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Photo Report HODINKEE Magazine Japan Edition, Vol.10 発売記念イベント

NAOYA HIDA & Co.の飛田直哉氏を迎えたトークセッションのほか、マツダ コスモスポーツの試作車や7本のパーペチュアルカレンダーモデルが展示されるなど、特別な一夜となった。

2025年7月25日(金)の夜、HODINKEE Magazine Japan Edition,Vol.10の発売記念イベントを開催。マツダと誌面でコラボレーションを果たしたという縁もあり、東京・南青山にあるMAZDA TRANS AOYAMAが会場に選ばれた。なお、Vol.10ではオーデマ ピゲのロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー 18Kサンドゴールドモデルが通常版の、マツダ コスモスポーツの試作車が特別版の表紙を飾っている(通常版と特別版は表紙のみ異なり、内容はすべて同一)。

 会場に足を踏み入れて出迎えてくれたのは、かつて夢の技術とされた“ロータリーエンジン”を搭載したマツダ コスモスポーツの試作車。さらにメイン会場となる2階には、パーペチュアルカレンダー(以降QP)を搭載した時計7本がずらりと並び、希少な時計の実機が一堂に会した。なお、この日のトークセッションのゲストには、2025年に自身のブランドで初となるQPモデルを発表したNAOYA HIDA & Co.の創業者・飛田直哉氏をお招きした。

会場となった東京・南青山にあるMAZDA TRANS AOYAMA。Courtesy of Mazda

現存する1966年製 マツダ コスモスポーツの試作車。1967年の発売を前に、社外委託実験のため全国に配られた試作車のうちの1台で、現車は兵庫県の六甲や名神道をテスト走行したという。

 この日、HODINKEE Japan編集長・関口と飛田氏によるトークセッションのテーマはVol.10の誌面でも大きく取り上げ、会場にも展示がなされたQPについて。まずは“国産QPの製作”という長年の悲願を成し遂げた飛田氏により、その心境と完成までの過程が語られた。

 飛田氏は、時計業界でのキャリアを時計輸入会社にてスタートし、90~94年にはオーデマ ピゲやジャガー・ルクルト、94年からはヴァシュロン・コンスタンタンやブレゲ、エベルといった名門ブランドを担当してきた時計業界の重鎮だ。この世界へ足を踏み入れてからずっと自動巻きのQPに惚れこみ、いつか手にしたいと思い続けてきたそうだ。そんなQPは欧州において、1978年のオーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーが契機であったかのように、80年代半ばから後半にかけて各社で開発が進行。90年代には多くのブランドから豊富なバリエーションが登場した。一方で、その様子を業界から実見していた飛田氏には、日本でのQP開発が進んでいないように感じられ、いつか国産QPをつくりたいと思うようになったという。そして実際に国産QPを製造するにあたっては、数々の困難に直面したと語る。もちろん、手彫りのエングレービングによって、年月日と多くの要素を表示するQPのダイヤルを実現するのは非常に手間と労力を要するものだったが、本対談ではそれとは別に、新たに困難を伴った出来事としてムーブメントに関する興味深いエピソードも明かされた。NH TYPE6Aに搭載されているのは、複雑機構の名門デュボア・デプラと、オーストリアのインディペンデントブランド、ハブリング²との協業で完成させたムーブメント。だが、彼らの協力を得るのは決してひと筋縄ではいかなかったようだ。今回は、同ブランドと関わりの深い人物の紹介を得てようやく、思いを届ける扉が開かれたということだった。

 また、2025年に示し合わせたようにQPが各社からリリースされていること、豊富な経験を礎として生み出されたNAOYA HIDA & Co. NH TYPE6Aの美学についても話が及び、対談はおよそ30分にわたって行われた。長年業界を見続けてきた賢人の口から紡がれる貴重なストーリーに、会場の皆が静かに耳を傾けていた。

NAOYA HIDA & Co.の創業者である飛田直哉氏。今回発表されたNH TYPE 6Aはブランドにとって6シリーズ目となるモデルだ。なお、すでに飛田氏の頭のなかにはTYPE 65までのアイデアがあるそう。

 トークセッションのあとは、歓談の時間に。うれしいことに、これまでのHODINKEEイベントに足を運んできた人々に加え、初参加者の姿も多く見られた。来場者は各所で年齢や性別の垣根を越えて腕時計へのこだわりについて語り合い、会場は終始活気に満ちていた。そこに華を添えてくれたのが、イベント協賛のモエ・エ・シャンドンによるモエ アンペリアル。フルーティで華やかな味わいが楽しめるシャンパンをきっかけに、愛好家の輪が自然と広がっていく様子が、会場のあちらこちらで見られた。

来場者にはモエ アンペリアルが振舞われた。

 この日は時計を展示していた7ブランドの担当者も駆けつけ、実機を前にそれぞれの時計の詳細や魅力を来場者に解説。訪れた人たちはその精緻な機構や造形美を間近で堪能していた。2025年は、QPが腕時計に初搭載されてから100年の節目にあたる。飛田氏がトークセッションのなかで触れていたが、特に示し合わせたわけでもないはずなのに、今年はQPが大きな盛り上がりを見せているのだ。


当日展示された7本のパーペチュアルカレンダー

 50名を超える来場者が集まったこの日は、時計愛好家たちのこだわりが詰まったさまざまな時計が一堂に会していた。当日の様子を、リストショットをとおしてお届けしよう。

 Vol.10での特集内容やイベントのテーマに合わせて、QPウォッチを着用している姿も多く見られた。以下では、クラシカルでドレッシーなリストショットを集めてみたので、細やかな違いをぜひ見比べて楽しんで欲しい。

パテック フィリップのパーペチュアルカレンダー Ref.3940、年代・素材別の3本が集結した。

 一方で、男らしくスポーティなリストショットもご紹介しよう。

雑誌をじっくりと読み込む姿からも、時計への興味と熱量が伝わってくる。

夫婦で来場された方も!

当時“夢のエンジン”とうたわれたロータリーエンジンを搭載したマツダ コスモスポーツ。革新的な構造と小型・軽量という特性は、エンジン設計の可能性を拡げるとともに、自動車産業において躍進する日本の姿を世界に示した。詳しいストーリーは、Vol.10の特集をチェック。

会場協力:MAZDA TRANS AOYAMA

住所:東京都港区南青山5丁目6-19
Tel:03-6450-6691
その他、詳細はMAZDA TRANS AOYAMA公式サイトへ。


協賛:モエ・エ・シャンドン
この日提供されたモエ・エ・シャンドン モエ アンペリアルについての詳細はモエ・エ・シャンドン公式サイトへ。


Photos by Keita Takahashi