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腕時計の収納は、無数の解決策がある問題だ。ドレッサーの引き出しを利用するのもひとつの方法だろう。もうひとつの選択肢は、生体認証ロックを備えた頑丈な作り付けの金庫と、時計を巻き上げてすぐに着用できるようにするためのワインダーの数々だ。僕の現在の方法は、その中間に位置している。シンプルで柔軟性があり目立たないため、セキュリティを犠牲にすることなく、アクセスも簡単だ。
長年にわたり、僕はオリジナルの箱(アクセスと保管に手間がかかり、セキュリティの向上は見られない)、ウォッチロール(4-5個の時計までは良いと分かったが、巻きつけた時計に蓋を被せる時に接触するのが好きではない)、安価なディスプレイケース(取り扱いとアクセスは良いが、セキュリティ、携帯性、一般的な保管用には限界がある)などを使用してみた。そして最終的には、アメリカのペリカン社が提供しているような、機器用の気密性の高いハードケースを使うことで落ち着いた。
完璧な解決策はないのだが、僕と同じような悩みを抱えている方には、適度な大きさのハードケースが理想に近いのではないだろうか。時計の収納については、主に以下の点を重視している。
保護 - 時計同士が触れ合わないようにして、水や害虫などの環境要因から隔離したい。
セキュリティ - 中に何が入っているか外から見えず、家の中でも簡単に隠せるものでなければならない。パーティーを開いたときに、見知らぬゲストが時計をあさっていたら大変だ。
携帯性 - 時計のオフ会に参加したり、旅行中にケースを遠隔地保管サービスに預けに行ったりなど、社会的なニーズに対応するためにも収納ケースは携帯性に優れていなければならない。理想としては、棚に収まる程度の大きさで、過度に注目を浴びないものが良い。
コスト - コレクションの数が多ければ、より専門的なソリューションが必要になるかもしれないが、一般的な時計愛好家は、自分の時計を相応しい場所に置くために大枚をはたく必要はない。
以上の点を考慮して、僕はペリカンの1500プロテクターを選んだ。具体的な説明に入る前に、先日紹介した「時計のストラップの収納方法(how to store your watch straps)」のように、これはペリカンのマーケティング記事ではないことを明確にしておきたいと思うし、HODINKEE SHOPでは、このケースやその他のケースは扱っていない(扱うべきだと思うが)。このケースは、人気のあるオンラインショップで、僕たちが自腹で150ドルほどで購入したものだ(他の色もある!)。
ペリカン1500を選んだ理由は、1ダース以上の時計を収納できること(実際にはそれ以上)、防水、堅牢、防塵、ステンレス製の金具、2つのロック、完全に密閉された蓋、自動圧力調整機能、そして手厚い保証が付いていることだ。このレポートで紹介している1500WFには、ペリカンの“ピック・アンド・プラックフォーム”ウレタンフォームが採用されているので、レイアウトを簡単にカスタマイズすることができる。
しかし、誤解のないように言っておくと、1500は大きなケースで、10~12個の時計をコレクションしている僕にとっては必要以上の大きさである。サイズは、幅約47cm、奥行き約36cm、厚さ約18cmで、大型のラップトップバッグの大きさに相当する。 下の写真のように、様々なサイズの時計を24本収納することもできる。とはいえ、もし1500のサイズが合わない場合でも、ペリカンはプロテクターケースの他のバージョンを約50種類製造しているので、自分に合ったケースを見つけられる可能性は高い。
大きなサイズとかなりの厚さの利点は、活動のためのスペースが増えることだ。24本の時計と一緒にストラップや巻いたNATOストラップのスペースが欲しい? 大丈夫、いける。時計を16本にして、工具やストラップを置くスペースを作りたいなら、それも可能だ。必要なのはちょっとした計画と爪楊枝、そして中央の発泡スチロールのブロックを下まで貫通する長さのナイフだけだ。
ペリカンのカスタマイズ方法
爪楊枝を持って、ピック・アンド・プラックウレタンフォーム上に外枠の印をつけよう(ペリカンのフォームは、あらかじめ分割されたセルフォームの周りを一塊のフォームで均一に囲んであり、これがいい感じだ)。さて、外枠が決まったところで、各時計のスペースの大きさを決めねばならない。何度かこの作業を繰り返して、45mm程度までの時計(大きな時計を隣り合わせに置かない場合はそれ以上)であれば2cm×5cmの四角サイズが有効であり、引っ張り出したフォームを時計を置くクッションとして使用できることがわかった。
2cm×5cmのサイズを使えば、8個の時計が3列に並び、各スペースには時計間に2個の四角形のバッファーがあることになる。間違いを避けるため、全体のレイアウトをマークしてからセルとセルの間の弱い縫い目を慎重にカットすることをオススメする。ブロックを切り離したら、フォームを静かに引き抜き、ひっかかりや粗い部分を切り取る。もし最小限の力で取れないようであれば、切り口を確認してみよう。慎重にやらないと、時計を分離するための壁を破ってしまう可能性がある。
次に、取り外したフォームのブロックを持って、その深さ(高さ)の一部を切り取る。どれくらい切り取るかは、手首のサイズによる。ブレスレットやストラップを支えるのに十分なフォームが必要だが、窮屈にならない程度にしよう。僕の場合、ブロックの下部の3分の1から2分の1程度を切り取ったが、約18cmの手首に合わせるという意味では、これでうまくいった。
この作業をさらに23回繰り返す。失敗しないようにゆっくりと慎重に行うが、万が一失敗してもペリカンに新しいフォームを注文することができる。
最後に、時計を格納してうまくいったことと、そしてコレクションが手間のかからない丈夫な保管ソリューションに安全に収められていることに満足して欲しい。机の上からロッカー、クローゼット、貸金庫などの安全な場所まで、ハードケースは豪華さには欠けるが、保護、セキュリティ、携帯性、そして価格の面では十分に補うことができる。その結果、お金を節約して、より多くの時計に費やすことができるのだ。