ADVERTISEMENT
もし近いうちにフロリダのスペースコースト周辺を訪れる予定があるなら、ケネディ宇宙センターに立ち寄る計画を追加してみてはいかがだろうか。そこには新たに展示された1本の腕時計がある。そう、それはおそらくあなたの予想どおりだろうが、オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチだ。
だが、ただのムーンウォッチではない。今回展示されているのは、1969年にアポロ12号の船長を務めていたチャールズ・“ピート”・コンラッド・ジュニア(Charles "Pete" Conrad, Jr.)が月面歩行の際に着用していた、スピードマスター Ref.105.012という特別な個体である。ニール・アームストロング(Neil Armstrong)、バズ・オルドリン(Buzz Aldrin)に続いて、月面に足を踏み入れた3人目の人物であるコンラッド・ジュニアは、1969年11月19日にアポロ12号の月着陸船イントレピッドが嵐の大洋に着陸したのち、クルーメイトであるアラン・ラバーン・ビーン(Alan LaVern Bean)とともに2回の船外活動を行った。
Courtesy of The Smithsonian Air and Space Museum
もちろん、Cal.321を搭載したこのスピードマスターは、宇宙遊泳時の使用を想定して設計された長いベルクロストラップによって飛行士の宇宙服の外側に装着されていた。実際、月面でコンラッド・ジュニアが撮影した写真には、宇宙服の大きく張り出した手首に“スピーディ”を着用するビーンの姿が収められている。コンラッド・ジュニアの時計は無事地球へと持ち帰られたのち、しばらくのあいだNASAが保管していたが、最終的に1977年にスミソニアン航空宇宙博物館へと寄贈された。
そして現在、この“ムーンウォッチ”はケネディ宇宙センターに展示されており、オメガが協賛するトレジャーズ・ギャラリー内で来場者を迎えている。もしあなたがこの界隈(つまり時計好きのネット界隈だ)に親しんでいるのなら、NASAとオメガの宇宙における深い関係性についてはもはや説明不要だろう。しかしこの種の“マニア的時計史”になじみのない人々にとっては、この展示こそが時計史の小さな1ページをより幅広い層に紹介する絶好の機会となるだろう。
チャールズ・コンラッド・ジュニアが撮影した、月面を歩くアラン・ビーン。Image courtesy of NASA
数カ月前、オメガが開催したNASA公式採用60周年の記念イベントに参加するためにヒューストンを訪れた。ブランドにとってこの60周年は、アーカイブとマーケティングの両面で大きな意味を持つ歴史的な出来事だ。ジョンソン宇宙センター(ヒューストンにある、ケネディ宇宙センターのもう一方の拠点)を訪れた体験は本当に素晴らしく、“時計マニアの入門キット”とでも言うべき知識を、実体験として自分のなかに刻むことができたのは非常に興味深かった。今回フロリダで始まったこの新たな展示は、そうした体験をさらに多くの人へ広げる助けとなるだろう。
話題の記事
No Pause. Just Progress GMW-BZ5000で行われた継承と進化
Introducing ゼニス デファイ エクストリーム クロマに新たなふたつの限定モデルが登場
Introducing ヴァシュロン・コンスタンタンが36.5mmの新型トラディショナル・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダーを3本発表