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我々が知っていること
マッテオ・ヴィオレ・ヴィアネッロ(Matteo Violet Vianello)氏が最新作の着想を得たのは、先史時代の道具で埋め尽くされた部屋に立っていたときでした。数年前、パリのポンピドゥー・センターで開催されたコンスタンティン・ブランクーシ展を訪れたアノマを手がけるヴィアネッロ氏は、ブランクーシが収集した原始的な道具や工芸品を目にして思わず足を止め、その光景がその後も強く心に残ったのです。その体験が、アノマを象徴する三角形ケースを採用したA1シリーズの最新の限定モデル、プリヒストリックの出発点となりました。
ケースには316Lステンレススティールを採用し、ケース表面にはタガネを用いて手作業で掘り込まれています。約5時間を要するこの加工を手がけるのは、作品がルーブル美術館に展示された経歴を持つフランス人彫刻家で、フランスのロワール地方にある人口約500人の村、モルナン=アン=フォレに工房を構えるスティーブン・ブルネル(Steven Brunel)氏です。バックルにも同様の加工が施されていますが、すべて手作業で行われるため、アノマによれば、全く同じものはふたつと存在しないとのことです。
ダイヤルでは、そのコンセプトがさらに推し進められている。真鍮製のベースに、約600本の線をサンバースト状に1本ずつ手作業で刻み込み、その後、打ち欠いて加工した石器や火打石を思わせるダークアンスラサイトカラーに仕上げられている。
スペックは通常のA1とほぼ共通です。ケースサイズは39mm×38mmで、厚さは9.45mm、ラグのない三角形ケースを採用しているため、装着時には、37mm径の時計に近いサイズ感に感じられる。ムーブメントには、アノマがこれまで全モデルに採用してきたスイス製自動巻きのセリタ SW100を搭載し、防水性能は50mを確保しています。ストラップには、グレイン仕上げを施したグレーのイタリア製レザーストラップが組み合わされています。
A1 プリヒストリックは、2026年に100本限定で製造される予定で、価格は関税・諸税別で3900ドル(日本円で約63万円)。注文受付は7月8日より開始され、納品は10月を予定しています。
我々の考え
創業からわずか2年のブランドとしては、アノマは目覚ましいスピードで成長を遂げてきました。2024年6月にブルーラッカーダイヤルを備えたA1でデビューを飾り、その後、2025年3月にはグレーを基調としたA1 スレート、同年8月には光学芸術に着想を得たA1 オプティカルを発表しました。そして今年4月には、限定生産による希少性を成長の原動力としてきたブランドとしては、ある意味、これまでの方針に逆行するような決断を下し、A1を定番ラインである“コアコレクション”へと移行し、“アビス”と“ストーン”を加えたのです。今回のプリヒストリックは、アノマの名声を築き上げた限定生産モデルへの回帰を意味します。そして、その仕上がりは、これまでのどのモデルよりも大胆な挑戦と言えるだろう。
興味深いのは、アノマが単に着想を過去へさかのぼったことではありません。時計というカテゴリーそのものが生まれる以前から存在した技法を用いて、その着想を形にした点にあります。手作業によるタガネ彫りのケースは、時計製造の過去から受け継がれた技術ではなく、時計製造の伝統から借用した技法ですらなく、本来は時計とは無関係な加工法です。単に質感の異なるダイヤルや新しいダイヤルカラーを追加するのとは一線を画す、実に興味深いアプローチと言えるでしょう。
価格は4000ドル(日本円で約65万円)弱と、アノマのこれまでのモデルに比べてかなり高額です。しかし少なくともスペック上は、各個体に投入される手仕事の量を考えれば、ある程度説明のつく価格に思えます。価格はさておき、革価格はさておき、A1というフォルムを新しくも古い領域へと押し広げようとする、ブランドの革新的な姿勢は大いに評価したいと思います。
基本情報
ブランド: アノマ(Anoma)
モデル名: A1 プリヒストリック(A1 Prehistoric)
ケースサイズ: 39mm×38mm
厚さ: 9.45mm
ケース素材: 手作業でタガネ彫りを施した316Lステンレススティール
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: グレイン仕上げを施したグレーのイタリア製レザーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ製 SW100
直径: 17.2mm
厚さ: 4.8mm
パワーリザーブ: 38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
価格&発売時期
価格: 3900ドル(日本円で約63万円)
発売: 英国夏時間で7月8日14時(日本時間で同日22時)より受注開始、2026年10月より順次納品予定
限定: あり、100本限定
詳しくはこちらをご覧ください。
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