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三年ほど前、ジャック( JACK FORSTER)が彼の記事で、あのお手頃ダイバーズウォッチを紹介しました――セイコーSKX007です。セール時200ドル(約2万円)をはるかに下回る価格で、頑丈な作りでクラシックなスタイリング、そして時計の背景にあるストーリー。三拍子揃って誰にとっても申し分ない時計かもしれませんが、僕にはちょっと違いました。
SKX007は本当にとても好きな時計です。けれど42㎜のケースサイズは細腕の僕にとっては大きすぎて、場違い感すら感じた時計でもありました。それでもつい最近までは、世界中のどこを探し求めても、セイコーダイバーズのようなコスパ時計に出会うことはできないだろうなと考えていました。幸いなことに同僚のジェームス・ステーシー(JAMES STACEY)のおかげで、願いが叶うというか、SKX013という「ミニ」セイコーダイバーズに出会うことができたわけです。
SKX013は、兄貴分のSKX007を写し取ったかのようにそっくりで、腕に乗せないまま、ぱっと見ただけでは見分けがつかないかもしれません。とはいえ、SKX013は、小さめのケース径37mmに厚さ13mmという仕様です。これらを比較するとケースの厚さは同じであるものの、ケース径は5mm小さいサイズです。これは非常に大きなポイントでした。
さらによく見れば、細部の違いに気付きます。同じムーブメント(自動巻きキャリバー7S26)を使っているとはいえ、時計の要素の配置がそっくりというわけではありません。全体のバランスからいうと、素直にSKX013よりSKX007のほうが良いです。
SKX013の場合、ケースが小さくなる分、厚みを余計に感じることがあるからです。ダイヤルの余白が減らされて、ゆえにデイデイト表示がミニッツトラックに少々食い込んでしまっています――多くの人にとって5000ドル(約50万)台の腕時計では気にさわるポイントかもしれませんが、この時計なら少しの妥協として納得できるポイントではあります。
ですが、この2本に共通する部分は妥協のない品質です。200mの防水性能はもちろん、4時位置にあるねじ込み式リューズとリューズガード、セイコー自社製のハードレックス風防。回転ベゼルのクリック感も均等で手ごたえも良いです。このSKX013を夏の終わりにNATOストラップと合わせると、ビーチにも公園にもふさわしい一本になるのです。
ジャックが数年前記事で取り上げたSKX007には、純正のジュビリーブレスレットがついていました。若干オモチャ感があって、それがかえって人気のポイントになっています。在庫があれば僕もブレスレットモデルを選ぶのですが、残念なことにSKX007よりもさらにSKX013の方がアメリカでの在庫は少ないのです。
買うか、待つかの選択肢の中に、僕は我慢できずにラバーストラップのモデルを入手しました。もちろん入手方法はアマゾン――玄関まで48時間で届くので、お手頃セイコーダイバーズの宝庫であると思っています。SKX013は、SKX007より少し高く、僕は256ドル(約2万7000円)を払いましたが、一般的に225ドル~275ドル(約2万5000円~3万円)ぐらいで流通しています。
かさばって腕とフィットしないラバーストラップは僕の好みではないため、ほとんどの場合グレーのNATOストラップと合わせています。もう1本、HODINKEE Shopで手に入れた白いステッチの入った黒いカーフバンドは時計自体よりも高価なため、“コスパ”という企画の趣旨に反してしまうのですが、見た目的には申し分ありません。
SKX013は分厚い時計とは言い難いです。13㎜の厚みがあるわりには、腕に着心地良くフィットします。しかし寒い季節になるにつれ、セーターとジャケットの袖口に納まりづらくなってきます。飲み込めないデメリットではありませんが、入手を考える人は気にして欲しいポイントではあります。
試しに買ったSKX013でしたが、僕は念願のセイコーダイバーズを期待以上に楽しめました。いまコイツの出番が想像以上に多くなり、暖かい季節のローテーションウォッチにもなっています。SKX013も兄貴分であるSKX007と同じく、まさにジャックが彼の記事で述べたように
「 この時計が成し遂げた独自の美学は、戦略的価格が時計の魅力においてさして重要でないことを物語ることだろう 」
名言だね、ジャック! まさにその通りだ!
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