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正確に計算したわけではないが、HODINKEEに掲載されている時計の平均価格は、たしかに「かなり高いもの」と「どうやったらそんなにお金を持っているの?」というものの中間に位置する。実際のところ、ほとんどの愛好家(というか、ほとんどの時計ライター)は、そのような価格の時計を購入することはない。そこで我々は平等主義の精神に基づき、ある実験を行った。もし、それぞれが100ドルの予算で最もクールな時計を買うとしたら何を買うか? ということだ。そして実際にそれを実行した結果は、以下のとおりである。
オリエント スリースター オートマティック グラデーションブラウンダイヤル
私が時計の世界に入ったばかりのころ、本物のブランド、本物の歴史を持つ時計を手に入れようと思ったら、それはセイコーであり、そのなかでもセイコー5が定番だった。ジェームズ・ステイシー(James Stacey)が、このシリーズはこのような挑戦のための「チートコードのようなもの」だと書いているが、そのとおり。セイコー 5と多くのバリエーションは、当時も今も強力なライバルだ。ただし、現代のセイコーにとってのセイコー 5は、SKX007のような生産終了したダイバーズモデルのスタイルを引き継いだセイコー 5 スポーツコレクションを意味することが多い。しかし、私の頭のなかにはもうひとつのブランドがあった。かつてフラットアイアン地区のブロードウェイの下に並んでいた、卸売りと小売りのハイブリッドなジュエリー&アクセサリーショップでよく見かけたオリエントだ。
今回のチャレンジに際してAmazonで探してみたところ、驚くほどハンサムなオリエントのスリースター オートマティックを見つけた。ブラウンのグラデーションダイヤルにジュネーブストライプが施されており、とてもクールだ。ストライプの色が変化していく様子はとても目を引くが、派手すぎず、かつてセイコー 5の代名詞であった気取らない魅力と(このスタイルが好きな人には)非常にお得な価格設定がなされている。もちろん、今やオリエントの時計はセイコーの時計であり、少なくともセイコーエプソンの時計である。オリエントは1950年に独立した会社としてスタートしたが、2009年にエプソンの子会社となり、2017年には完全にエプソンに統合された。私のスリースターは実際に裏蓋に“エプソン”と書かれており、ムーブメントは秋田県湯沢市にある秋田エプソンで自社製造されている。驚くほどしなやかな5連のブレスレットとフリプロッククラスプを備えたこのモデルは90ドル以下で購入できる。
–ジャック・フォースター(Jack Forster)
オリエント FAB0000DU メンズ スリースター ステンレススティール ブラウンダイヤル デイデイト オートマティックウォッチ
ブレダ ヴァージル
ブレダの時計を試すのを楽しみにしていた。友人にブランドの感想を聞かれたが、大金を払う前に普段から時計をつけてみたいというおしゃれな女性にすすめられるような時計だと期待していた。また、HODINKEEがまだ扱っていない時計で価値ある体験ができたら、どんなにいいだろうと考えていた。何といっても究極のモールウォッチを擁するJ.クルー(J.Crew)傘下のメイドウェル(Madewell)で販売されているのだ。しかし私は間違っていた。バーガンディとローズゴールドプレートのヴァージルを見つけた途端、「タンク マスト」をスターターにしたいという私の夢は、ミニバンの上に忘れられたコーヒーカップよりも早く窓から消えてしまった。レザーストラップは猫の舌のようなバターのような質感。ダイヤルは乾いた血のような色をしていました。恥ずかしくて家の外では身につけられないため、旅行中の数日間はタンスの上に置いておき、家に帰ってからまた見直そうと思っていたのですが……何というか、第一印象が本当に正しいことがあるのだ。このブランドにはほかにもたくさんのモデルがあるが、そのなかにも素敵なものがあるかもしれない。この作品については実際のヴァージルの言葉を借りれば「経験者を信じなさい」だ。
–デイジー・アリオト(Daisy Alioto)
G-SHOCK DW5600E-1V
100ドル以下の時計? 選択肢はたくさんあるが、私はいいもの、最高のものを手に入れたいと考えていた。正直に言うと、セイコー 5やオリエントの自動巻きなどが頭に浮かんだが、この価格帯で機械式時計を手に入れるのはクールだが、精度に関しては失望するだろうと思っていた(これはこれらの選択をした同僚を軽視しているわけではないが……どうだろう?)。最終的に私は大物を諦め、初めてのG-SHOCK、クラシックなDW5600Eを手に入れた。カシオとカシオのG-SHOCKを並べるのは、厳密にはルール違反なのだが、両者は別世界のものと考えていいだろう。このモデルは、現在販売されているG-SHOCKのなかで、最も原型に近いモデルだ。以前から買おうと思っていたのだが、この機会を逃すとなかなか買えないと思っていた。正直なところ、価格には驚かされた。多くの人がお気に入りの時計と考えているものを手に入れるのに、どれほどの費用が必要なのか。カシオのサイトでは70ドル弱、私はアマゾンで45ドルほどで購入した。この時計はあらゆるストレステストを受けて生き残ったものだ。NASAの宇宙旅行認定も受けている。それが100ドル以下、いや50ドル以下で手に入る。これはいつか月に行くかもしれないが、今は手にできたことがうれしくてたまらない。
–ダニー・ミルトン(Danny Milton)
ベルトゥッチ DX3 フィールド
コレクターのなかには5桁、6桁の金額で活動している人もいる。私には到底無理かもしれない。でも2桁は? 2桁なら可能だ。私のコレクションには一般的なメーカーの“手ごろな価格”のものがたくさんある。タイメックス、スウォッチ、G-SHOCK、カシオの時計を持っており、まだ発見していないクールなバリエーションを常に探している。しかし、今回の記事ではこれまでとは違った方法で、私の個人的な時計コレクションのなかで、新しくて斬新なものを紹介したいと思う。週末にインターネットで100ドル以下の時計を探し回った結果、私は初めてベルトゥッチを手に入れたが、これがなかなかおもしろい。この40mmのクォーツフィールドウォッチは暗闇で光る樹脂製ケースと固定式のバー、そして暗闇で光る引き通しのキャンバスストラップを備えている。85ドルという価格は腕につけているだけで楽しい気分にさせてくれる。そして何より、もし私がこの時計に飽きたら若いコレクターに手わたして、時計への彼らの愛に火をつけるのに最適なアイテムになるはずだ。真面目な話、暗闇で光るものを嫌いな人はいないだろう?
–ローガン・ベイカー(Logan Baker)
セイコー 5 SNK803
セイコー 5のSNK80Xは、このような挑戦のためのチートコードのようなものだ。公式には最新のセイコー 5に取って代わられているが、SNK803(またはいくつかの兄弟機)はネット上で100ドル以下(ギリギリだが)で比較的簡単に見つけることができる。僕のクルマのガソリン代と同じくらいの金額で、37mmのスティール製のセイコーにシンプルで安定した自動巻きムーブメント(Cal.7S26)と30mの防水性を備え、パイロットウォッチとフィールドウォッチの両方の要素を融合させた読みやすくて魅力的なパッケージを手に入れることができ、想像以上に腕になじむ。100ドルで購入できるのはとても魅力的だ。150ドルでも十分お買い得だと思う。SNK803は、ラグtoラグで42.5mm、厚さ10mm、シースルーバックを含めて、マッチしたタンカラーのキャンバスストラップが付属している(この価格では想像以上にすてきだ)。また、マットブラスト仕上げのケースとタンカラーダイヤルとの相性もよく、カジュアルでツールウォッチ的な雰囲気を醸し出している。この地味で小さなセイコーは、真の愛好家の魅力を損なうことなく、初めて時計を手にする人にも親しみやすいものだ。SKX007が500ドル以上の価格で販売されている現在、SNK803はこれまでになく魅力的なモデルだ。
–ジェームズ・ステイシー(James Stacey)
タイメックス×トッドスナイダー カラーブロックミラノ ブラック/ターコイズ
タイメックスとトッドスナイダーは、34mmの手巻きで復活したドレスコレクションのマーリンや、カラフルでクラシカルな38mmのミラノ(ストラップ交換が簡単なクイックリリース付き)など、長年にわたって多くのコラボレーションを行ってきた。アメリカを代表する時計ブランドとのコラボレーションにより、現代のメンズウェア界の巨人が提案するドレスとカジュアルのハイブリッドモデルが70ドル前後で手に入る。
–トレバー・ギリーランド(Trevor Gilliland)
スプリングブレイクウォッチズ(SPGBK) ドッグウッド
黒人が経営する時計ブランドはいくつかあるが、主に300ドル台のファッションウォッチブランドが多い。SPGBKでは、さまざまな色の時計をより安価に提供している。たとえデザインが普段の私の好みよりも少し道具っぽいものであってもミントがかったグリーン(それにトレンドのうちにグリーンの時計を買わなくては)が好きなためドッグウッドを購入した。着用後の感想は「うん、まさに時計だ」。何か特別なことをしているわけでもなく、特別な感じもしないが、この価格であれば問題ない。この独特の色が気に入っているし、今後もこの色に近いものをコレクションに加えることはないだろうから、ローテーションに入れておくのはいいことだと思っている。
–ノラ・テイラー(Nora Taylor)
ラケタ ビッグゼロ
会社のお金を100ドル使って何を買おうかというハチャメチャなアイデアは、私がEtsyという別世界に深く入り込んで、このすばらしいヴィンテージのラケタを手にした後に思いついたものだ。だから、自分で決めたルールでズルをして18ドルもオーバーしたことを許してほしい。それよりも、もしあなたがこの商品に付いていたソ連の最も悲しい牛から採取されたと思われる悲惨な「レザー」ストラップを見ていたら、なぜ私がこのハンサムなレーシングストライプのNATOストラップに29.65ドルを追加してしまったのかがわかるだろう。安物買いの銭失いとはこのことだ。しかし、私はこの時計が大好きで楽しく感じているのだ。12の位置にある巨大な“0”の数字が気に入っている。また、この時計はシースルーバック仕様で、誰もがこの最高級のムーブメントをじっくりと見たいと思うようになっている。この記事を読むころには、親指と人差し指の間でリューズが折れているかもしれない。それはそれでいい。時計でも人生でも、何か馬鹿なことをするにはそれなりの理由が必要なのだ。
–ニック・マリノ(Nick Marino)
ウィジングス アクティビテ
正直に言うと、過去5年間の私のメインウォッチはフィットビットだった。だから、ウィジングスのことを聞いたときは注目した。洗練されたエレガントなデザインで、歩数や睡眠を記録できるアクティビティトラッカーが手に入る? しかも、75ドル以下で? 買うに決まっている! この会社はより多くの機能を備えた高価なモデルを製造しているが(100ドル以下のモデルもある)、私はオンラインで見つけた旧モデルのひとつ、ウィジングス アクティビテ スティールというアクティビティトラッカーのシンプルさが気に入った。アクティビテはパリでデザインされ、スイスで製造されている(新しいモデルはフランスで製造されている)。36.3mmのSSケースにはクォーツムーブメントが搭載されており、Health Mateアプリと同期することで自動的に現地時間に合わせてくれる。このアプリはスマートフォンにダウンロードすることができ、ウォーキング、ランニング、スイミング(50m防水)などの動きや消費カロリーを記録するほか、睡眠サイクルをモニターすることもできる。さらにインダイヤルで簡単に進捗状況を確認できることや、充電不要(交換可能なバッテリーで動作)であることなど、今のところ私は非常に満足だ! あとは、もっと歩数を増やすことだ…。
–ローリー・スピローグ(Laurie Sprague)
ボストーク コマンダスキー SU-35 フランカーファイター コマンダー ルシアン エアフォース
サンダーバードのために作られたロレックスのターノグラフやIWCのパイロット・ウォッチ・クロノグラフ “ブルーエンジェルス®”のようにダイヤルにエンブレムをあしらったものもあり、ブレモンのミリタリーモデルのなかには飛行機の小さな設計図をあしらったものもある。しかし、ロシアの戦闘機SU-35に敬意を表して作られたこの特別仕様のコマンダスキーほど、ダイヤルに飛行機を前面に押し出した時計はほかにないのではないだろうか。SU-35はとんでもない飛行機で、アメリカ空軍が保有するあらゆる戦闘機に匹敵する性能を持ち、運用コストもはるかに低いのだ。多くのボストークに似ている。どちらも尊重しなければならないが、いつもなら100ドル前後のセイコーのダイバーズを選ぶのだが、セイコーがそんな値段で売られていた時代はもう過去のものになりつつあり、いっそのこと普通ではないものを選んでみようと思ったのだ。最初は日本製のものを探していたのだが、結果的にはロシア製のものになった。
–コール・ペニントン(Cole Pennington)
ボストーク コマンダスキー SU-35 フランカーファイター コマンダー ルシアン エアフォース、Amazonで55ドル
カシオ A159WGEA-1MV
100ドル以下の時計を探すとき、私が最初に考えたのはファッショナブルでなければならないということだった。私が選んだのは昔ながらのゴールドカラーのカシオで、ストラップは誰の手首にも合わせられるようになっているがメンズウォッチと書かれている。これは少なくとも私にとっては大きなプラスだ。この時計はドレスアップしても完全にドレスダウンしても十分に使いこなすことができる。このヴィンテージスタイルのカシオは目覚まし時計、暗闇でも表示を確認できるライト、そして防水性を備えている。しかも時間がわかるのだ。予算的にはこれ以上は望めないだろう。
–ティファニー・ウェイド(Tiffany Wade)