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Bring a Loupe 5桁の“逆6”ダイヤルを備えるロレックス デイトナ、カルティエのトーチュ モノプッシャー、オメガのクロノグラフ デ・ヴィル スポーツなど

今市場に出ている掘り出し物のヴィンテージウォッチをお届けしよう。

時計好きの皆さん、また1週間を乗り切ったことを祝おう。いや、単なる1週間ではない。今日から春がやってきたのだから、私たちは冬を乗り越えたことになる! それにふさわしいお祝いをしよう。

 それでは、先週紹介した時計の結果を見ていこう。クォーツのヴァシュロン・コンスタンタン 222 Ref.46003は1万1000スイスフラン(落札日のレートで約220万円)で落札、コルムのゴールデンブリッジは21日にオークションにかけられた(編注;落札価格は公表されていない)。ソニー・クロケットの18Kゴールド製のエベル Ref.8134901は4800ユーロ(落札日のレートで約87万円)、イエマのヨッティングラフは4100ユーロ(落札日のレートで約75万円)で落札され、ラリーのうち1本は(たったの!)1350ユーロ(落札日のレートで約24万円)で売れた。


番外編

 ここ数週間で述べてきたように、記事で1本ずつ詳述するほどではないが、優れた時計は数多くある。そして、それらを見過ごすのはもったいないように思う。そこで、Bring A Loupeに新しいカテゴリー“番外編”の追加を提案したい。これらは一見の価値はあるものの、何らかの理由で私が深く掘り下げるほどには惹かれなかった時計たちだ。

Autavia

 まず、ヴィンテージのホイヤー オータヴィア “オレンジボーイ”(編注;現在オークションは終了しており、6175ドル/日本円で約100万円で落札)は、オリジナルのゲイ・フレアー社製のブレスレットとオリジナルボックスが付属している(やや苦しい事情で販売されているようであるため、商品説明を必ず読んで欲しい)。私はオメガ フライトマスターのファンというわけではないが、もしあなたがそうで、オリジナルの希少なボックス付きのもの(編注;現在オークションは終了しており、3100ドル/日本円で約50万円)をずっと探していたならぜひ手に入れて欲しい。もう少しファンキーな時計に興味があるなら(ようこそ友よ)、素晴らしいユニバーサル・ジュネーブのポールルーター サブ(編注;現在オークションは終了しており、6000スイスフラン/日本円で約120万円)などもある。もっとデザイン重視のものを探しているなら、素敵なピエール・カルダン “Chauffer”(Ref.PC109)(編注;現在オークションは終了しており、455ドル/日本円で約7万円)はどうだろう。そしてたくさんの付属品(箱と保証書も)がついた時計を切望していたなら、あなたのロレックス GMTマスター Ref.6542(編注;現在オークションは終了しており、2万5000ユーロ/日本円で約460万円)が待っている。


ロレックス デイトナ Ref.16523 “逆さまの6”

 デイトナは一筋縄ではいかない。クラシックな手巻き時代、ゼニス時代、そして現行の自社製ムーブメントを搭載する時代と、各時代にファンとアンチがいる。加えて、このモデルはあまりにも有名で、これまで十分に語り尽くされてきたため、それについて書くのは『モナ・リザ』や『スター・ウォーズ(Star Wars)』について書くようなものだと感じてしまう。あまりにも文化に深く根付いているため、それを可視化する方法を見つけることさえ難しいのだ。

 デイトナについて考える際のひとつの視点は、ほかのどのモデルよりも、コスモグラフと時を経て積み重ねられてきた微細な変化が、現代の時計収集の世界を形作り、体系化するのに貢献してきたということだ。スピードマスターからカレラ、サブマリーナーに至るまで、それぞれのクラシックなリファレンスは時代とともに変化してきたが、デイトナは毎年少しずつ変化していくという点で独特の存在と言える。その細部を考えてみて欲しい。ねじ込み式かポンプ式プッシャーか、あるいはブラックかアルミニウム製のベゼルか、そしてその目盛りの数字はいくつか。あるいは、“フローティングコスモグラフ”から“オイスターソット/RCO”、そして“パトリッツィ”まで、精通した者だけが知る、細かく専門的なダイヤル要素だけを考えてみてもいい。古きよきスピードマスターにも多くのリファレンスがあるが、デイトナの各リファレンスにあるような、反復的な(Mk1、Mk2など)ダイヤルの豊富なバリエーションには到底及ばない。

 1988年に発表された5桁リファレンスのデイトナ(Ref.16520)は、デイトナを大きく変えた。ケース径を37mmから40mmに拡大し、リューズガードを追加、ドーム型のアクリル風防をフラットなサファイアクリスタル風防に変更、そしてもちろん手巻きムーブメントからゼニスのエル・プリメロをベースにした自動巻きムーブメントにアップグレードした。これらの変更に加え、88年から1994年までの初期のダイヤルには、時積算計に“逆6”が採用され、6が9のように印字されていた。個人的に、このディテールがたまらなく愛おしい。6年間ものあいだ、ダイヤルの6が9として印字されていたのだから!

 ここで紹介する時計はツートンカラーのRef.16523で、1991年(Nシリアル)に製造されて以来、風格ある時を刻んできたようだ。適度な使用感が見られるこの時計には、箱と保証書だけでなく、ロレックスからの手紙も付属している。その手紙には、a)1998年9月にオーバーホールしたこと、b) その後、自動巻きブリッジのネジのひとつが緩んだため、2カ月後に修理されたことが記されている。もちろん、検討すべきデイトナのバリエーションは何百とあるが、もしあなたが実用的で付属品完備の、90年代初頭の逆6ダイヤルを備えたデイトナを探しているなら、この時計を選んで後悔することはないだろう(編注;現在オークションはすでに終了しており、8800ポンド/日本円で約180万円で落札)。


カルティエ トーチュ モノプッシャー Ref.2356

 この時計は、その時計学的な重要性と、販売されている場所の意外性の両方で取り上げる価値がある。少なくとも、2026年になってもカルティエのトーチュがGoodwillに現れる可能性があることは知っておくべきだろう(公平を期すために言うと、そのGoodwillはベンチュラ郡にあるのだが)。

cartier tortue

 トーチュは1912年の登場以来、何度かリニューアルしては再登場している(直近では2024年)。そしてこの特定のバージョンは1998年のモデルで、多くの魅力が詰まっている。私たちの多くにとって最もエキサイティングな側面は、おそらくムーブメント、そして特にその開発を担った時計師たちがフランソワ-ポール・ジュルヌ(François-Paul Journe)氏と、デニス・フラジョレ(Denis Flageollet)氏であったということだろう。

cartier tortue

 ふたりは当時、ヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)氏とともに、1989年に設立した工房、THA(Techniques Horlogères Appliquées)で10年近くを共に過ごしていた。彼らがTHAで開発し発表したムーブメントとデザインのなかで、間違いなく最も注目すべき、あるいは少なくとも最も有名なのはこの時計に搭載されているムーブメント(カルティエ 045MC)で、フラジョレ氏が2002年にTHAを去り、ドゥ・ベトゥーンを立ち上げた際に再び取り組むことになるものだ(おっと)。

cartier tortue

 この個体はGoodwillにあることを考えると、かなりよい状態に見える(断じて批判しているわけではない。しかしサイズが合わなくなったセーターや子供の本に混じってカルティエが持ち込まれる瞬間に、そこに居合わせたかったと思わないだろうか?)。ケースとレザーストラップには確かに使用感があるが、それはひどいものではなく、ダイヤルと針は素晴らしい状態だ。おそらく私たちの多くと同じように、私も(そしてほかの誰かも)地元のGoodwillに立ち寄って、人知れずひっそりと眠っていた素晴らしい時計を手に入れることができた時代を懐かしく思うが、そんな時代はもう過ぎ去ってしまった。このカルティエは執筆時点で1万5601ドルまで値上がりしている(編注;現在オークションは終了しており、2万5002ドル/日本円で約390万円で落札)。


オメガ クロノグラフ デ・ヴィル Ref.146.017

 先週取り上げたイエマのラリーと同じセールに出品されているこの時計を、私は見つけてからというもの、ずっと気になっていた。先週これを含めなかった唯一の理由はこの出品情報を自分だけのものにしておくか、ここで共有すべきか、もう少し悩むためだった。

 今回取り上げるのは、魅力的なオメガ Ref.146.017だ(編注;現在オークションは終了している)。1969年から1970年にかけてのみ製造されたRef.146.017は直径35mmのドレスクロノグラフで、3つのバージョンが存在した。ゴールドプレート製のケースにゴールドダイヤル、ステンレススティール(SS)製のケースにホワイトまたはブラックダイヤル(希少なブルーダイヤルも存在する)、そして希少なSS製ケースにホワイトダイヤルを備えたものだ。

omega de ville

 オメガのCal.930を搭載したこの時計は、厳格な美しさを持つ一風変わった逸品だ。堅実で控えめでありながら、9時位置にある日付表示が奇妙なアクセントとなっている。私はこのモデルが大好きで、これまでいくつか所有してきたが、最終的にはすべて手放してしまった。そして今回、この特定の時計に手を出さない唯一の理由は、ケースが完全にポリッシュされているという事実は受け入れがたいものだからだ。それが時計を諦めるくだらない理由かもしれないことは承知しているが、この件に関しては過去の自分を信じなければならない。

omega de ville
omega de ville

 だからといって、この時計が優れていない、楽しくない、すぐにでも着けられるものでないと言っているわけではない。それらすべてを兼ね備えている。しかし私がオメガの世界に足を踏み入れたのはシーマスターやスピードマスターからであり、それらはよりダイナミックなケース仕上げが施されていたため、このデ・ヴィル Ref.146.017は味気なく感じられるのだ。それでも、これらは珍しい時計であり(Cal.930を搭載したオメガの総生産数は1万本とされており、このムーブメントを使用したモデルはRef.146.017とブルヘッドのみだった)、もし探していたなら、現時点で手に入るなかで最高の1本だ。ホワイトダイヤルは素晴らしく、ケースに使用感があり(右下のラグにはどこかで打痕がある)、気になる点はあるものの、興味のある購入者を妨げるほどの欠点はないだろう。


アーノルド・シュワルツェネッガーの“アーニー” セイコー H558-5009

 ポール・ニューマン デイトナやスティーブ・マックイーン モナコのように、愛称で呼ばれる時計には魅力がある。そのロマンは、時計が着用者の名声によって有名になったという事実に由来するが、さまざまな理由から、近い将来に同じことが起こるとは考えにくい。例えば今、有名人が時計と完全に、そして独占的に結びつけられるには何をしなければならないだろうか? 例えば、新しいランドドゥエラーを何年も愛用すれば、私たちは「ああ、ボブ・オデンカークモデルか」と思い始めるだろうか? 確かに“アルカラス”や“ジョン・メイヤー”といった例はあるが、そうしたニックネームがより広い文化に浸透するとは考えにくい(マーク、悪気はない)。

arnie's arnie

 そこで今日の時計だ。これはアーニーの“アーニー”である。厳密に言えば、この時計が登場する架空の世界では、実際にはアラン・“ダッチ”・シェーファー少佐のセイコー H558-5009だ。もしあなたが80年代のアクション映画に詳しくなければ、“ダッチ”・シェーファーがアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)が『プレデター(Predator)』で演じたキャラクターだと知らなくても仕方がないだろう(ただし、元カリフォルニア州知事は『コマンドー(Commando)』でも同じリファレンスを着用していたことは特筆に値する)。

 セイコー H558は1980年代初頭のデジタル/アナログウォッチであり、後にその愛称の由来となった人物(少なくとも5009モデル)にふさわしく、45mmという巨大なサイズだった。ケースのシルエットは、同時期のセイコーのツナ缶ダイバーズウォッチに似ており、まさに“無駄のないツールウォッチ”と叫んでいるかのようだ。実際に出品されている時計はきわめてよい状態に見えるが、商品説明にあるように現在は動いていない。そのため、落札者はバッテリー交換からドナームーブメントの探索まで、あらゆる可能性に備える必要があるかもしれない。

arnie's arnie

 執筆時点ですでに入札価格は4000ドル(日本円で約63万円)に達しており、少なくともひとりのファンは2万ドル(日本円で約300万円)に達すると信じている(編注;現在オークションは終了しており、4万7250ドル/日本円で約750万円で落札)。もしこの手のハードコアなものがお好みでなければ、同じオークションで『ダイ・ハード2(Die Hard 2)』のブルース・ウィリス(Bruce Willis)演じるジョン・マクレーンのタグ・ホイヤーも出品されている。


エベラール スカフォグラフ 300

 このモデルでこれほど状態のよい個体を見るのは久しぶりだ(ヴィンテージのスカフォグラフの夜光塗料は経年劣化しやすい傾向がある)。ご存じない方のために付け加えると、ケースは同時代のオメガ シーマスターと同じではないが、どちらの時計のケースもユグナン・フレール社によって製造された。

eberhard scafograf

 実際、少し調べてみると、スカフォグラフは多くの点でシーマスターと似たような発展の軌跡をたどっていることがわかる。1959年に発表されたスカフォグラフ 100は回転式ダイバーズベゼルを備えていなかったが、そのケースは57年のシーマスターとそれほど違いはなかった。この類似性は60年代を通して続き、より大きなケース、回転ベゼル、竪琴ラグを備えたスカフォグラフ 300が64年に発売され、シーマスター 166.024は65年にリリースされた(もしこの日付が間違っていたら、読者の皆さん、遠慮なく訂正してほしい)。

 この個体は60年代後半のもので、6時、9時、12時位置の巨大な三角形の夜光インデックスはなくなり、より控えめな長方形のインデックスに置き換えられている。そして、オリジナルの面取りやラインが残ったクリーンなケース、素晴らしいダイヤルと針、そしてオリジナルの(おそらくゲイ・フレアー社製の)ブレスレットを備え、きわめて良好なコンディションに見える。なお、出品情報ではオリジナルのサイン入りリューズが残っているかは明記されていない。この時計はBolder Vintageで9500ドル(日本円で約150万円)で販売中だ。


購入注意:オメガ “エド・ホワイト” スピードマスター 105.003
omega speedy

 この時計のよい点はバネなしの、おそらくフルコマと思われる1035ブレスレットが付属していること、No.6のオメガ製エンドリンクが一組ついていること、そしてくたびれているが悪くはない“ドット・オーバー90”DONベゼル、オリジナルのフラットフットリューズ、そしてまずまずのストレートラグを備えている量産前のケースを持っていることだ。Cal.321ムーブメントのシリアルナンバーは範囲外(28Mだが100% 23Mの可能性もある。しかしはっきりとは見えない)のようで、ケースバックには年号の刻印がなく、リファレンスのエッチングも私が見たことのないものであり、どちらの点も疑問を抱かせる。悪い点はもっと単純で、ダイヤルが再塗装されていることだ。それに応じて対応して欲しい(編注;現在オークションは終了しており、3600ポンド/日本円で約76万円で落札)。