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G-SHOCK AMW-500GC発売記念 メタル化されたG-SHOCKたちをプレイバック

新たなメタルG-SHOCK AWM-500GCの発売を記念し、これまでメタル化されてきたGの足跡を確認する。

2018年に発表されたGMW-B5000、いわゆるオリジンの角型デザインを用いたメタルモデルより、G-SHOCKは最新トレンドとなるメタルG-SHOCKというカテゴリを生み出した。

 誕生からわずか3年、不動の人気を誇るいくつかのシリーズがメタル化されてきたが、今回発表されたAWM-500GC-1AJRは90年代にストリートで人気を博したAw-500のメタルバージョンだ。しかも、ポーター(PORTER)とのコラボレーションによる特別版で、全身DLCで仕上げられたブラックのケース&ブレスレットに、文字盤に配された耐衝撃グラフのあしらいがさらにエクスクルーシブなモデルであることを強調している。しかも、ポーター謹製の時計ポーチまでついてくるという。先に登場しているAWM-500にもブラックのモデルは存在したが、IP加工の黒とは色調が異なり、耐傷性の向上なども加味するとより高品位なメタルモデルに仕上がっていると言える。

 今回はこの時計の魅力はもちろん、これまでに発表されているメタルのG-SHOCKを、HODINKEE Japanのエディター3名の解説によって総ぞらいしていく。

AW-500(左)とAWM-500GC-1AJR(右)。

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オリジンの角型5000系

DW-5000C(左)とGMW-B5000D-1JF(右)。

 1983年に誕生したDW-5000Cは、G-SHOCK全体のオリジンである。このアイコニックな角型モデルは、当初日本ではまったく火がつかず、北米での人気爆発をきっかけとして、逆輸入的に日本でも広がっていった。
 同様に、近年のメタルG-SHOCKのオリジンとも言えるこの角型5000系は、2018年、G-SHOCK35周年企画の一環としてスタートしたフルメタルプロジェクトによるもの。実は、この企画は遡ること2015年のバーゼルワールドで披露された、G-SHOCKの生みの親である伊部菊雄さん発案による金無垢のG-SHOCKに端を発している。

 「壊れない時計を作る」という想いが、樹脂ケースとのコンビネーションによる特別な耐衝撃構造を生み出したわけだが、それを金属ケースでとなると、時計自体の重量が増すことなどから同レベルの堅牢性を持たせることは格段に困難になる。カシオはこれを、ステンレス製のベゼルとケースのあいだにファインレジン製の緩衝材を実装することで対応。オリジンの5000と同じ見た目ながら、まったく異なる耐衝撃構造を持たせ、フルメタル化を実現したのがGMW-B5000Dである。この角型フォルムで6万6000円(税込)という価格設定はチャレンジングだと思わされたが、瞬く間に大ヒット作となり一時店頭から姿を消すほどの人気を博した。
 ちなみに、金無垢モデルもまた実現され、2018年に35本限定770万円で販売された。

G-SHOCK人気を不動のものとした6900

DW-6900B-9(左)とGM-6900G-9JF(右)。

 1995年に誕生したDW-6900は、ビッグサイズが好まれる米国向けの商品として登場した。通称三つ目と呼ばれるこのモデルは、ラウンドフォルム、トリグラフ、フロントボタンの3つのキー要素が噛み合って、90年代にG-SHOCK人気を不動のものとした。DW-6900のデザイン要素は、それ以前のG-SHOCKに採用されていた機能・意匠が集約されている。1992年、DW-5900C-1に搭載されたトリグラフ(トリプルグラフ)、1994年、DW-6600-1Vで初めて採用されたフロントボタン(バックライト点灯用)である。

 GM-6900は、初代モデル発売から25周年の2020年に登場したメタルカバードモデルで、ブレスレットやセンターケースまで金属製のGMW-B5000とは異なり、メタルベゼルでのカバーという新しいコンセプトを生み出した。これはよりアフォーダブルな価格(2万5300円・税込)を実現し、より広い層へとメタルG-SHOCKを知らしめる一助になったと言える。

 とはいえ、このメタルベゼルも約20工程の鍛造・切削・研磨加工を経て、凹凸の多い複雑な造形からインナーケースとの嵌合精度を左右する裏面形状まで精緻に成形。インナーケースの外側に微細な突起を設けてメタルベゼルとの接触面を削減し、点接触でモジュールを保護する中空構造の設計思想を反映し、外部衝撃を緩和する構造とした。表面もヘアラインと鏡面で美しく仕上げるなど、正直この価格で世に出ている時計としてはこれ以上ないクオリティだと思う。

海外向けに発表され90年代に日本でも火がついたAW-500

AW-500(左)とAWM-500-1AJF(右)。

 G-SHOCK初のアナログ・デジタルモデルとして、AW-500は1989年に登場した。1989年のオリジナルAW-500G-1Eは通称グラフと呼ばれ、文字盤中央に配された耐衝撃グラフのデザインがその所以だ。このAW-500は腕時計市場の主流であったアナログ表示に、G-SHOCKとして初挑戦したモデルである。時計に衝撃が加わると針落ちの懸念があるため、アナログな針を用いてG-SHOCKの耐衝撃性を維持するのは、実は格段に製作難易度が上がる。トライ&エラーが繰り返され、独特な円柱状のフォルムを持つラウンド側のデザインに行き着いた。

 誕生から30年以上が経ち、2020年にセンターケースもSSのフルメタルモデルとして発表されたAWM-500は、樹脂ケースモデルと同様に針の脱落を防ぐ点で、デジタルモデルであるGMW-B5000Dよりも開発が困難だったという。本機では、オリジナルの形状をとことん再現することにこだわられ、バンドの3コマめまでを三次曲線とした。鍛造と切削を巧みに組み合わせた結果である。一方で、見えない部分のケースは極限まで肉抜きされ、耐衝撃性を実現するため軽量化が図られている。
 インデックスは脱落を防ぐため、植字ではなくワンピース構造に。オリジナルに忠実なのは裏面でも徹底されており、スクリューバックが採用された。内部モジュールの感度や厚みが出過ぎるなどの問題から、当初は導入されない予定だったが、熱狂的なファンのいるAW-500のメタル化(どのモデルでも同様かもしれないが)に際して、細部までぬかりなく仕上げられた。
 ちなみに、まったく同じように見える外観だが、実はベゼルサイズはオリジンモデルよりも10%程度小さい(約93%ほど)。これはまったく同じサイズにした場合、視覚的にメタルモデルの方が大きく見えてしまうことからの調整だったそうだ。ここまで手が込まれたAWM-500Dは6万6000円(税込)である。

革新的なビッグケースがユースの心をつかんだ

GA-110-1BJF(左)とGM-100(右)。

 GM-110は、GM-6900同じようにビッグサイズのケースを持つモデルで、2010年に新世代のアナログG-SHCOKとして登場したGA-110のメタルカバード版である。

 GA-110は、ビッグケースとサブカルチャーのMIXをテーマとしたG-SHOCKで、当時はデジタルが主流だったユースモデルに新感覚を持ち込んだ。これが功を奏し、誕生から10年でG-SHOCKにおける世界販売本数No.1の実績を生むこととなる。そんなGA-110の登場10周年の節目である、2020年8月にメタルカバードモデルGM-110(2万6400円・税込)が登場。全体に複雑なデザインを採用した印象だが、正面から見ると真円なのが新鮮だ。複雑な造形の鍛造ベゼルは、GM-6900と同じく約20工程の鍛造と切削・研磨を経て、凹凸の多い表面形状から、組み立て精度を左右する裏面形状まで精緻に成形されている。

 このGM-110は、最近カシオの色表現として定番化しているレインボーIPが用いられた初期のモデルであり、既存の枠組にとらわれないデザインコードを採用する傾向が強い。最近では、男子バスケットボールNBAプレイヤーである八村 塁選手のシグネチャーモデルも本機がベースとされた。G-SHOCKの新時代を感じさせるセレクトである。

早くもメタル化された新世代の中心2100系

GA-2100-1AJF(左)とGM-2100-1AJF(右)。

 GM-110から1年後の2021年8月。2019年に誕生した最新世代のG-SHCOKであり、カルト的人気を誇るGA-2100に早くもメタルカバードモデルが登場した。このモデルは、ユース向けにビッグサイズでアプローチされたGA-110とは対照的に、現代的な小サイズモデルというコンセプトを掲げている。GA-110から10年を経て真逆のトレンドを打ち立てたGA-2100は、オリジンである5000系に迫るほど小型であり、薄くて装着感に優れるのが特徴だ。しかも、アナデジモデル。GM-2100(2万6400円・税込)は、この特徴をそのままメタルカバードしたものである。

 GM-2100では樹脂のモデルと同様、ベゼルと文字盤が同系色のトーン・オン・トーンでまとめられている。実は、GA-2100用にサードパーティ製のメタルパーツが横行していため、公式から発売された純正モデルという安心感がようやく得られることとなった。
 GA-2100はマットな質感が売りだったが、GM-2100はメタル化に合わせてメタリックな縦のヘアライン仕上げのダイヤルがポイントだ。GA-2100にて、オリジンであるDW-5000から継承した八角形ケースは本機でも健在。形を変えずに進化したものがGMW-B5000になるが、形を変えつつコンセプトを継承したのがGM-2100なのである。

G-SHOCK AWM-500GC-1AJR limited edition PORTER case set ケース:ブラックDLCを施したSS、耐摩耗性に優れるDLC処理を施した重厚感あるスクリューバック、ムーブメント:世界6局の標準電波を受信し、時刻を自動修正するマルチバンド6、タフソーラー、その他:高輝度なフルオートダブルLEDライト、サイズ :51.8×44.5×14.2mm / 175g、価格:14万3000円(税込)

取扱店舗:PORTER OMOTESANDO、PORTER OSAKA、および吉田カバンオフィシャルオンラインストアにて、10月29日11時から販売される。

その他、詳細は吉田カバン公式サイトへ。