ADVERTISEMENT
Photos by Tim Vaux
正直に言おう。ジュネーブ・ウォッチ・デイズは、私がこの街で過ごす時間のお気に入りのひとつだ。猛暑が続いた長い夏を経て、時計業界のあらゆる方面から友人が集まり、話題のブランドの最新モデルを実際に手に取って見ることができるからだ。この夏のイベントの素晴らしいところはそこにある。Watches & Wondersが大手ブランドにフォーカスしている一方で、ジュネーブ・ウォッチ・デイズでは一息つき、目まぐるしく動く時計業界のペースを落として、大小さまざまなブランドや時計とじっくり向き合うことができる。誤解しないで欲しいが、ブルガリ、ゼニス、ダニエル・ロート、ジラール・ペルゴ、MB&F、ブライトリングといったビッグネームも参加している。それでも街全体を会場とするスタイルと、開催時期が少し遅めであることのおかげで、小規模なブランドに目を向けたり、新たな発見をしたりする時間がたっぷりあるのだ。
今年のジュネーブ・ウォッチ・デイズには71のブランドが参加し、400近い新作が発表されるという過去最高の規模を記録した。2500人を超える個人顧客、コレクター、そして時計愛好家が来場し、海外メディアやコンテンツクリエイターも500人以上集まった。しかし全体の来場者数は1万5000人にとどまり、ピークだった昨年の1万7000人からはやや減少している。
出展ブランドからのニュースは確かに豊富で、過去の開催時と比較してもその重要性が増しているように感じられた(ブライトリングのハウス・オブ・ブランズはこの場でギャレを世界に向けて発表し、MB&FのM.A.D.エディションズはM.A.D. 3を発表した。これらについてはのちほど詳しく紹介する)。それでも何度か耳にしたのは、例年よりも少し落ち着いているということ。確かに数字上でも1年前と比べて2000人の差が出ているのは事実だが、私としては別の理由があると考えている。今年のジュネーブ・ウォッチ・デイズは、はるかに効率的に運営されていたのだ。参加ホテルが増え、イベント用に建てられたパビリオンが開放され、さらにはイベントが正式に始まる前日からアポイントメントを受け付けるブランドもあった。こうした変化に加え、あらゆる都市でローカルなウォッチウィークが開催されることが一般的になってきたことも影響し、アポイントメントを渡り歩く我々にとって、よりスムーズで混乱の少ない体験が生み出された。
イベントで発表された主要な新作の詳細や情報については、当サイトの各ローンチ記事をチェックしていただきたい。だがひとまずは、ジュネーブ・ウォッチ・デイズ2026の様子を参加者の視点でお届けしよう。現地での体験談や、旧友から新しい友人までの手元を彩る時計のリストショットをたっぷりお見せする。
デニソンは大胆なデザインの時計を多数展示し、顧客が天然ダイヤモンドをあしらったカスタムウォッチを注文できる機会を提供するデニソン・アトリエの一環を紹介した。
またデニソンのミニモデルの豊富なバリエーションも展示されていた。こちらはオパールダイヤルを備えたモデル。
アルトは以前から私が実際に手に取ってみたいと思っていたブランドであり、この新作の36mmのアート 02は期待を裏切らない仕上がりだった。アンディに至っては、これを今回のベストウォッチに選んだほどだ。
ゼニスは、ブラウン、ブラック、ホワイトの3色展開でクロノマスター ソロ スポーツを発表した。
エル・プリメロを搭載した、200m防水の3針時計。我々は今、本格的で興味深いダイバーズウォッチの新たな選択肢を目の当たりにしているのかもしれない。
M.A.D. 3は誰もが話題にしていたが、それも当然のことだろう。
ジュネーブ・ウォッチ・デイズは、ギャレが正式に復活した瞬間であり、ギャレのロゴが入ったフォードのブロンコも登場した。
ブランドの復活を記念する公式カンファレンスには、ジョージ・カーン氏も姿を見せた。
すべての新作にいち早く触れられるハンズオンセッションの前に。
個人的に最も気に入ったのはクラシックス コレクション。なかでもこの素晴らしいヨッティング ビッグアイは格別だった。
そして、それに続くのがマルチクロン 45だ。
クラシックス以外では、オレンジのフライング オフィサーが人目を引くだろう。特に39万500円という価格を考えればなおさらだ。
リディア・ウィンターズ(Lydia Winters)氏の手元には、見事なクレドールのロコモティブ(そして愛用のライカSL2)があった。
一方、『Esquire』のジョニー・デイビス(Johnny Davis)氏は、バルチックとスペースワンの素晴らしいコラボモデルである“セコンド・マジュール”をさらりと着けこなしていた。
時計ジャーナリストのレジェンド、エリザベス・ドア(Elizabeth Doerr)氏は、ダイヤモンドとマザー・オブ・パールダイヤルを備えたジェラルド・ジェンタの素晴らしいジャンピングアワーウォッチを身に着けていた。彼女が教えてくれたところによると、この時計は最近オークションで手に入れたものだという。発売当初にひと目惚れしたものの当時は手が出ず、ジェラルド・ジェンタ本人との出会いを称える何かが欲しいと考えていたそうだ。
ヴィンテージウォッチの権威であり、ジュネーブの地元で伝説的な存在であるRoy & Sacha Davidoff S.A.のロイ・ダビドフ(Roy Davidoff)氏は、わずか10本限定というきわめて珍しいパルミジャーニ・フルリエのエブドマデール “アンドレ パリ”を見せてくれた。
次に向かったジェラルド・ジェンタでは、ミニッツリピーターの最新作であるゴールデンオブシディアンがお披露目された。
手首での存在感は言葉にならないほどだ。
またオパールのムーンフェイズとパーペチュアルカレンダーを搭載した驚くべき懐中時計など、ジェンタのアーカイブから特別なピースも展示されていた。
ミンは新作の57.05 “コメット” ワールドタイムを発表した。これはサマータイムを導入している国とそうでない国があるという問題を、シンプルにスライドするベゼルという天才的な機構によって解決した1本だ。
トリプルステップのラグもたまらない。
あの驚異的な3Dプリント製のチタンブレスレットを覚えているだろうか? それが帰ってきた。しかも今回はタンタル素材だ。言うまでもなく、その仕上がりは信じられないほど素晴らしい。
あるきわめてこだわりの強いデザインから、まったく別のデザインへ。長らく待ち望んでいたNaoya Hida & Co.の初めての実機体験は、期待を裏切らないものだった。
完全な手彫りが施されたダイヤルはまさに圧巻であり、GPHGにノミネートされたNH TYPE8Aに至っては格別だった(この時計をそのまま家に持ち帰ってしまわないよう、必死で自分を抑えなければならなかったほどだ)。
飛田氏は、時計を構成するあらゆる要素について、その背後にある果てしない試行錯誤の過程をきわめて詳しく説明してくれた。彼曰く、ロゴのサイズと配置を完成させるためだけに6カ月を費やしたというのだから驚きだ。
私の個人的な見解を言わせてもらえば、手に持ったときにこれほどまで重厚な感触を得られる時計は、ミッドセンチュリー期のパテック フィリップくらいしか思い当たらない。
ジュネーブの夜のパーティーでは、参加者の手首をチェックするのが常である。デニソンのマネージングディレクターであるステファン・シェイク(Stéphane Cheikh)氏は、新作のALD エレメンツを着用していた。
ガガ ミラノの創業者であるルーベン・トメッラ(Ruben Tomella)氏は、この週で一番クールなネックレスを身につけていた。
エミリー・マーズデン(Emily Marsden)氏は、ブルーダイヤルにそれと同色のブルーラバーストラップを合わせたヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズを着用。
対照的に、スカーレット・ベーカー(Scarlett Baker)氏はバーガンディカラーが美しいローズゴールド(RG)製のジェラルド・ジェンタ ジェンティッシマ ウルサンで華やかに決めている。
Craft + Tailoredのキャメロン・バー(Cameron Barr)氏は、パテック フィリップのRef.570という信じられないほどクラシカルな王道スタイルを貫いていた。
ボーリヴァージュは、この1週間の活動の中心地と呼べる場所だった。
そのなかで、ブレモンは彼らのコレクションのなかでも私が間違いなく一番気に入った時計を発表した。バーガンディのテラノヴァ ジャンピングアワーで、何よりも重要なのはそのケース径が35mmであることだ。
一方、ジラール・ペルゴは大成功を収めているロレアート フィフティのラインナップを拡充し、ロレアート フィフティ トゥールビヨンを発表。
ローラン・フェリエも同じように、これまでのコレクションをベースにしたクラシック・ムーン ダスクを披露した。
ダニエル・ロートに足を運ぶと、RG製の新たなエクストラ プラットが発表されていた。
実のところ美しいブラックのギルトダイヤルを備えたこの時計こそ、今回のイベントにおける私のベストウォッチだ。
カヴァジーノ(Cavasino)は比較的新しいインディペンデントブランドで、この最新モデルはオパールダイヤルとフォージドカーボン製のケースを組み合わせている。
そして、DCR-01 トゥールビヨンキャリバーには新たな仕上げが施されていた。
ジェイムズ・マクヴェイ氏は、1940年代のユニバーサル・ジュネーブ コンパックスをかっこよく着けこなしていた。
同じイベントで、6159Gという凄まじい熱量を持った時計を持ち込んでいる人もいた。
アノマ創業者のマッテオ・ヴィオレ・ヴィアネッロ(Matteo Violet Vianello)氏は、プリヒストリックコレクションの成功に続き、ハーフエングレービングを施したステンレススティール製のケースに、自然酸化させた手彫りの銅製ダイヤルを組み合わせたA1のプロトタイプを着用。
フレデリック・コンスタントは勢いそのままに、手巻きムーブメントを搭載したクラシック モネータを発表した。
ジュネーブ・ウォッチ・デイズの翌週には、ルイ・ヴィトンからタンブール タイコ スピン・タイムの5つの新モデルが発表された。
オパールダイヤルにサファイアをあしらったワイルドなモデルを含め、ベゼルの縁ぎりぎりに施されたサファイアのセッティングは見逃せないポイントだ。
ブルガリは期間中、自社マニュファクチュールのひとつをミニチュア化した展示などを行っていた。
ここで、とんでもないダブルリストショットを紹介しよう。ブルガリとMB&Fのコラボレーションによるセルペンティと、SS製のヴァシュロン・コンスタンタン 222だ。
続いて、ECAというスウェーデンのブランドのリストショットはいかがだろうか? このミティラス(Mytilus)というモデルは、本格的な防水性を確保するために21個の独立したガスケットで密閉されており、表面はアルマイト処理とビーズブラスト加工で仕上げられている。
街の反対側では、スイスを拠点とする時計ディーラー、Jojo La Montreがポップアップストアを開催し、自身のコレクションの一部を展示していた。
スイスの中心部で、楽しくて手ごろな価格の、しかもデッドストックのヴィンテージウォッチを探しているなら、ここはうってつけの場所だ。
「Do you like watches?」
ここで出会えるのは、おそらく2度とお目にかかれないようなセレクションでありながら、決して財布を空にするような価格ではない。
ブランド関係者によると、ジュネーブでのイベント期間中に、初期のオーダー品のいくつかを納品したとのことだった。
ユニバーサル・ジュネーブは、今年初めに発表されたモデルのいくつかを実際に手に取って見られるミーティングも開催した。
ストーンダイヤルのポールルーターは、きっと人気を集めるだろう。
そして、このブレスレットは? 完全に主役級だ。
前のキャプションを見てほしい。
ファンのお気に入りになるであろうモデルは、SS製の37mmのポールルーターだ。本当にあらゆる要素が完璧に整っている。
だが、シグネチャーコレクションのディスコ ボランテとディオラミックの2本こそが、私の個人的なお気に入りかもしれない。
それに僅差で続くのが、カブリオレだ。
いやはや、たまらない。
ポールルーターの4分の3サイズのローターは歴史に敬意を払いながら実現された、うれしいアップグレードである。
旧市街の通りに戻ると、@thepalewristにばったり出くわした。手元には、素晴らしいプリズマ・コブラ・ブレスレットを装着したサイモン・ブレットのクロノメーター アルチザンが輝いている。遊び心たっぷりのリングウォッチと見事にコーディネートされていた。
フレミングの共同創業者、ジェームズ・コン(James Kong)氏は、シリーズ1 マークII パシフィックを着用。
パープルダイヤルを備えたレジェップ・レジェピのミニット・イネルテを街角で発見。こんな光景に出会えるのは、ジュネーブならではだ。
ブラックオニキスダイヤルを備えたデニソンのミニ。
コルムのロールス・ロイス “スピリット・オブ・エクスタシー”は、heist-outのレミ・ル・プロン(Rémi Le Plomb)氏の手首で見つけた、思いがけずもうれしい1本だった。
RG製のダニエル・ロート エクストラ プラット スケルトン。
この旅の最後を飾る(もちろん重要度も決して低くない)ミーティングは、発表されたばかりのミラージュ ミロワールをチェックするために訪れたベルネロンだ。
そして、そこには新しいブレスレットも用意されていた。
これは、既存のミラージュのラージサイズモデルにも適合するものだ。
ジュネーブを知っている人なら、究極のスマッシュバーガー店であるPretty Pattyをご存知だろう。このペテルマン・ベダの1967 セカンドシリーズのおかげで、今やリストショットの撮影においても注目のスポットとなっているようだ。
昨今エレガントについて語る際、この時計の市場価格がどれほど高騰しているかに触れないわけにはいかない。
ファーラン・マリは常に多くの人々の心を掴んできたが、ジュネーブの街角ではなおさらその傾向が強い。
アンデルセン・ジュネーブのCEO、ピエール・アレクサンドル・エシュリマン(Pierre-Alexandre Aeschlimann)が着用しているのは、息を呑むほど美しいジャンピングアワー “ライジングサン”だ。
ディロン・バット(Dillon Bhatt)氏の手首には、いつだって目を引く時計があるものだが、今回はF.P.ジュルヌのオクタ・リザーブ・ド・マルシェだった。
空港へ向かう前、メインパビリオンを見て回る時間が少しだけあった。そこにはCOSCのブースが出展しており、来場者が自分の時計の精度をチェックできるようになっていた。
同時に、耐圧テストも行うことができた。
というわけで、今回のレポートはこれにて終了だ。
話題の記事
Photo Report ジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2026
Hands-On セイコー アルピニスト GMT HBC007を実機レビュー
Introducing ノモス クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー ダーク(編集部撮り下ろし)