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Hands-On アミダ デジトレンド、デジタルドライバーズウォッチで70年代を再現する

70年代に見られたジャンピングアワー表示のドライバーウォッチのギアが、今再び巻き上げられる。

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この度登場した新世代の時計マイクロブランドが、私を夢中にさせている。(余談だが、私は“マイクロブランド”という言葉があまり好きではない。ジェームズが最近代替案として提案した“ブティックブランド”という言葉は、結構気に入っている)。マイクロブランドの第1世代は、ヘリテージにインスパイアされたダイバーズを世に数多く送り出した! そして最近見られる新世代の時計はよりデザイン性に優れ、バラエティに富んでいる。

amida digitrend watch

 この種の新興ブランドを評価するのはなかなか難しいもので、はっきり言って5年後に存続しているかどうかさえわからない。たとえその時計が優れていたとしても、実際にお金を生み出すビジネスとして貢献するものでなければならないからだ。このような注意点を踏まえたうえで、ファンキーな最新のウォッチをひとつ紹介しよう。 アミダのデジトレンドだ。

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 アミダブランドの歴史は1920年代に遡るが、その名が本格的に知られるようになったのは1976年、オリジナルのデジトレンドを世に送り出したときである。未来に対して沸き上がっていた当時の熱狂は、住宅から空港、オブジェに至るまで、あらゆるもののデザインに影響を与えていた。レトロフューチャーな世界観は、ディズニーランドの“トゥモローランド”によく現れている。1976年には、ジョブズとウォズニアックというスティーブコンビがアップルIIを発表した。アミダが1976年のバーゼルで革新的なジャンピングアワー式のドライバーズウォッチを発表したのも、この未来的なムードのなかでのことだった。現在、これらのヴィンテージデジトレンドはわずか数百ドルで手に入れることができる。残念なのは、ムーブメントはかなり安価な1石キャリバーなので、故障しやすい傾向にあることだ。

amida digitrend watch case
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 いま1970年代の波が再び押し寄せている。ジェンタのスケッチブックから生まれたものは何もかもが崇拝の対象となっている状況だ(60万ドル、当時のレートで約7000万円以上で落札されたロイヤル オークのスケッチの場合はそれこそ文字どおり)。2020年代に何が支持されるかを見極めるために、いま私たちはその他の70年代のデザインにも注目し続けているように感じられる。例を挙げると、ヴァシュロンの222。ピアジェのポロ、ロレックスのキングマイダスなどだ。

 アミダは同じ時代のものだが、そのデザインは決定的に異なる。316Lステンレススティール製のケースは、車のボディのような形をしている。デジトレンドのサイズは横幅が39.6mmで、縦は39mmだ。ジャンピングアワー表示はダッシュボードのようなレジスターによって読み取られる。デジトレンドの厚さはもっとも厚いところで15.6mmだが、そこからわずか6mmまで傾斜している。ケースは全面サテン仕上げとなっており、これは手首に装着する大型のステンレススティールの塊としてはふさわしい選択だろう。

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 ジャンピングアワーは機械式のソプロッド ニュートンP092で駆動し、アミダによれば自社開発のジャンピングアワーディスクを備えているという。オリジナルのデジトレンドとは異なり、このムーブメントは44時間のパワーリザーブを有し、2万8800振動/時で作動する本格的な23石ムーブメントとなっている。このTake-Off Editionでは、ムーブメントの心臓部がケースバックの窓から部分的に見ることができる。 これは正しい判断だと思う。

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 デジトレンドは、レトロなオレンジの裏張りが施された手触りのいいアルカンターラストラップと組み合わされている。箱から出してすぐはややしなやかさに欠けるが、このスタイルは機能的で快適だ。スティール製ブレスレットのオプションもあり、どちらもクイックリリース式のバネ棒が取り付けられている。

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 アミダ デジトレンドはドライバーズウォッチとしてデザインされている。 つまりディスプレイを読むときは手首を横に傾けながらがベストということだ。理屈のうえでは1970年代製のランチア・ストラトスのステアリングを握っているときが最高なのだろうが、私は街中を自転車で走ることがほとんどだ。デジトレンドを手首に装着すると、ずっしりとした鋼鉄の塊であることは疑いようがない。 しかし、そこがポイントなのだろう。とはいえ、およそ39mm×39mmという手首にフィットしやすいコンパクトなサイズだ。もっとも厚い部分(ケースとディスプレイが接している部分)は16mm近くあるが、もう一方のケースの縁はわずか6mmに傾斜しており、スティールケースに滑らかな輪郭を与えている。デジトレンドは十分に着用できるプロダクトだが、おそらく毎日手に取るようなものではないだろう。だが、そこがまたいい。数日間身につけて楽しんだが、想像以上に手首にフィットした。手首を傾けて時刻を読む動作には慣れたが(1度慣れてしまえば事に簡単だ)、時刻をひと目で把握するのは少し難しいかもしれない。

 アミダ デジトレンド Take-Off Editionの第1弾は、5月28日(火)より予約受付を開始する。価格は2900スイスフラン(日本円で約50万円)で、初回の予約受付終了後は、このモデルの価格は上昇するとブランドはアナウンスしている。注文はアミダのウェブサイトにて。

amida digitrend watch
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 直接の競争相手が見つからない以上、価格についてどう感じるかは難しい。3000ドル程度の価格帯でジャンピングアワーとドライバーズウォッチの開発に取り組んだ時計は、ほかにはないだろう。アミダはそれだけでも賞賛に値するし、比較的手頃な価格でまったく新しいことに挑戦している点も評価に値する。まあ、確実に価値ある提案だと断言することはできない。せっかく稼いだ3000ドルを使うのであれば、もっといいものがほかにあるだろう。よく言えば、唯一無二のものに3000ドル、悪く言えば、過ぎ去った時代を思わせるちょっと目新しいものに3000ドルを支払うということだ。

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 アミダ デジトレンドはとにかく新しい。つい先週も70年代にインスパイアされた時計がトレダノ&チャンから発表されたが、そのインスピレーションはまったく異なるものだった。アミダとトレダノ&チャンの両方を手にしてみて、少なくとも相対的には適正な価格だと感じた。確かにこの価格帯では老舗ブランドからも素晴らしい時計がたくさん出ているが、こんなに楽しめるものはなかなかないだろう。この時計は、より中間的な価格帯で勝負しようとする大手ブランドからの提案を補完するものであるように感じられる。このようなニューカマーが既存のブランドと互角に戦おうとするのではなく、何か異なる道を切り開いているのを見るのは喜ばしいことだ。

アミダ デジトレンド。サイズは横39.6mm × 縦39mm(最厚部15.6mm、6mmまで傾斜)。自社製モジュールを搭載したスプロッド製ニュートン P092によるデジタルジャンピングアワー表示を備える。予約受付開始は5月28日(火)。予約時の価格は2900スイスフラン(日本円で約50万円)。アミダ デジトレンドの詳細については、アミダのウェブサイトをチェック。