trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On 新作クリストファー・ウォード トゥエルブ 660、ケース厚わずか6.6mmの極薄モデルをハンズオン

最もシンプルで薄いトゥエルブ、これこそが最高の1本かもしれない。

ADVERTISEMENT

Photos by TanTan Wang

クリストファー・ウォードが一体型ブレスレットを備えたスポーツウォッチであるトゥエルブにおいて最薄となるモデルを新たに発表した。その名もトゥエルブ 660。このシリーズはトリオで構成されており、今年初めに複雑な構成で話題を呼んだC12 Loco(ロコ)とはまったく趣を異にする。今年初めに、この英国ブランドはC12 ロコで複雑な外観を持つトゥエルブを披露したが、それに対してトゥエルブ 660はこれ以上ないほど対照的だ。これはトゥエルブを徹底的にそぎ落としたもので、装飾も余計な機能も一切なく、ただ時と分だけを表示する。

Christopher Ward Twelve 660 Soldier Shot
Christopher Ward Twelve 660 Side Profile
Christopher Ward Twelve 660 Clasp

 前置きは抜きにしよう。トゥエルブ 660は驚くほど薄く、その数値はモデル名にさりげなく込められており、高さは6.6mmで直径は38mm。ここで重要なのは、これがクリストファー・ウォード史上、最も薄い時計というわけではないということだ。その称号はドレスウォッチであるC5 マルバーン 595に与えられる。ご想像のとおり、ケース厚は5.95mmである。一方でトゥエルブ 660は0.65mm厚みが増しているものの、装着感ははるかに安心感がある。これは主にフルスティール製の一体型ブレスレットデザインによるところが大きく、本モデルのブレスレットは秀逸で、全体にしっかりとしたつくりでありながらリンクが短いためあらゆる手首サイズに自然にフィットする。特筆すべきは新たに設計されたツイントリガー式ディプロイアントクラスプで、薄型ブレスレットに見事に統合されており、操作感も非常にしっかりしている。全体をとおして、本モデルのつくりや質感はきわめて高く感じられる。

 トゥエルブ 660のダイアルは4色展開で、ブランドによればそれぞれ“BLK、WHT、GRN、BLU”という。このうちBLKモデルは、ケースとブレスレットの両方にDLCコーティングが施されたオールブラック仕様であり、マット仕上げのダイアルはかすかに粒状のテクスチャを持ち、その上にクリアラッカーがコーティングされている。アプライドのインデックスと針は、幅広の天面には卓越したサテン仕上げが、側面にはコントラストをなすポリッシュ仕上げが施されている。ブランドロゴ(個人的にはまだしっくりこない)がこのラッカー層の上に配されており、光の当たり方によってはインデックスと針がわずかに浮いて見えるような効果がある。ダイアルにクリアラッカーを用いること自体は目新しくないが、トゥエルブ 660では各パーツがきわめて薄く仕上げられていること、そして針の重なりが非常にフラットであることが、本モデルに独特の視覚効果を与えている。

Christopher Ward Twelve 660 Dial macro
Christopher Ward Twelve 660 Closeup of Case Side
Christopher Ward Twelve 660 Movement Shot

 時計を裏返すと目に入るのは、カスタム装飾が施された手巻きムーブメント、セリタCal.SW210で、振動数は2万8800振動/時(4Hz)で、パワーリザーブは45時間の標準仕様だ。この価格帯で手仕上げの面取りや内角の複雑な処理が見られるわけではないが、このキャリバーは十分に手が加えられており、シースルーケースバックをとおして見せるに値する仕上がりだと感じる。たしかに装飾は施されているものの、よくあるペルラージュとストライプで埋め尽くされたムーブメントとは一線を画している。

 むしろクリストファー・ウォードはより控えめなアプローチを取っており、繊細なバーティカルサテン仕上げがダイヤモンドポリッシュされた面取りと美しいコントラストをなしている。なかでも特に印象的だったのは、カスタム仕様のスケルトン化された輪列受けの改良で、これによりムーブメントが洗練された印象となっている。2000ドル(日本円で約29万5000円)を大きく下回る価格帯の時計としてはかなり見ごたえのある仕上がりだ。

Christopher Ward Twelve 660 Upside Down Wristshot

 スペック上でもクリストファー・ウォードは、十分に魅力的な極薄スポーツウォッチを作るという目標を見事に達成している。このことは試作品を手にする前から理解していた。だが予想外だったのは、トゥエルブ 660を実際に手に取ったときの感動の大きさだった。ブレスレット付きのスティールモデルは1660ドル、フルDLCコーティング仕様のモデルは1790ドル(ラバーストラップ仕様はやや安価)という価格設定ながら、その完成度は価格帯をはるかに超えている。オフィスでこの時計を見せて回ったときも、実物を見た同僚たちは一様に驚いていた。なかには私が新作を持ち込むたびに冷めた反応をするような、すっかり目の肥えた同僚までいたが、そんな彼らも実機を見ると印象がまったく違ったようだった。

 これをバリュープロポジションと呼ぶべきか? おそらくそうだろう。というのも先ほどの同僚たちはみな、この時計の価格を実際よりもはるかに高く見積もっていたし、私もその意見に同意していたからだ。これまでのクラシックなトゥエルブシリーズにはあまり響くものがなかった私だが、これは確実に引きつけられている。

Christopher Ward Twelve 660 Slant Shot

 同僚のアンディが報じたとおり、米国で課されていた39%の関税が撤廃された(おそらく今回の新作発表に合わせたタイミングだろう)。つまり今、小売価格に上乗せされる追加コストがなくなったことを踏まえると、この新作トゥエルブ 660はきわめて堅実な(文字どおりの意味でも)新たな選択肢として感じられる。ブランドの一体型ブレスレットデザインに注目していた層の背中を押す存在になり得るだろう。お見事である。

詳しくはこちらをご覧ください。