trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Watch It ロレックス ディープシー、パリセーズ山火事で損傷した個体をWristwatch Revivalが蘇らせる

1時間におよぶこの動画では、住宅火災の焼け跡から引き上げられほとんど原形をとどめていなかったロレックスのダイバーズウォッチが、数カ月をかけて修復されていく過程を追っている。

僕のお気に入りのYouTubeチャンネルのひとつであるWristwatch Revivalが先日、カリフォルニアで発生した山火事によって焼失した住宅の残骸から回収されたロレックス ディープシーの大規模なレストアを追った、非常に引き込まれる動画を公開した。動画は1時間を超える長さだが、レストア前の時計の状態を目にした瞬間(まさに地獄をくぐり抜けてきたかのような有り様であった)、僕たちは最後まで観ずにはいられないはずである。番組のホストであり時計師でもあるマーシャル氏が、このロレックスを再び命ある存在へと蘇らせるまでの全工程をていねいに解説していく。この作業は、彼の話によれば今年の春から取り組んできたプロジェクトであるという。

 この時計のオーナーは音楽業界のプロフェッショナルで、2015年に新品としてこの時計を手に入れて以来、日常的に着用してきたという。贈り主は著名な作曲家ハンス・ジマー(Hans Zimmer)氏であった。火災によって自宅が全焼した際、この時計も失われたものと思われていたが、瓦礫のなかから回収されたことで再び姿を現すこととなった。

 作業台に載せた時点で、損傷の深刻さは明らかになる。シードゥエラーのケースとブレスレットは構造的には生き残っていたものの、ムーブメントは事実上溶けてしまっていた。さらに詳しく確認すると、ガスケットは灰と化し、ネジは粉塵となって崩れ、ブリッジはわずかな力を加えただけで砕け散った。テンプとキーレス機構は互いに溶着してしまっていた。巻真はケースに異常なほど強く固着しており、これを取り外すため、彼は文字どおり崩壊したムーブメントを削り進めるようにして掘り起こさざるを得なかったという。サファイアクリスタルは失われて文字盤と針は焼け焦げ、オリジナルのムーブメントを“修復”するという選択肢は完全に消え去っていた。

 マーシャル氏は、現実的な選択肢は残されたパーツのうち救えるものを可能な限り残す方法しかないと判断した。すなわち、ステンレススティール製ケース、チタン製裏蓋リング、リングロックシステム、そしてブレスレットは生かしつつ、ムーブメント、文字盤、針、風防、ベゼル、ガスケット類については、セカンダリーマーケットから正しいパーツを入手して交換するという選択である。その過程で彼は、火災によるダメージへのささやかな敬意も含め、時計の歴史をできる限り残すことを意識している。

a burnt rolex
a burnt rolex
a burnt rolex

 Wristwatch Revivalは以前から必ずチェックすべきチャンネルであり、この動画は、ハイスペックなロレックスとしての価値以上に、時計が持つセンチメンタルな価値に重きを置いた、オーナーの思いに寄り添うレストアを際立たせている。屈強なダイバーズウォッチであり、その背景にある物語も同じくらい濃密な1本がここまで生まれ変わったことは見事というほかない。僕としては、この時計がこれからも長い年月にわたって、再びオーナーの腕元で時を刻み続けてくれることを願っている。

本記事内のすべての画像は、Wristwatch Revivalの許可を得たうえで、リンク先/埋め込み動画からキャプチャしたものです。