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Introducing ゼニス パイロット コレクションにポーターとのコラボレーションモデルが登場

日瑞の老舗同士がリスペクトを送り合った、スペシャルなコラボモデルだ。

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クイック解説

ゼニスにおいて伝統的なモデルであるパイロットコレクションが一新されたのは、2023年3月のこと。それまでは往年のパイロットウォッチを思わせるヴィンテージ風のデザインが中心だったが、このタイミングでグッとモダンなデザインへと進化を遂げた(昨年、トニーが紹介記事を書いている)。その後もブティック限定のブルーエディションを発表するなど、ラインナップを少しずつ増やしていったが、今年の10月18日(金)に同コレクションからジャパンブランドとコラボレーションしたスペシャルな限定モデルがリリースされることになった。

それぞれにコーデュラ風のパターンをあしらったラバーストラップと、ポーター製のファブリックストラップが付属する。

 今回リリースされるのは3針のパイロット オートマティック ポーター エディションと、クロノグラフモデルのパイロット ビッグデイト フライバック ポーター エディションの2モデルだ。カーキグリーンとオレンジの組み合わせでピンときた方もいるかもしれないが、今回ゼニスがコラボレーションの相手に選んだのは日本が世界に誇るバッグブランドのポーターである。同ブランドを代表するシリーズであるタンカーの特徴的な配色はフライトジャケットを着想元としており、ゼニスはカーキのセラミックケースとストライプの入ったダイヤルによってこれを表現した。またタンカーの裏地に使用されているレスキューオレンジはスーパールミノバ SLN C1を塗布した時・分針と秒針で使用し、本作がコラボレーションであることを強調している。

 ちなみに本作にはケースと同色のラバーストラップ(コーデュラファブリックの表面を模したパターンがあしらわれている)に加え、ポーターが提供したナイロンファブリックを使用したベルクロストラップも付属している。ちなみにポーターは、素材作りから縫製に至るまで並々ならないこだわりを持つブランドだ。今回のストラップもポーター側で製造するという意向があったようだが、実際の着用感や耐久性においてはゼニスに一日の長がある。結果としてポーターが生地をゼニスに提供し、ゼニス側で縫製を行うこととなった。

シースルーバックにはポーターのブランドロゴがプリントされており、その向こうにはパイロット人工水平儀があしらわれたブラックローターが見える。

 その代わりというわけでないが、ポーターのクラフトマンシップは付属するバッグで存分に味わうことができる。ふたつのモデルのウォッチボックスは、今回のために新たにデザインされたウォッチバッグに収められて提供される。ポケットのキワ部分の処理や縫製部分にはポーターによる手仕事が存分に生かされていて、いちポーターファンとしてこのバッグだけでもかなりの価値を感じる。

 プライスはパイロット オートマティック ポーター エディションが149万6000円、クロノグラフモデルのパイロット ビッグデイト フライバック ポーター エディションが204万6000円(ともに税込)となっている。発売は10月26日(土)で、世界中のゼニス ブティックおよびオンラインサロンで販売される。


ファースト・インプレッション

ゼニスとポーター、お互いのリスペクトが感じられるコラボレーションになったと思う。ストラップの縫製を委ね(ポーターとのコラボレーションを見てきた身としていうが、これは異例だ)、メッセンジャーバッグのライニングをゼニスのシグニチャーカラーとしたポーターもさることながら、150年以上の歴史を持つ名門時計ブランドであるゼニスからも日本の老舗バッグブランドへの敬意を感じる。聞くところによると今回のコラボレーションは、ゼニスの日本のPR担当が本社プロダクト担当者の所有するポーターを見て話題に挙げたことがきっかけで始まったという。僕の記憶の限りでは、カーキ×オレンジのカラーをケースの色を含めて再現したブランドはゼニスのほかに1社しかない。

 しかし結果として、航空の黎明期から空という未知の世界に挑んできたゼニスのエッセンスを凝縮したパイロットコレクションにマッチするものとなった。カーキグリーンのダイヤル上で回るレスキューオレンジの針はパイロットウォッチに欠かせない視認性を、カーキセラミックのケースとナイロンストラップは高い耐久性を担保している。

 また実物を見た感想だが、ナイロンのベルクロストラップはポーターの過去の時計コラボと比較してもシルエットが美しく、手首に巻いた際にも生地の歪みはない。ここにはポーターの生地の特性を理解し、時計製造のノウハウを反映したゼニスの力量が見られる。先にも述べたが、自社での縫製にこだわりが強いポーターが、時計のストラップ製造という専門分野におけるゼニスの技に信頼を寄せて生地を提供したというエピソードも実にツウ好みの裏話だ。総じて、ともに“空”をルーツとするコレクション同士の親和性の高さを示す、単なるコラボレーションという枠を超えたプロダクトに仕上がっているように感じられる。個人的には今回のコラボレーションが成功を収め、もうひとつのタンカーの定番カラーである黒×オレンジが実現することも願ってやまない。

 余談だが、付属のショルダーバッグはカメラバッグとしてもかなり優秀だ。タンカーのように中綿の入った生地はクッション性もあり、丁寧な縫製により自立するバッグは重いものを入れても型崩れしにくい。僕のソニー α7C IIとFE 24-70mm F2.8 GM IIのセットもすっぽりと収まった。日瑞の名門同士がコラボレートした時計と素晴らしい日本製のバッグが同時に手に入る、なかなか希少な機会だ。

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基本情報

ブランド: ゼニス(Zenith)
モデル名: パイロット オートマティック ポーター エディション/パイロット ビッグデイト フライバック ポーター エディション
型番:49.4001.3620/63.I001/03.9500.3600/01.I001

直径: 40mm/42.5mm
ケース素材:カーキセラミック
文字盤色: 横方向に溝が刻まれたカーキ文字盤
インデックス: アプライドインデックス
夜光: スーパールミノバ SLN C1
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット:ブラックPVD仕上げのSS製フォールディングバックル付きコーデュラファブリック風カーキラバーストラップ、ポーターのタグがあしらわれたカーキナイロンファブリックストラップ
追加情報: ウォッチボックスはポーター製のオリジナルウォッチバッグに収められている


ムーブメント情報

キャリバー: エル・プリメロ 3620(オートマティック)/エル・プリメロ 3652(ビッグデイト フライバック)
機能: 時・分・秒表示、デイト表示(オートマティック)/時・分・秒表示、デイト表示、フライバック クロノグラフ、ビッグデイト表示(ビッグデイト フライバック)
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
クロノメーター認定: なし


価格 & 発売時期

価格: オートマティック 149万6000円/フライバック 204万6000円(ともに税込)
発売時期: 10月23日(水)に一部の店舗で先行発売、10月26日(土)に全世界で発売
限定:各500本限定

詳細は、こちらをクリック。