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コロラド州ロッキー山脈の高地にひっそりと隠れるように、インディペンデンスパスから細く曲がりくねった二車線の道が続いている。木々のあいだを縫うように走るこの道は、いくつもの展望スポットを経由しながら、巨大な花崗岩の崖がローリングフォーク川の冷たい深淵へと落ち込む景観を抜け、理想郷のような町、アスペンへとたどり着く。この華やかな山岳リゾート地にて、アスペンウォッチウィークは今年も2年連続で開催された。
世界的に有名なアスペン・スキーリゾートの麓、石畳が続く街並みのなかで、数百人もの時計コレクターや愛好家たちが集まり、世界有数の時計の数々に見入るよう温かく迎えられた。
山から眺めたアスペンの街並み。
アスペンウォッチウィークは、オリバー・スミス・ジュエラーのエリザベス・スミス・フルバラ(Elizabeth Smith Hrubala)氏の主催により開催。十数を超えるブランドと複数のリテーラーがアスペン各地に集結し、200名以上の参加者を迎えた。地元コロラドの愛好家から、遠方から飛行機で駆けつけた熱心なコレクターまで、時計技術と山々への愛を共有する場となった。
アスペンウォッチウィークの2度目の開催について、主催者のエリザベス・スミス・フルバラ氏は次のように語った。「2年目となる今年のアスペンウォッチウィークはすべての期待を上回る結果となりました。アスペン中心部に16のブランドと200名以上の参加者が集まったのです」。イベントは、アスペンマウンテンの麓に位置するWホテルでのサンセット・カクテルで幕を開けた。ゲストはまずその美しい夕景のなかでゆったりと交流を深めながら、自然にイベントへと溶け込んだ(それと同時に標高の高さにも少しずつ身体を慣らした)。
翌朝、ブレモンの主催によるアスペン・マウンテンへの早朝ハイキングでイベントは賑やかに幕を開けた。参加者たちは、登山家でありアカデミー賞受賞の映像作家としても知られるブレモンのアンバサダー、ジミー・チン(Jimmy Chin)氏本人とともにハイキングを楽しんだ。もちろん、アスペンウォッチウィークの目的は時計とそのウォッチメイキングにあるのは言うまでもないが、それと同じくらい重要な要素として、この週末ではローリングフォークバレーが誇る豊かな自然美を堪能することが挙げられる。
週末のアスペンは、街中でのイベントやオープンハウスで賑わい、華やかな雰囲気が続いた。なかでも注目を集めたのは、A.ランゲ&ゾーネとオメガによるウォッチメイキングデモンストレーション、H.モーザーによって用意されたF1の“ホットラップ”を疑似体験できる没入型レーシングシミュレーター、そしてノルケインが主催する、オリンピアン、アレックス・フェレイラ(Alex Ferreira)氏とのピックルボールなど、多彩なプログラムであった。
アカデミー賞受賞映像作家ジミー・チン氏(中央)。エリザベス・スミス氏、ケント・フルバラ(Kent Hrubala)氏とともに。
今年のアスペンウォッチウィークが特別なものになったのは、参加ブランドの数が増えただけではない。各ブランドがこのイベントのためだけに希少な時計を持ち込み、それらが一堂に会したことも大きな要因であった。A.ランゲ&ゾーネ、オーデマ ピゲ、グラスヒュッテ・オリジナル、オメガといったブランドをはじめとする展示には、普段なかなか目にすることのできない傑作が登場した。
この週末で最も心温まった瞬間(私自身が、生まれ育ち、初めて高級時計の魅力に触れた場所に再び戻ってこられたという個人的な満足感を除いて)は、時計という情熱を通じて生まれるコミュニティとその共有する情熱との本物のつながりを目の当たりにできたことだ。というのも、コレクションの規模や経験にかかわらず、初めて時計の購入を考えている人も、すでに10本目を選んでいる人も、あるいは今回は見るだけという人も、そこには共通するものがあった。それは途方もなく非実用的で、だからこそ魅力的な情熱を誰かと分かち合うことの喜びにほかならない。
もちろん時計の販売は重要である。とりわけアスペンのようにアクセスが難しく、滞在費も高額な場所で開催されるイベントにおいてはなおさらだ。しかしながらこうしたイベントの真の意義は、コミュニティが集まり、互いに時計への愛と情熱を共有できる場が生まれることである。また、ブランドがこのイベントのためだけに持ち込んだ希少で特別な時計の数々を、間近で体験できる機会が提供されていることである。
貴重なポルシェデザイン P6600 クロノグラフ。
2年目となるアスペンウォッチウィークは、初開催時と比べて規模が大幅に拡大した。スポンサーとして参加するブランド、ゲスト数、実施されたアクティビティも大きく増加したが、これは時計コミュニティが今後迎える未来のほんの序章かもしれない。1年目から2年目にかけての成長は、業界からの支援が増したことだけでなく、アスペンのアウトドア文化と時計への情熱の融合のさせかたへの理解が深まった証でもあった。
「このイベントが、アスペン本来の楽しさ、つながり、包摂性、そして私たちが取り組むことへの共通の情熱といったスピリットとコレクターコミュニティの精神を反映できたことを誇りに思います」と、エリザベス・スミス・フルバラ氏は振り返る。「今後も毎年恒例のイベントとして定着させていきたいと考えており、ご来場の皆さまやパートナー企業からのフィードバックを取り入れながら、年を追うごとにさらによいものへと進化させていきます。アスペンウォッチウィークを、アメリカにおけるラグジュアリーウォッチイベントの代表格へと育てていきたいですね」
以下では週末のイベントの様子や、そこで披露された素晴らしい時計の数々をご覧いただきたい。
パテック フィリップ ノーチラス。ここはやはりアスペンである。
カシオ G-SHOCK GBM-2100。
ジェラルド・チャールズ マエストロ GC スポーツ テニス。
オメガ、オリバー・スミス・ジュエラーズにてムーブメント技術を披露。
人目を引くユリス・ナルダン エグゼクティブ トゥールビヨン。
フランソワ=グザヴィエ・オティエ(Francois-Xavier Hotier)氏(ユリス・ナルダンアメリカ社長)、ベッタリッジにて。
さりげなく映えるペプシのアクセント。
ユリス・ナルダンのダイバーズウォッチ。
H.モーザー主催、レーシングシミュレーター内部の様子。
チューダー ブラックベイ クロノ S&G。
モダンなIWC インヂュニア。
鮮やかなオメガ アクアテラ。
思わぬ登場を果たした、とびきり特別なスピードマスター。
ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショック・アブソーバー XPL“Toto Wolff X MERCEDES-AMG PETRONAS FORMULA ONE™ TEAM”。
A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1・タイムゾーン
滅多にお目にかかれない、ベル&ロス BR-03 アストロ。
ソリッドゴールドのスピーディはもはや説明不要。
オーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ。
A.ランゲ&ゾーネ アメリカ社長のシャルル・ラングロワ(Charles Langlois)氏が、次世代の時計愛好家たちにドイツの時計技術の魅力を紹介している。
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク クロノグラフ。
まだビニールに包まれたままの特別なランゲ。
IWC ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー。
マテリアルグッドのヨニ・ベン=イェフダ(Yoni Ben-Yehuda)氏が、オーデマ ピゲ ブティックにて、小売業者やブランドとの関係構築について語った。
パテック フィリップ 5146 アニュアルカレンダー。
メリディアン ジュエラーズとアスペンのA.ランゲ&ゾーネ ブティックに所属するケニー・スミス(Kenny Smith)氏。
オリンピアン、アレックス・フェレイラ氏の数々のメダル。
グラスヒュッテ・オリジナル セブンティーズ・クロノグラフ。
鮮やかなゼニス クロノグラフ。
A.ランゲ&ゾーネの時計師、ベルント・シュナイダー(Bernd Schneider)氏。
レインボー!
グラスヒュッテ・オリジナル アルフレッド・ヘルヴィグ トゥールビヨン 1920 - リミテッド・エディション。非常に特別な1本だ。
ヴィンテージのオメガ シーマスター。
迫力満点のオーデマ ピゲ ロイヤル オーク オフショア ダイバー。
アスペンはウィンタースポーツで知られているが、夏のあいだも活気とエネルギーに満ちている。
ブレモンが協賛する初のスピーカーシリーズ・パネルで、私がモデレーターを務めた様子。Photo courtesy of Oliver Smith Jewelers
Photos by Troy Barmore
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