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Introducing ブレモン ロンジチュード リミテッドエディション 2021年新作

歴史の一部を内包した時計は、イギリスブランドの歴史を作る瞬間でもある。

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我々が知っていること

今日は2つのストーリーがある。1つめは、アメリカ東部時間で日が暮れる頃に発表された、イギリスブランドのENG300オートマティックのニュースだ。これはブランドにとって画期的な製造ストーリーで、その詳細について(長文につき注意)はこちらをご覧いただきたい。

 ENG300を搭載した最初の時計、ブレモンのロンジチュードは300本の限定モデルで、イギリス最大の時計メーカーが毎年発表している歴史的建造物をモチーフにした時計のなかでは最も新しいモデルだ。

 過去には、戦時中の暗号解読機エニグマやHMS ビクトリー号、ライトフライヤー号などがブレモンの限定モデルにその断片を提供してきた。今回はロンドンの王立グリニッジ天文台を貫く真鍮製の梁の一部が、経度0度の主子午線を示している。

 原材料の塊は、新しいパートナーであるグリニッジ王立博物館からブレモンに寄贈され、精錬後に時計の自動巻きを縁取る平らなリングに成形された。

 ENG300のストーリーは深くて魅力的なものだが、ここでは詳細は割愛するが、このモデルがブレモンが何年も前からほのめかしていたスティーブン・マクドネル(Stephen McDonnell)のハイエンドムーブメントではないという突拍子もない発表があり、私は8月に執筆した記事で報告したものを期待していた。

 このキャリバーは、革新的なムーブメントメーカーである「THE+」がスイスで考案し、ブレモントが大幅にカスタマイズしてアップグレードしたものだ。ブレモンは、THE+のK1ベースキャリバーの所有権を完全に手に入れただけでなく、ロンドンから1時間の距離にあるヘンリーにある非常に印象的な新しい生産施設「ザ・ウィング」で、コアコンポーネントの一部を製造した。

 先の記事で説明したように、ENG300はブランドにとってもイギリスの時計製造にとっても正真正銘のランドマークであると言っても過言ではない。真に偉大なムーブメンとなる証がすべて揃っている。

 300本のうち、スティールが150本、ローズゴールドが75本、ホワイトゴールドが75本となっており、それぞれの直径は40mmと、これまでのヒストリカルモデルよりも小さくなっている。いずれもツインディスクのラージデイト、65時間パワーリザーブを表示するインジケーター、スモールセコンドを備え、そしてダイヤルには経度にインスパイアされたモチーフにした装飾が施されている。

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 さらに、パワーリザーブインジケーターにも象徴的なものがある。これはグリニッジ天文台の上にある赤いボールが1日に1回上下して、通過する船員に午後1時の時刻を知らせるもので、かつてルール・ブリタニアの航海士が船のクロノメーターを設定する際の重要なイベントだった。この時計は12月初旬に発売予定で、価格は1万6995ドル〜2万4995ドル(約194万〜285万円)だ。

我々が思うこと

 ENG300、そして今回のENG376の登場はブレモンにとって非常に大きな出来事であり、ザ・ウィングの建設費を考慮するとおそらく2000万ポンド(2700万ドル)以上の莫大な費用をかけて実現したものだ。さらにこの野心的な企業は大きな賞賛を受けることになるだろう。

 ブレモンは、自らを遠い昔の偉大なイギリスの時計メーカーの自然な後継者と考えている。ロンジチュードのプレスリリースには、初代イギリス王立天文家ジョン・フラムスティード(John Flamsteed)、18世紀にロンジチュード賞を受賞しマリンクロノメーターを発明したジョン・ハリソン、そして1970年代に消滅したイギリスの工業用時計メーカーであるスミスの名が記されている。ブレモンは年間5000個のENG300を製造することができるとしており、これによりスミス社以来、約半世紀ぶりに イギリスで機械式ムーブメント(またはその部品)を工業的に製造することになる。

 人によっては、ENG300の価値を認めることは、いまだに残っているシニシズムを払拭することかもしれない。イギリスの奇才たちが、毎年恒例の歴史的な限定モデルを新キャリバーの発表の場として利用したのは初めてのことではない。多くの人が2014年のことを思い出すだろう。ブレモンは、2014年にライトフライヤーに自社製ムーブメントを搭載して発表したが、ラ・ジュー・ペレ社のデザインであることが判明し、騒動になった。

 だがそれはブレモントにとって半世紀前のことであり、今は2021年。今回とは異なる。その残念なエピソードの傷跡が残っているため、今まさに我々の記事で詳しく紹介しているように会社は必要に応じて自分たちのやり方の多くを公開している。ボックスにチェックを入れた。

 そのため、2年前にスイスのエンジニアリング企業であるTHE+社のK1トラクター オートマチックの製造権を取得したことについては伏せているが、ムーブメントの80%を自社でアップグレードしたという主張(より丈夫になった、ほかに類を見ないダブルフットのテンプブリッジなど)や、ムーブメントの重量の55%をヘンリーで製造しているという報告(ベースプレートと4つのブリッジの計5つの部品)については、賛同してくれるよう求めています。

 先週、THE+に話を聞いたところ、彼らはムーブメントをアップグレードし、それを製造するための製造、組み立て、調整、テストのインフラを構築したブレモンの仕事に感嘆の声を上げていた。彼らに言わせれば、ENG300はキャリバーを改良したものではなく、それ自体が新しい存在なのだ。

 時計本体に関しては、3つの驚きがあった。まず1つめは、ブレモンが今年の2つの大きな話題を1つにまとめることを選択したことだ。確かに、新しいムーブメントには時計が必要だが、それでもそのムーブメントと主役の限定版にまつわるストーリーを鮮明にしておくことは不可能に近いことなのだ。長年時計業界を見てきた者にとってはムーブメントの話の方が圧倒的に面白いのだが、それは単にブレモンが長年続けてきた歴史的建造物に関するシリーズが、かつてよりもはるかに関心を集めなくなったからというだけではない。

 2つめはグリニッジ標準時を記念してグリニッジ王立天文台と提携して作られた時計であるにもかかわらず、ロンジチュードにGMT機能が搭載されていないのは不思議なことだ。しかし、そのようなことをすれば、イギリスの時計メーカーの伝統を継承することが強調されず、デュアルタイムゾーンの時計とは何の関係もなくなってしまうかもしれない。

 3つめは歴史的建造物に価値を見出すのが難しいため、少しこだわりがあるようだが価格差についてだ。ENG300シリーズのキャリバーがコアコレクションのスティールウォッチに搭載された場合(来年以降とのこと)、ブレモンは5000ドル前後の価格設定を目指しているが、これは非常に競争力のある価格である。K1が18種類のバリエーションを持つように設計されていることを考えると、ベースとなるモデルにはビッグデイトやパワーリザーブインジケーター機能は搭載されていないのではないかと考えられるが、それを考慮してもリサイクルされた小さな真ちゅう製の部品を所有するという特権に対し、約1万ドルのプレミアムがついていることになる。もちろん、このモデルには慈善活動の側面もあり、収益の一部はグリニッジ王立美術館に寄付される。しかし、それにしてもだ。

 おそらくロンジチュードは、ブレモンの歴史のなかで足跡となり、ハイエンドな機械式時計部品を製造・組み立てを行うイギリスのマニュファクチュールへと急速かつ見事に進化したことに焦点が当てられることになるだろう。これは良いことだと思う。なぜなら世界のタイムゾーンがグリニッジに託されているように、ブレモンの未来もまたロンジチュードではなく、その中身に託されているからだ。

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基本情報

ブランド: ブレモン(Bremont)
モデル名: ロンジチュード、300本限定

直径: 40mm
ケース素材: SS、RG、WG
文字盤: SSとRGはアンスラサイト、WGはシルバーホワイト
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: SSは100m、RGとWGは50m
ストラップ/ブレスレット: チタン製バックル


ムーブメント情報

キャリバー: ENG300
機能: 時・分表示、スモールセコンド、3時位置に日付表示、ダイヤル6時側にパワーリザーブインジケーター
直径: 25.6mm
厚さ: 4.95mm
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時(3.5Hz)
石数: 22


価格 & 発売時期

価格: SSは1万6995ドル(約194万円)、RGは2万4995ドル(約273万円)、WGは2万4995ドル(約285万円)
発売時期: 12月上旬
限定: SSが150本、RGと WGが75本。

詳細は、ブレモン公式サイトをクリック。