コレクター向けのイベントと言っても、その内容は千差万別だ。遡ること4月、Watches & Wondersの期間中、私はジュネーブにあるチューダー本社での特別なディナーに招かれた。昔のチューダーがいくつか展示されるなか、ワインを一杯飲み、フィンガーフードをつまみ、その後に着席形式のディナーが続くような、よくあるブランド主催のディナーイベントだろうと思っていた。しかしその予想は完全に裏切られることになる。オードブルや、ディナー中に始まりそうなダンスパフォーマンスを待つまでもなく、足を踏み入れた部屋はヴィンテージのチューダーで完全に埋め尽くされていたのである。さらにそれらの時計を自ら収集してきたコレクターや、コレクションに関する知識の構築に貢献してきた多くの著名な人物たちがそこに集結していた。
1972年のコットンボウル記念モデルとそれに合う帽子を含む、希少な34mmチューダー オイスターコレクション。
正直なところ、見本市が開催されていたパレクスポでの長い1日を終えたあとに目にした、これらの時計と関連資料のコレクションは完全に圧倒される内容だった。私はできる限り多くのものを、できるだけ美しく写真に収めようと奮闘した。反射やフラッシュ、あるいはその両方によって時計がうまく写らなかった場合には、それを補うために別のアングルから追加の写真を撮るよう心がけている。とはいえ、間違いなくすべてを網羅できたわけではない。以下に紹介する時計の多くは、それ単体で1本の記事が書けてしまうほど(あるいはすでに書かれているほど)の特別なモデルばかりなのだ。
チューダー サブマリーナー Ref.9411。
それではサブマリーナー、レンジャー、オイスター、クロノグラフなど、驚異的なラインナップの数々をスクロールしてご覧いただきたい。特別なダイヤルやベゼル、軍に支給されたミリタリーテイスト溢れる個体、希少なリファレンス、初期モデル、注目すべきスクールウォッチ、さらにはダブルネームダイヤルを持つ超希少なモデルもいくつか含まれているので、ぜひ細部までじっくりと目を向けてみて欲しい。後半には、チューダーのアーカイブから出展された時計の写真も掲載しているので、そちらもお楽しみいただきたい。
キャプションの情報をできる限り充実させるよう努めたが、ご想像のとおり、私ひとりの力で完成させたわけではない。この場を借りて、イベントに招待してくれ、追加の背景情報やキャプション作成のサポートをしてくれたCCとCPに心から感謝したい。時計愛好家の皆さんにとって至福の時間となることを願っている。もし何か質問があれば、ぜひコメント欄に書き込んで欲しい。私にできる範囲で調べて、お答えしたいと思う。
チューダー サブマリーナー Ref.7922、Ref.7923、Ref.7924、スクエアリューズガード付きのRef.7928 、イーグルビーク・クラウンガード付きのRef.7928、アンダーラインダイヤル/ポインテッドクラウンガード仕様のRef.7928、グロッシーダイヤルのRef.7928、セミ・ポインテッドクラウンガード仕様のRef.7016。
ロリポップ型の秒針を備えた80年代のチューダー サブマリーナー Ref.76100。
MN74からMN83まで、現存するすべての年号が刻印されたチューダーのフランス海軍(Marine Nationale/MN)用サブマリーナーのコレクション。このプロトタイプの詳細については、Tudor Collector.comでご覧いただける。
MN74からMN83まで、現存が確認されているすべての年号の刻印を備えたチューダーのフランス海軍(Marine Nationale/MN)用サブマリーナーのコレクション。このプロトタイプの詳細については、Tudor Collector.comでご覧いただける。
カナダ軍用サブマリーナーとエキゾチックダイヤルを備えたクロノグラフ。
上記モデルのクローズアップ。
上記モデルのクローズアップ。
チューダーのクロノグラフ Ref.7032、サブマリーナー “ビッグクラウン” Ref.7924、トロピカルダイヤルを備えたRef.7928、日付表示を備えたレンジャー Ref.9050。
すでに紹介したRef.7032のクローズアップ。
ゴールドプレート仕様を含む34mmのオイスターの数々と、その隣に並ぶ“ジャンボ”サイズ(38mm)のデイトデイ。
アメリカ陸軍の第5特殊部隊群に支給されたサブマリーナー Ref.9411。現代のオロンガポブレスレットが組み合わされている。
@detempoliberのダイヤルと針がミスマッチな“謎めいた”サブマリーナー Ref.9401。
@watchistryによるフランス海軍のチューダー サブマリーナーのコレクション。
上記モデルのクローズアップ。
カナダ軍支給モデルやアメリカ海軍由来の個体を含むミリタリー仕様のチューダー サブマリーナー、ホームプベース型インデックスを持つクロノグラフのRef.7031、そしてレンジャー。
ミリタリー仕様のチューダー サブマリーナー Ref.7928、“ホームプベース” クロノグラフ、レンジャーを含む上記モデルのクローズアップ。
チューダーのクロノグラフ Ref.7149。
チューダー サブマリーナー Ref.7928。
チューダーのクロノグラフ Ref.9421。
チューダー サブマリーナー Ref.7928。
ゴーストベゼルを備えたチューダー サブマリーナー Ref.9401。
トライアングルインデックスのダイヤルを備えたサブマリーナー Ref.9401(中央)など、日付表示なしのチューダー サブマリーナー。
左下は、全インデックスがアラビア数字のレンジャー(きわめて希少な個体)。
“フロッグマンストラップ”を装着したサブマリーナー Ref.7016と、スノーフレーク針を持つサブマリーナー。
代々受け継がれてきた家宝のクロノグラフ Ref.9430。
アメリカ海軍に支給された、チャプターリングを備えるチューダー サブマリーナー Ref.7928(その来歴もしっかりと記録されている)。
南アフリカ軍用のRef.7016とその隣に並ぶイスラエル国防軍用のRef.7928。オリジナルで付属していた未装着のブレスレットも揃っている。
南アフリカ軍用ミリタリー仕様のサブマリーナー Ref.7016とRef.9401。これら8本が一度に揃う光景はめったに見られない。
南アフリカ軍用ミリタリー仕様のサブマリーナー Ref.7016とRef.9401のクローズアップ。
南アフリカ軍用仕様のサブマリーナーのクローズアップ。
南アフリカ軍用仕様のサブマリーナーのクローズアップ。
チャプターリングを備えるチューダー サブマリーナー Ref.7928。
かつて黒く塗装されていたイスラエル国防軍仕様のRef.7928。リホートやラグにはその黒い塗装が残っている。
50年代の18Kピンクゴールドモデルと(ティファニーとセルピコ・イ・ライノの)ダブルネームモデル2本を含むユニークな34mmのオイスター。そしてビッグリューズを備えたサブマリーナー Ref.7924。
チャプターリングを備えるチューダー サブマリーナー Ref.7928。
イスラエル国防軍と南アフリカ軍用のチューダー サブマリーナーが並ぶ(オリジナルのイスラエル国防軍用ブレスレットとともに)。
初回生産分のトロピカルダイヤルを備えたサブマリーナー Ref.7928は、1962年にアメリカ海軍の特殊部隊“SEAL Team 2”が創設されたのち、納入されたものだ。ウォルサムのリストコンパスとともに置かれている。
1977年に製造されたハイブリッド仕様の3本を含む、日付表示なしのサブマリーナー Ref.9401の数々。ラウンドインデックスとスノーフレーク針というミスマッチな組み合わせで組み立てられていた希少なモデルだ。
@i_merlin13がかなりの数をコレクションするフランス海軍支給のチューダー サブマリーナー。小型/大型リューズが備わっている50年代のサブマリーナー(Ref.7922とRef.7924)、スクエアリューズガード付きのRef.7928、ポインテッドリューズガード付きのRef.7928、ラウンドリューズガード付きのRef.7928、1974年にフランス海軍に支給されたRef.7016、そして青色のRef.9401が含まれている。
コマンドー・ユベール(編注;フランス海軍の戦闘ダイバー部隊)モデルである赤いトライアングルダイヤルを備えたRef.7928 SCG、コマンドー・ジョベールモデルであるブルーのトライアングルダイヤルを備えたRef.9401、そしてオレンジの針がユニークな“ビッグブロック” Ref.9420の変わり種(カタログには掲載されているが、量産はされなかった幻のモデル)。右下にはトロピカルダイヤルの“ジャンボ”サイズ(38mm)デイトデイも写っている。
@pandlwatchesの手首に輝くチューダー ブラックベイ P01。
きわめて希少なセルピコ・イ・ライノのダブルネーム仕様のサブマリーナー Ref.7928。
“eBayのRef.7923(2017年にこちらの記事で取り上げた)”と、隣に並ぶジョイエリア・リヴィエラ(Joyeria Riviera)のダブルネーム仕様のサブマリーナー Ref.7922。信じられないほど素晴らしいチューダーのペアだ。
チューダーCEOのエリック・ピルソン(Eric Pirson)氏本人が、ジュネーブ時計学校での最終試験の一環として組み立てたチューダー ビッグブロックの“スクールウォッチ(piece école)”。
そしてその“スクールウォッチ”のケースバックに施された刻印。#alwaysreadthecaseback
オロンガポブレスレットを装着したサブマリーナー Ref.9401。
セバスチャン・レーマン氏(Sébastien Lehman/チューダーのプロダクションディレクター)が、ジュネーブ時計学校の最終試験の一環として自ら組み立てたチューダー クロノタイム “スモールブロック”の“スクールウォッチ”。
そのスクールウォッチのケースバック。
未研磨の(超絶希少な)“イーグルビーク”ガード付きのサブマリーナー Ref.7928。
1973年にSEAL Team Oneに支給されたサブマリーナー Ref.7016(来歴を裏付ける書類も付属)。
時計とチューダーに興味を持つきっかけとなったという、@Paulywollydoodleの祖母の時計。きわめて希少なハート型の時針を備えている。この時計の詳細についてはTudor Collectorを通じてこちらから読むことができるが、ダイヤルに記されたもうひとつのブランド名にお気づきだろうか?
チューダーのアーカイブ
広々とした、そしてしばしば時計で埋め尽くされたコレクターたちのテーブルに加え、チューダーはアーカイブから選び出した特別な時計を展示するための小部屋をふたつ用意していた。ここでは、そこに展示されていたコレクションをご紹介しよう。
3世代(30年代から70年代にわたる)のレンジャーが、1929年に作成された“レンジャー”というモデル名を登録したオリジナル書類の上に置かれている。これにより、レンジャーが現在も使われているチューダーのコレクション名のなかで最も古いものであることが証明されている。
英国の北グリーンランド遠征隊に支給された、ホマード少佐のチューダー オイスター プリンス。オリジナルのレザーストラップが装着されており、1952年から1954年までほぼ毎日、時計の精度の誤差が記録されていたオリジナルの“時計点検”ブックレットの上に置かれている。驚くべき歴史的価値を持つ。
ファセットケースを持つ時計(新しいチューダー モナークのインスピレーション源のひとつ)を含む、30年代から40年代のきわめて初期のモデルを収めたボックス。このトレイには、オイスターケースのアドバイザー Ref.7926、エラープルーフダイヤル仕様の34mmのプリンス(右上)、そして初代モナーク(右下)も含まれている。
リサイクルされたフランス海軍のオリジナルパラシュートストラップが装着されたチューダー MN。GERS(海中研究グループ)による評価のあと、チューダーのサブマリーナーを正式に発注した1956年付のフランス海軍の書簡の上に置かれている。
フランス海軍に納入されたサブマリーナー Ref.9401。ケースバックにはコマンドー・ユベールの戦闘ダイバー徽章が刻まれている。この時計は80年代のある時期に、部隊の指揮官から功労のあった民間人へと贈られた(使用済みの)ものだという。
フランス海軍に支給されたオリジナルのストラップを装着した、チューダー MN サブマリーナー Ref.9401。
Ref.7923(唯一の手巻きサブマリーナー)、Ref.7922、大型リューズを備えたRef.7924、スクエアリューズガード付きのRef.7928、スクエアポインテッドリューズガード付きのRef.7016、Ref.7021、ハイブリッド(ラウンドインデックスにスクエア針)のRef.9401、ブルーのRef.76100、プロトタイプのRef.79190など、チューダー サブマリーナーが詰まったボックス。
上記モデルのクローズアップ。
4時位置にリューズを配置した、初代サブマリーナーのプロトタイプ。アメリカ海軍に提案するために製作されたものだ。
フランス海軍とアメリカ海軍の資料および写真。
元SEAL Team 1の指揮官であったビル・ジェブ(Bill Jebb)が所有していたアメリカ海軍支給モデル Ref.7928。彼がスービック湾に駐留していた際に作らせたオリジナルのオロンガポブレスレットが装着されている。
手巻きプロトタイプ Ref.7033、ブルーおよびブラックのRef.7149、Ref.7159、Ref.7169、エキゾチックダイヤルの“ビッグブロック” Ref.9420、パンダダイヤルの“ビッグブロック” Ref.9421、“スモールブロック” Ref.79280、“スモールブロック” タイガー Ref.79260、そして最終世代の“スモールブロック” Ref.79280を含むクロノグラフのボックス。
上記モデルの一部のクローズアップ。
説明書と70年代のオリジナルの“ピーナッツ”ボックスが付属するチューダーのクロノグラフ Ref.7032。
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