのセンターディスクによる表示は、まさにそのオマージュのように映るかもしれない。ただし、ソルナールが潮汐の読み取りを目的としていたのに対し、この新作では純粋に月の位相表示に特化したレイアウトとなっている。

Carrera Astronomer Two Tone Wristshot

 今回の3本のなかで最も気に入っているのは、グリーンの夜光アクセントを効かせたスティール製の限定モデルだ。ただ、そのモデルだけブレスレット仕様が用意されていないという点には、少々異議を唱えたい。あのデザインにはブレスレットが非常によく映えただろう。とはいえ3本すべてがそれぞれ異なる美学に基づいおり、とくにローズゴールドモデルでは、ツートンの構成と科学的複雑機構との対比が際立っている。この一風変わった3本のリリースが、今後のタグ・ホイヤーのラインナップにおいて、より積極的なデザイン面での挑戦を意味するものであることを期待したい。


基本情報

ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: カレラ アストロノマー
型番: WBX2112.FC6615(ストラップ仕様のスティール&グリーンの限定モデル)/WBX2110.BA0044(ブレスレット仕様のスティール製通常モデル)/WBX2111.BD0002(ブレスレット仕様のスティール&5Nローズゴールドの限定モデル)

直径: 39mm
厚さ: 12.16mm
ケース素材: スティール
文字盤色: シルバー
インデックス: アプライド (限定モデルはプリントで表現されている)
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 7連ブレス、もしくはレザーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: 7
機能: 時・分・秒表示、ムーンフェイズ
パワーリザーブ: 56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
クロノメーター認定: なし


価格&発売時期

価格: 67万1000円(ストラップ仕様のスティールモデル)、69万8500円(ブレスレット仕様のスティールモデル)、105万6000円(ブレスレット仕様のツートーンモデル)。以上すべて税込
発売時期:  2025年10月予定
限定:ストラップ仕様のスティールモデルおよびブレスレット仕様のツートンモデルは、それぞれ500本限定生産

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