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レッドブルのガレージへ向かってピットレーンを歩いていると、手首に着けていた時計(モナコだった)がきっかけで、ある男性と話すことになった。彼はF1への愛や、エンジンの鼓動を胸に感じるほどマシンの近くに立てることがどれほど特別かを語ってくれた。そこで私は「まだ行ったことがなくて、どうしても行ってみたいレースはありますか?」と彼に尋ねてみた。
「いつかスパに行ってみたいけど、正直言って、ここが一番だ。シルバーストーンこそ全てが揃う場所。ここを超える場所なんてなかなかないよ」
ここ5年間で、F1はほかのどのスポーツにも真似できないような復活を遂げた。Netflixの『Formula 1: 栄光のグランプリ』の人気、これまでのどの世代よりも自分をさらけ出すドライバーたちの台頭、そしてコース上で尽きることのないドラマが起爆剤となり、F1のファン層は単に拡大しただけでなく、レース会場に足を運ぶ人々の層まで変化した。オフィシャルタイムキーパーとして復帰したタグ・ホイヤーが明確にターゲットにしているのは、まさにこうした多様でカルチャーに敏感な観客たちなのだ。
タグ・ホイヤーは2016年からオラクル・レッドブル・レーシングのタイムキーパーを務め、マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)の4度のタイトル獲得に貢献してきたが、2025年にはF1における同ブランドの役割はさらに大きくなった。タグ・ホイヤーは、LVMHがパドック全体に展開した大規模な動きの一環として、F1の公式タイムキーパーとなった。この10年間のパートナーシップには、ルイ・ヴィトンとモエ・エ・シャンドンも加わっている。
シルバーストーンはカレンダーに組み込まれているほかのどのサーキットよりも、その物語の中心にふさわしい場所だ。今では、1950年のF1発足当初からカレンダーに残り続けているサーキットはモナコ、スパ、モンツァの3つと、シルバーストーンを含めてわずか4つしかない。英国人ドライバーだけでなく、F1全体にとってもシルバーストーンはホームゲームと呼べる場所である。私たちが訪れたのは土曜日で、スプリントと予選が数時間以内に行われ、その後にはF1アカデミーが控えていた。
スプリントのスタートに向けてP1に並ぶ、スクーデリア・フェラーリHPのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)。
到着後すぐにピットレーンウォークへと直行したが、レッドブルのガレージに向かって歩いていると、ピットストップの練習をしているライバルチームのクルーを目で追うよりも、耳を頼りにするほうが簡単だった。同チームにはライバルたちに届くほど大音量で音楽を流す習慣があり、音楽とその場の雰囲気を愛したことで知られるレッドブル共同創業者の故ディートリヒ・マテシッツ(Dietrich Mateschitz)の死後、その伝統はより一層重要な意味を持つようになった。グリッドにいるほかのすべてのチームがレッドブルの場所を正確に把握しており、ガレージに足を踏み入れると、仕事場というよりもバーに入っていくような感覚を覚えた。
すべての視線がレッドブルに注がれる。
タグ・ホイヤーについて特に注目すべき点は、F1との結びつきがスポンサー契約から始まったわけではないということだ。これは、このスポーツでホスピタリティを提供する大半のブランドとは一線を画している。ホイヤーがチームと契約を交わすよりも前の1960年代後半、ヨッヘン・リントはすでにホイヤーのオータヴィアを着けてレースに出場していた。誰かに報酬をもらっていたからではなく、自らの意思でこの時計を身に着けていた。この関係の始まりは、ドライバーの個人所有の時計だったのだ。50年余りが経った今、コースサイドのブランディングやパドッククラブでのアクティベーションの根底には、スポーツ界で最も純粋に築き上げられたパートナーシップのひとつがあることを忘れてはならない。
ここから先は、スポーツ界最大の舞台の裏側を覗いてみよう。間近で見るマシンやコース上の様子はもちろん、人々の手首にも注目していく。
ブラックDLCチタンを採用したタグ・ホイヤー モナコ スケルトン。
シルバーストーンのパドックを垣間見る。詳細はのちほど。
多くのファンに愛されるタグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフのレッドモデル。
設備の整ったレッドブルのガレージ。
観客にピットストップの練習シーンを披露。
伝説的な英国人のF1レポーター、テッド・クラヴィッツは当然ながら現地にいた。
Sky Sports F1の番組『Ted's Notebook』でおなじみのメモ用のノート、そして常に信頼できるカシオ F105Wも一緒に。
太陽の光を浴びるオーデマ ピゲ ロイヤル オーク 15400ST。文句なしの美しさだ。
バトル・オブ・ブリテン・メモリアル・フライト(BBMF)の一環として、このC-47 ダコタ ZA947が登場したのはうれしい驚きだった。これは1942年にダグラス社が製造した、きわめて希少な軍用輸送機だ。
通常のブライトリング クロノマットではなく、スーパー クロノマット 44 フォー イヤー カレンダーだ。
モナコなくして、真のF1と言えるだろうか? こちらは今年のWatches & Wondersで発表された新作のチタン製モデルだ。
まるで『ウォーリーをさがせ!』のようだが、タグ・ホイヤー コネクテッド シルバーストーン 2026 エディションだ。
グループでのリストショットを撮る時間は常にある。
H.モーザーの新作、パイオニア・センターセコンド スパイスドアクア。
イエローゴールドのありふれたIWC インヂュニア・オートマティック 35のように見えるかもしれないが、そのオーナーはパドッククラブで私の肩を叩いたスタジオ・アンダードッグのリチャード・ベンク(Richard Benc)氏だ。
英国のクラシックなイベントに、英国のクラシックな時計。オメガ シーマスター ダイバー 300M 007 エディションだ。
スプリントレースを控えたマックスのレッドブル。
人々が何を着用しているかは本当に予測がつかないが、パテック フィリップの5224Rには驚かされた。
英国を代表するもうひとつのスポーツイベントを想起させる、光を反射するロレックス デイトジャスト “ウィンブルドン”。
スプリントの準備。
こちらもデイトジャストだが、マザー・オブ・パールダイヤルを備えダイヤモンドがあしらわれている。
手首をちらりと見ると、スプリントのスタートまであと数分であることがわかる。
F1の現場において、時計はその機能に特化したものが選ばれる傾向にあるが、タグ・ホイヤー コネクテッド キャリバーE5×フォーミュラ1® エディションほどそれに徹しているモデルは少ないだろう。
レッドブルのホスピタリティは、グランプリで最大規模を誇る。
ヴィンテージウォッチを身に着けている人はそれほど多くなかったが、この素敵なホイヤー カレラ GMTに一目惚れした。これは1990年代から2000年代にかけて復刻された1964年モデルのもので、まさに隠れた逸品だ。
ここ英国では、お決まりのパターンを楽しむ方法を実によく知っている。
ドライバーのステアリングホイールに急接近(ガレージツアーで壊す人が続出したため、これは本物ではない)。
P6でフィニッシュしたスプリント後のマックスのマシン。
ヴァーテックスのブロンズ 36という、驚きの出会いもあった。
その対極にあるような、アクアノート 5268の姿もあった。
元ドライバーであり、現在はマクラーレンのオスカー・ピアストリのマネージャーを務めるマックス・ヴェーバー(Max Webber)氏がカメラに向かって話し始めようとしている(デイトナを着用)。
嬉しい驚きはまだまだ続く。今度はA.ランゲ&ゾーネの1815 アップ/ダウンだ。
予選のスタートを待つあいだ、F1仕様のUNOを1ゲーム楽しむのにちょうどいい時間があった。
そのあいだにタグ・ホイヤーのF1アカデミードライバー、メーガン・ブルース(Megan Bruce)氏が合流した。彼女の手首とヘルメットの両方にはF1 ソーラーグラフが輝いていた。
IWCを発見。
カルティエまで登場した。
さらには、ジェームズ・ステイシーも納得のアナデジ仕様のカシオも。
ピットをあとにするメルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラ1のスプリント勝者、キミ・アントネッリ(Kimi Antonelli)。
幸運を祈って、もうひとつのロイヤル オークを。
サー・ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)。
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