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Introducing オリス アクイスデイト キャリバー400 2020年新作

新しい自社製自動巻きムーブメント、Cal.400を搭載したファーストモデルがついに登場。

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クイック解説

 先日発表された、オリスの新しい自社製自動巻きムーブメント、Cal.400を搭載した最初のモデルがついに発表された。Cal.400の最大の特徴は、アンクルとガンギ車にシリコンを使用するほか、他の30以上のパーツにも非スティール、および耐磁性加工を行うことで、2250ガウスの磁気にさらされた後でも、日差10秒以内というISO764(耐磁時計に関する国際規格)の基準を大幅に上回る性能を実現している点だ。これは、本作が提示する10年保証(オーバホール推奨期間も10年)が実現できた理由の1つにもなっている。

 なお、Cal.400の特徴については、詳細をまとめた記事を先日公開しているので、合わせてこちらの記事もご覧いただきたい。

 さて、記念すべきファーストモデルに選ばれたのは、オリスの数あるコレクションの中で、現在最も高い人気を得ているアクイスコレクションだ。ダイバーの意見や広範囲に及ぶ研究に基づいて誕生したコレクションで、高い機能性はもちろんのこと、デザインにおいても洗練された雰囲気を提供。ダイビングのみならず、日常使いにおいても快適に着けることができるモデルだ。

 一見する限り、Cal.400を搭載する新しいアクイスデイトは、従来のモデルとほぼ同じように見えるが、もちろん違う点はいくつかある。

 まず、光沢のあるブルーのサンレイダイヤルにある“5 DAYS”の文字。もちろん、これは5日間のパワーリザーブを実現した、Cal.400を搭載することの証の1つである。
 また、トランスパレントバックのサファイアガラスは、アクイスデイトでは最大サイズで、ムーブメントがしっかりと見えるにもかかわらず、30気圧(300m)という優れた防水性能を確保。そして、逆回転防止ベゼルのトップリング部分には傷に強いセラミックがインサートされており、針とインデックスにはブルーに発光するスーパールミノバが施されている。

 そして、従来のアクイスと大きく異なるのが、オリスの新しい特許であるクイックストラップチェンジシステムの採用だ。特別なツールや技術は必要とせず、ブレスレットやストラップが、フラップの開閉により簡単に取り換えられる機構である。端的に言えば、ツールウォッチとしてのスペックを実現しながら、日常的にも扱いやすいモデルであることを示したものだ。

 ダイヤルバリエーションはブルーのサンレイダイヤル仕様のみだが、33万円のラバーストラップ仕様と、34万円のブレスレット仕様を選ぶことができる(全て税抜)。
 なお、カスターマーサービスの1つであるMyOrisに登録することで、時計とムーブメント共に、品質保証期間が10年に延長される。

ファースト・インプレッション

 かつて(設計の古いエボーシュは今でもそうだが)機械式ムーブメントのパワーリザーブは38〜42時間が標準だった。しかし、ここ数年来の傾向として、ロングパワーリザーブ化を図ったモデルがいくつも登場するようになった。

 おおむね、金曜の夜に外して月曜の朝に再び着けるというサイクルを想定して、月曜の朝まで主ゼンマイが巻かれなくても止まらないという条件を満たす、72時間、つまり3日間のパワーリザーブを確保するモデルが、現代の機械式時計におけるスタンダードになりつつある。

 以前は、こうしたロングパワーリザーブモデルは100万円以上の価格帯にあるような高級時計が主流だったが、今では、比較的値頃な価格帯のモデルでも増えつつある。
 だが、オリスの新作アクイスデイト キャリバー400のように、5日間ものパワーリザーブを確保したモデルは、まだまだ珍しい存在だ。加えて、本作のような30万円台の手の届きやすい価格となると、なおさらである。

 ライバルとなり得るのは、ボーム&メルシエのボーマティック(33万円)くらいではなかろうか。ボーマティックも同じように5日間パワーリザーブを確保しているほか、高い耐磁性能(1500ガウス)を備えている。
 ちなみに、日本に輸入代理店をもたない、未上陸のブランドに選択肢を広げても、5日間パワーリザーブを確保したものは、クリストファーウォード(Christopher Ward)の自動巻きCal.SH21を搭載した最も安価なモデルが1695ドル(約17万7000円)、オフィオン(Ophion Watches)が手がける、MHVJグループとソプロッド(Soprod)が開発した手巻きムーブメントを搭載したモデルで2580ユーロ(約31万7000円)と、数えるほどしかない。

 また、ユーザーの1アクション(MyOrisへの登録)を必要とするが、アクイスデイト キャリバー400は、時計とムーブメント共に品質保証期間が10年間に延長されるという強力なアドバンテージをもつ。加えて、Cal.400の推奨オーバーホール期間は10年。つまり、10年間はオーバーホールなどメンテナンスに出さなくとも使えることをブランド側が魅力として打ち出している。これは時計業界を見渡して見ても、極めて珍しいことである。

 スペック上はもちろん、保証体制においても、実際に時計を着けること、そして一部の富裕層だけでなく、多くの人に手にしてもらうことを目指した本作は、時計好きにとって魅力的な選択肢の1つになることは間違いないだろう。

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基本情報

ブランド: オリス(Oris)
モデル名: アクイスデイト キャリバー400(Oris Aquis Date Cal.400)
型番: Ref.400 7763 4135-8 24 09PEB

直径: 43.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブルーグラデーション
インデックス: アプライド
夜光: あり。時・分・秒針とインデックスにスーパールミノバ
防水性能: 30気圧(300m)
ストラップ/ブレスレット: ブラックラバーストラップ、またはSSブレスレット。エクステンション付きフォールディングバックル、クイックストラップチェンジ


ムーブメント情報

キャリバー: Oris Cal.400
機能: 時・分表示、センターセコンド、6時位置にデイト表示、クイックデイトチェンジ、ストップセコンド
直径: 30mm
パワーリザーブ: 120時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21石
追加情報: 高耐磁性、クロノメーターではないが、精度-3~+5秒/日(COSC基準範囲内)


価格・発売時期

価格: 33万円(ラバーストラップ)、34万円(ブレスレット)、全て税抜。
販売時期: 2020年11月
限定: 通常ライン

詳細は、オリス公式サイトをクリック。

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この価格帯でこの名機を生み出せたのは、独立系として自由な発想が出来たからでしょうね。搭載機のデザインを既存機からほぼ変えなかったことには少し疑問が残りますが…。とはいえ、素晴らしいキャリバーだと思います。

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H
承認待ち

僕もせっかく自社製キャリバーを作ったのだから新たなデザイン要素(文字盤色の変更などだけでなく)を取り入れても良かったのではと思いました。ただ既存モデルから変えなかったことで、既存との差別化部分が明確になり、よりムーブメントへの注目が集まったのかもしれないなとも思いました。今後の展開がとても楽しみですよね!

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