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G-SHOCKは、どんな人であっても着けることができる時計だ。とっても気軽な時計なのである。またG-SHOCKは、純粋な時計としての強迫観念めいた原則にいくつも反している。小さな電子回路で動作するうえ、技術的に進歩した材料を採用し、何より機械式時計の歴史が始まった何世紀も後の1983年に誕生したばかりなのである。
それでもG-SHOCK GA2100-1A1JFは、恐らく普段あまりタフ系の時計を好みでない人を変えてしまう可能性を持つ唯一の時計だ。しかもそれをたった1万3500円(税抜)でだ。
これまで、カシオは新しいバリエーションのG-SHOCKを次々と発表してきた。伊部菊雄氏が、落としても壊れない時計を世界に登場させて以来、コレクションは劇的に拡大し、特定のモデルだけを追求する人もいる中でG-SHOCK GA2100-1A1JFに関しては、世界中の幅広いG-SHOCKファンから人気がある時計だ。
それでは、この1万円台の時計は一体何がそんなに魅力的なのだろうか。まず初めに現行モデルの中で最も薄いG-SHOCKである点だ。ケースの厚さはわずか11.8mmで、手首に着けてみるとさらに薄く感じる。316Lステンレス製ケースを着け慣れている人であれば、このプラスティック製のケースは、ほとんど重量が無いと言っても過言ではないだろう。48.5mmのケースと手首の間にスペースが生まれないよう、ストラップは下向きに角度がついた設計だ。その他にもこのケースには注目すべき点がある。それは、カーボンコアガード構造だ。ケースは堅牢性を担保するためにカーボン繊維強化樹脂を採用し、素材の強度を一切犠牲にすることなくケースの質量を減らすことに成功した。カーボンコアガード構造は、着け心地を変えることなく車に時計が轢かれても耐えうるようなものになっている。G-SHOCKがしばしば軍隊や法執行機関の職人によって着けられる理由はこういった点からでもある。
Reddit(海外の2ちゃんねるのようなサイト)や時計フォーラムでもこのケースに関して、あることが話題だ。その特徴的な八角形のベゼルが、はるかに高価で人気のある“あの時計”と同じ形状をしていることだ。そうしたことから、名前をもじって「ロイヤル ブローク」と呼ばれている。この癖のあるデザインが、GA2100-1A1JFのオンラインでの売上につながることに私はそれほど驚かないだろう。カシオが在庫を補充するたび、この時計は度々売り切れている。この時計のデザインは八角形でそれぞれの角に135°の角度がついており、近いデザインとまではいえないかもしれないが、先のジョークは必ずしも的外れともいえないだろう。そんなことからGA-2100は、「カシオーク」などとも呼ばれている(ケース側面にバンパーがあるためノーチラスにも少し通ずるものがある。その機能は1983年の初代G-SHOCKであるDW-5000まで遡る)。
スタンダードなロイヤル オークは、215万円だが、G−SHOCKの場合は1万3500円とほんのわずかな予算で手に入れることができる。ここで本機の価値提案をしたい! 言うまでもなく、GA2100は、パーペチュアルカレンダー、クロノグラフ、音付きのアラーム、ワールドタイム、そして視認性の高い夜光塗料など複雑時計と同様の機能を持ち合わせている。しかもCOSCと同等の精度も持っている。ではオーバーホール費用は? ご心配なく。時計を外してレンガの壁にぶん投げたって構わない。それでもまだ動くからだ。
さらに古典的な文字盤レイアウトも備えており、非常にアナログだ。デジタル時計のキングであるカシオは、GA2100ではアナログデザインを生かしている。ダイヤルの南東の位置にデジタル表示があり、ここで前述のすべての機能を順に使うことが可能だ。もちろん2時位置にはっきりと説明のある「ライト」ボタンを押せば点灯もする。9時位置にはアナログの曜日表示機能もあるのだ。
GA-2100シリーズは、3Dプリントされたような見ための文字盤にグレーの針を採用したことで、控えめでステルスっぽさがある。インデックスは、十分な立体感があるため視認性は高いものの、アナデジデザインを採用すればより見やすいことは確かなため、敢えてのこの選択は実に興味深い。しかし心配は無用。結局のところG-SHOCKであるため、デジタル画面にも時間を表示することはできるのだ。
GA-2100を非常に魅力的なものにしているのは、G-SHOCK全体の中でも、1万円台の価格は非常に手頃だという点だ(転売屋が数倍の値段をつけている場合を除いて)。手頃なG-SHOCKであるだけでなく、純粋なデジタルモデルとアナログモデルの両方の魅力を備えてもいる。
GA2100-1A1JFは、価格以上の価値をあなたにもたらすだろう。もちろん欠点もある。特に視認性の部分についてそうなのだが、まぁちょっとすれば慣れるだろうし、これも個性と受け取れる。すべて完璧な時計ではないが、それはどんな価格の時計であってもそうだろう。
Photos: ティファニー・ウェイド
カシオ G-SHOCK GA-2100-1A1JF: カーボン繊維入りファインレジン採用ケース、200mの防水性能、ケースサイズ 45mm x 11.8mm。時分針表示と曜日表示の多機能アナデジ。価格: 1万3500円(税抜)
詳細はカシオの公式サイトへ。
編集者後記: 記事を公開後、カシオークという造語がScottish Watchesのスティーブン・ダビラ氏によって作られたものだということが分かった。
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