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旧正月は、干支が巡る新たな年の幕開けだ。皆さんに素晴らしい“丙午(ひのえうま)”の年が訪れることを願っている。旧正月を祝っているのは私だけではない。時計ブランド各社も午年に合わせたタイムリーなスペシャルエディションを投入し、比喩的にも文字どおりにも、この祝祭をビジネスチャンスとしても捉えている。
そこで昨年の巳年と同様に、さまざまなブランドから登場した午年テーマの時計をいくつかピックアップして紹介しよう。デザインは、新しいダイヤルカラーから驚異的なメティエ・ダールを駆使した創作まで多岐にわたるが、ぜひ楽しんで欲しい。このお祝いの季節に友人や愛する人たちと豪華な中華料理を囲みながら、これらの時計を身に着ける姿を想像してみてはいかがだろうか。
ヴァシュロン・コンスタンタン メティエ・ダール 中国干支の伝説―午年
ヴァシュロン・コンスタンタンは、長年にわたり干支にオマージュを捧げた素晴らしいメティエ・ダール作品を発表し続けており、今年も野心的な手法で制作されたハンドメイドの逸品が登場した(価格が要問い合わせであることを考えると、価格設定もまた野心的だろう)。2026年の午年エディションは、プラチナまたはピンクゴールドのケースで、各25本限定となっている。
40mmのケースに収められたダイヤルには、時、分、曜日、日付を表示する4つの小窓が配されている。これらの窓の色はダイヤルのほかの部分と統一されており、背景には多色のグラン・フー エナメルが用いられ、植物のディテールにはハンドペイントが施されている。そしてその中央には、ケースの素材に合わせてホワイトゴールド(WG)、または18KPGで立体的に手彫りされた、岩の上を駆ける馬の彫刻が鎮座している。ムーブメントにはトレーリング式の時・分表示と、ジャンピング式の曜日・日付表示を備えたCal.2460 G4を搭載している。
価格は要問い合わせ、詳細はヴァシュロン・コンスタンタン公式サイトから。
オリス イヤー・オブ・ザ・ホース リミテッドエディション
昨年私が紹介したオリスのニュースのなかで、特に興味深かった開発のひとつは自社製Cal.113の待望の復活だった。これは10日間という驚異的なパワーリザーブを備えた大型で個性的なムーブメントで、ダイヤル外周に曜日、日付、月、そして52週目までのスケールを配したユニークな“ビジネスカレンダー”レイアウトが特徴だ。昨夏のCal.113はピンクとグリーンのビッグクラウンに搭載されて登場したが、今回の88本限定エディションでは中国で愛される赤色が採用されている。
43mmの大型ケースはビッグクラウンよりもややドレッシーで、ラグは細く、ベゼルやリューズも柔らかなフォルムになっている。ダイヤルはメイン部分の濃厚なマルーンから、グラデーションのインダイヤルに見られるより鮮やかで強烈な色合いまで、さまざまな赤のバリエーションで彩られている。愛らしいディテールとして、パワーリザーブ表示には2頭の小さな馬が描かれており、フル状態では1頭が颯爽と駆け、エンプティになるともう1頭が地面に伏して休んでいる様子が表現されている。
価格は125万9500円(税込)、詳細はオリス公式サイトから。
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ホース
カレラに旧正月のエッセンスを加えるとどうなるかなどと考えたこともなかったため、これに出会ったときは驚いた。正直なところ、この250本限定のモデルはかなり気に入っている。39mmのグラスボックスケースに収められたベースダイヤルは温かみのあるシャンパンカラーで、同じく温かみのあるローズゴールドプレートの針と調和している。一方でクロノグラフ秒針、30分積算計、そして9時位置の日付ディスクには燃えるような赤が配されている。
心憎い演出は日付ディスクそのものにあり、馬を意味する漢字の“马”がプリントされている。馬は十二支の7番目にあたるため、この文字は日付ディスクの7の代わりに配置されている。シースルーバックには競走馬(こちらもナンバー7)のデザインがプリントされており、午年との関連性がより明白に示されている。そのサファイアケースバックへのプリントは搭載されているCal.TH 20-07の視界を一部遮っており、個人的にはあまり好みではない。しかし、このグラスボックス カレラのダイヤルデザインは間違いなく私にとっての“勝者”だ。
価格は117万1500円(税込)、詳細はタグ・ホイヤー公式サイトから。
アーノルド&サン パーペチュアル ムーン 41.5 レッドゴールド “イヤー オブ ザ ホース”
“旧正月(Lunar New Year)”の名のとおり、月(Lunar)に焦点を当てたのが、アーノルド&サンのパーペチュアル ムーン “イヤー オブ ザ ホース”だ。今回紹介するなかでも特に大胆なメティエ・ダール作品のひとつであり、高度な工芸技術と伝統的なウォッチメイキングが融合した、わずか8本の限定モデルである。ここでも手彫りの馬のアプライドが見られるが、今回はその周囲がユニークだ。赤と黄色のスーパールミノバの斑点が装飾的な華やかさとして機能しており、その輝きはムーンフェイズと夜をイメージしたブラックアベンチュリンのダイヤルに見事にマッチしている。さらに華やかさを添えるため(断る理由もないだろう)、立体的な馬のモチーフは周囲に金粉がハンドペイントされている。
ダイヤル上の堂々たる馬のモチーフとバランスをとるように、大型のムーンフェイズ表示が配置されている。こちらもブラックアベンチュリンがベースだが、スーパールミノバが塗布された美しいマザーオブパールの月が配されており、この月のモチーフはケースバックにも続いている。自社製のCal.A&S1512には、調整用であるふたつ目のムーンフェイズ表示が備わっており、より正確にこのコンプリケーションをセットできるよう設計されている。
価格は7万9900ドル(日本円で約1220万円)、詳細はアーノルド&サン公式サイトから。
スウォッチ ライディング・ザ・クラウズ(Riding the Clouds)
手首で午年を祝う、よりスタイリングしやすい選択肢を探しているなら、スウォッチが毎年この時期に発表する遊び心あふれるデザインは外せない。今年はアーティストのユ・ウェンジ(Yu Wenjie)氏とタッグを組み、伝統的な巻物画にインスパイアされたデザインを完成させた。
そのアートワークはケースからストラップに至るまで、フロステッド加工が施された時計全体にあしらわれている。ダイヤル上では陰と陽を象徴する黒と白の2頭の馬が、描かれた雲の波のなかを疾走している。イエローゴールドトーンの針やリューズが全体をまとめ上げている。このエディションは、昨年の抽象的な“ゴールデン・レッド・バンブー(Golden Red Bamboo)”に比べるとかなり直接的な表現だが、それでもとても上品に仕上げられていると感じる。
価格は1万4850円(税込)、詳細はスウォッチ公式サイトから。
ブランパン ヴィルレ トラディショナル チャイニーズ カレンダー 2026
毎年楽しみにしているもうひとつのモデルが、ブランパンによる中国暦の解釈だ。これは時計業界でも比較的珍しいコンプリケーションであり、東洋の時間概念をグラフィカルに表現することに特化している。今年、ブランパンは初のサーモンカラーのグラン・フー エナメルダイヤルを発表した。18KWGのアプライド数字と、焼成前に描かれたダイヤル上のテキストが特徴だ。カレンダー表示用のブルースティール針が彩りを添える一方、メインの時・分針にはブランパンの象徴であるスケルトンのリーフ針が採用されている。
トラディショナル チャイニーズ カレンダー(および同ブランドのほかの多くのカレンダーウォッチ)の最大の利点は、ラグの裏側に配置された独自のコレクターだ。これにより、ミドルケースのデザインを損なう埋め込み式のプッシャーを必要とせず、指先だけですべての調整が可能になっている。何より素晴らしいのは、Cal.3638がブランドの言うところの“保護”機能を備えていることだ。私が言うところの“初心者でも安心”な仕様で、ムーブメントが破損の危険から守られている。ケースは直径45.2mm(読み間違いではない)という巨大なサイズで、重厚なプラチナ素材と相まって圧倒的な存在感を放っている。6桁ドルでこのサイズの時計を(欲しいと願う)50人のオーナーは最終的に見つかるだろうが、いつの日か、よりコンパクトな中国暦モデルが誕生することを密かに願っている。
価格は1344万2000円(税込)、詳細はブランパン公式サイトから。
ロンジン マスターコレクション イヤー・オブ・ザ・ホース
ロンジンの午年を祝う特別モデルはより控えめな(だが決して地味ではない)アプローチをとっており、2026本の限定モデルでありながらダイヤル上には馬のモチーフが一切見当たらない。しかしゴールドのインデックスと針、中央の鮮やかなチェリーレッドから外側に向かってブラックへと変化する明るいレッドのフュメダイヤルの組み合わせは実に華やかだ。このモデルはブランドのコレクションにおける定番であり、ムーンフェイズが日付リングに囲まれたレイアウトで、42mmのステンレススティール製ケースに収められている。ローターには駆ける馬と西暦が浮き彫りにされており、旧正月へオマージュを捧げている。しかしそれ以外に言及がないため、日常使いとしても十分に通用する。リストにあるほかのモデルと同様、オンラインでは完売しているが、店舗によっては在庫があるかもしれない。
価格は44万7700円(税込)、詳細はロンジン公式サイトから。
ウブロ スピリット オブ ビッグ・バン イヤーオブホース フロステッドカーボン
どんな場面でも華やかさを期待できるブランドといえば、やはりウブロだろう。しかし、今年の88本限定の午年エディションは意外にもトーンを抑えてきた印象だ。もちろん42mmのフロステッドカーボン製トノーケースは独特の質感を与えているが、ダイヤル上にあしらわれた馬のモチーフは驚くほど控えめである(昨年の辰年エディションを思い出すとなおさらだ)。遠目には過去のモデルよりシンプルに見えるかもしれないが、職人技は遺憾なく発揮されている。
一見するとダイヤル上にゴールドの馬のモチーフがあるだけに見えるが、近くで見るとその輪郭はゴールドプレートを施した真鍮のアプライドであり、その枠内にはより興味深いストーリーが隠されている。ウブロはここでカーボンマルケトリーを駆使しており、フォージドカーボンの断片をカットして配置し、すべて手作業で輪郭のなかに組み立てているのだ。これまで見てきた時計とは異なるアプローチのハンドクラフトだが、ブランドの美学にきわめてよく合致しており、オーナーだけが楽しめるような絶妙で控えめなディテールとなっている。
価格は512万6000円(税込)、詳細はウブロ公式サイトから。
ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン “ア・シークレット” エタニティエディション
今回のリストで少し異質なのがこのモデルだ。その理由は出来栄えではなく、これが新作でもなければ、そもそも旧正月のために構想されたものでもないにもかかわらず、私がこれまで見たなかで最も午年らしい時計だからだ。もし私が明日から映画『クレイジー・リッチ!(原題: Crazy Rich Asians)』の続編の小道具担当として働くことになったら、間違いなくこの時計を出演者の手首に着けさせるだろう。
火薬の匂いが漂ってきそうなほどの迫力だ。このモデルは、コンスタン・ジラール(Constant Girard)が1889年に発表した伝説的な懐中時計へのオマージュとして、2024年にリリースされた18本限定モデルである。象徴的なスリーブリッジトゥールビヨンを搭載したムーブメントを中心に、ケースとダイヤル全体に手彫りのエングレービングが施されている。2頭の馬がブリッジの一部を構成している。ギヨシェ装飾を手作業で施した赤いグラン・フー エナメルダイヤルは、旧正月のような雰囲気を醸し出している。最も感銘を受けたのは、ケース側面とケースバックに施されたシャンルヴェ エナメルだ。これらすべての作業に費やされた膨大な労働時間が、この目もくらむような価格設定につながっている。
価格は46万9000ドル(日本円で約7200万円)、詳細はジラール・ペルゴ公式サイトから。
ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・エナメル・ホース
もし私がこのラインナップのなかからどれでも1本買っていいという白紙の小切手をもらったら、10本限定のジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・エナメル・“ホース”を選ぶだろう。公平を期して言うならば、自分の干支である寅のモデルを手に入れるために数年前にタイムスリップさせてくれないかと丁寧にお願いするかもしれないが。いずれにせよ、ジャガー・ルクルトのこのモデルにおける手法は長年変わっていないが、それでもなお強烈な魅力を放っている。
ラグ・トゥ・ラグ45.6mm、厚さ9.73mmというきわめて着け心地がよい寸法もさることながら、このラインナップで群を抜いてエレガントな時計だ。深いブラックと、赤ではなく18KPGというタイムレスでドラマティックな組み合わせは見事なまでに美しく、両面ともにブラックの表面にはグラン・フー エナメルが施されている。ケースを反転させた裏面にはその深いブラックのなかに手彫りの馬のアプライドが浮かび上がり、レベルソの長方形のシルエットはこうした手仕事の逸品にとって最高の額縁となっている。次の寅年が来たら、早めにこれをウィッシュリストに加えることにしよう。
価格は要問い合わせ、詳細はジャガー・ルクルト公式サイトから。
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