ADVERTISEMENT
クイック解説
ここ数年の間に、ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーはオーデマ ピゲの主力コレクションへと成長を遂げました。実際、2015年後半のロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーのアップデート以来、オーデマ ピゲの最もホットな時計のいくつかは、同コレクションから登場したものでした(受賞歴のあるロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー ウルトラシンももちろん存在しますが、こちらは全くの別物です)。
そして今日、中国市場向けに生産されるロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーの限定モデルが登場。週表示針と付属のラバーストラップに赤いアクセントが配され、軽量なチタンがケースとブレスレットに採用されました。ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーにチタンが採用されたのは今回が初めてで、ブレスレットを合わせてもその重量はわずか104gしかありません。(以前にチタンとプラチナを組み合わせたモデルは存在しましたが)。
本モデルは、88本のシリアル番号付きの限定で(中国で8は幸運な数字とされている)、中国本土のオーデマ ピゲ ブティックでのみ入手が可能です。
ファースト・インプレッション
手に入れることが至難の業であるのは明らかですが、もっと深く掘り下げていきましょう。なめらかなグレーのダイヤルは本当に格好よく、赤いアクセントもやりすぎではありません(個人的には赤いラバーストラップはあまり着けないと思いますが)。そして、チタン製というのはかなり魅力的です。僕が気に入っているオーデマ ピゲのいくつかのモデルは、チタンとプラチナの組み合わせが多いのですが、それを思うと着け心地もかなりいいと思われます。
ジュリオ・パピ氏のチタンとプラチナのパーペチュアルカレンダー
僕が初めてチタンとプラチナのコンビのロイヤル オークを見たのは、2014年にNYで、かの伝説的な(オーデマ ピゲ・ルノー エ パピの)ジュリオ・パピ氏にインタビューを行った時だ。
2種類の金属素材でできたパーペチュアルカレンダーは、当時伺った話によれば、16年間毎日着用していた時計だそう。傷がついていたが、彼はベゼル交換をすることは望まなかったためそれ自体がとてもユニークなものになっていた。その理由は、ひとつひとつの傷に思い出が詰まっていたからだという。子どもたちと一緒に遊んだり、夏のバーベキューをしたときにできた傷なのだそうだ。
このストーリーの全容はHODINKEE.comの2014年の記事でご覧いただくことができる。
本機は中国本土のブティックからでしか入手できないため、多くの人たちが失望することは間違いないでしょう(僕もおそらくその中の一人です)。ただ、本モデルで好感が持てる点は、文字盤の色を変更したり、ケースバックにエングレーブしたりせずに特別な一本に仕上げているところです。
ここ数年、APがロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーを、クリエイティビティとイノベーションを発揮するプラットフォームとしているのは非常に興味深いことです。過去12ヵ月で洗練されたプラチナモデルや見事なブルーダイヤルを備えたホワイトセラミックモデル、オープンワークのブラックセラミックモデル(これは、SIHH2017で登場したブラックセラミックモデルがベースだった)などが挙げられます。
少し前には、毎週のようにクレイジーな新色を組み合わせたものやダイヤモンドがたくさんセットされたオフショアの限定が登場していた時期もありました。APの伝統的な時計製造をロイヤル オークに組み合わせるという現在の新たな方向性は、個人的には大歓迎です。そしてこれは実績のある勝利の方程式にもなっているといえるでしょう。
この物語の興味深い一面は、オーデマ ピゲと時計コレクターであるオースティン・チュウ氏(Instagramの@horoloupeと聞いてピンと来る方も多いのではないでしょうか)が、関わっているという点です。今では、時計ブランドと一緒に僕らがHODINKEE限定モデルをリリースするのは、特に不思議なこととは思われないでしょう。ですが、APのようなメジャーブランドが、小売業者やメディアではなく個人のコレクターと一緒にプロダクトを作り上げたということは、本当に魅力的な事実です。こういった取り組みは今後増えるようなものではないでしょうが、注目されるべきものであることは間違いないと思います。
ケースやブレスレットなどのパーツすべてにチタンを採用するため、APが行った投資を考えると(ステンレスやゴールドとは全く別の技術がチタンの製造には必要なのです)、もしかしたら近い将来に限定版なのかフラッグシップなのかは別として、チタンモデルを目にする日が来るのかもしれません。
基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: オーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー 中国限定エディション(Royal Oak Perpetual Calendar China Limited Edition)
型番: 26609TI.OO.1220TI.01
直径: 41mm
厚さ: 9.5mm
ケース素材: チタン
文字盤色: スレートグレーのグランド・タペストリー
インデックス: ホワイトゴールドのアプライドマーカーとアラビア数字
夜光: あり、針とアワーマーカー
防水性能: 20m
ストラップ/ブレスレット: チタン製の一体型ブレスレット、グレーのアリゲーターストラップと赤いラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: Cal.5134
機能: 時、分、パーペチュアルカレンダー、週表示機能、ムーンフェイズ表示
直径: 29mm
厚さ: 4.31mm
パワーリザーブ: 40時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2.75 Hz (1万9800振動/時)
石数: 38
追加情報: オーデマ ピゲのCal.2120ベース
価格・発売情報
価格: 815万円(税抜)
発売: 中国本土のオーデマ ピゲブティック限定
限定: 88本
詳細はこちらのリンクをクリック。
話題の記事
WATCH OF THE WEEK アシンメトリーのよさを教えてくれた素晴らしきドイツ時計
Bring a Loupe RAFの由来を持つロレックス エクスプローラー、スクロールラグのパテック カラトラバ、そして“ジーザー”なオーデマ ピゲなど
Four + One 俳優である作家であり、コメディアンでもあるランドール・パーク氏は70年代の時計を愛している