trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On ヴァシュロン・コンスタンタン グリーンダイヤルのピンクゴールド製オーヴァーシーズ

ヴァシュロンでも特に汎用性が高いブレスレット一体型スポーツウォッチがグリーンで登場した。

ADVERTISEMENT

今年の初めにヴァシュロン・コンスタンタンは、Watches&Wondersで“世界で最も複雑な時計”という自社記録を更新するザ・バークレイ・グランドコンプリケーションを発表して他社を圧倒した。これは1点ものであり、今後おそらく長期にわたって一般展示されることがないであろう時計をひと目見ようと多くの人々がヴァシュロンのブースに詰めかけていた。

 しかし同展示会場におけるヴァシュロンの見せ場はそれだけではなかった。私は新しいダイヤルの色味について詩的に批評することはあまり好きではないのだが(直近であった例外を除いて)、ピンクゴールド(PG)ケースにグリーンのラッカー仕上げを施したサンバーストダイヤルを持つオーヴァーシーズ・デュアルタイムはこの数カ月間私の心を捉えて離さなかった。そう、この新しいダイヤルカラーはとても魅力的で、「選択肢が増えることは悪いことではない」という格言の真理を表している。それではここから、この時計について少し時間をかけて見ていこう。

Vacheron Constantin Green Dial Pink Gold Overseas Dual Time and Time Only

 PG製のオーヴァーシーズは(これまでにも所有する幸運に恵まれたわけではないが)、妙に親しみを感じるモデルである。HODINKEEに所属して初めてのプレスイベントのひとつで、PGのオーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー・スケルトンを取材した。そして結婚式でスケルトンではないバージョンをつけている人を見かけたのが、HODINKEE以前に私が“街で見かけた”腕時計として最大の発見だった。しかしこれらの時計は希少で、再び街中で見かけることはなかった。それでも、その魅力と非常に快適な装着感から私の記憶に強く残っている。

 オーヴァーシーズ・デュアルタイムは私が強い思い入れを持つもうひとつの時計だ。ヴァシュロンがオーヴァーシーズ・デュアルタイム・“エベレスト”を発表したとき、私は完全にノックアウトされた。実際に購入しようとは思わなかったが私の目には完璧な時計に映っていて、のちに“買い逃してしまった時計”に数えざるを得なかった。

Vacheron perpetual calendar skeleton pink gold

この美しい時計に関する、ジェームズ・ステイシーの取材記事から。

 新しいオーヴァーシーズ・デュアルタイムはPGのケースとグリーンのサテンサンバースト仕上げのエナメルダイヤルを持ち、上述のどちらともまったく異なるカテゴリーに属している。エベレストにつけて行くにはドレッシーで重すぎるが、スケルトンのパーペチュアルカレンダーほどフォーマルではなく、より頻繁に着用したくなるスポーティさを兼ね備えることでヴァシュロンのラインナップを見事に補完している。これまでブランドはステンレススティール(SS)製で3種のダイヤル(ホワイト、ブラック、ブルー)を持つモデルと、ホワイトダイヤルのPGモデル(ストラップのみ)を提供していた。しかし重厚なゴールド製ブレスレットを持つ今回のモデルは、ゴールドウォッチ愛好家にとって最も完成度の高い選択肢となるだろう。

Vacheron Constantin's Green Dial Pink Gold Overseas Dual Time

 もちろん手ごろな価格ではない(驚くべきことに、これは18KPG製だ)。手に入れるには1126万4000円(税込)が必要となるが、手首に装着すると非常にいい感じだ。41mmの直径に対して厚さは12mmと特別厚い時計ではないが、PGの重さが少し気になるかもしれない。しかしこういった時計を購入するのであれば、そのほうが望ましいこともある。

Vacheron Constantin's Green Dial Pink Gold Overseas Dual Time and Time Only

 デュアルタイムウォッチは基本的にダイヤルの要素が少し混雑しがちである。AM/PMを示すベゼルがない場合、必要な時刻情報を提供するために多くの工夫をしなければならない。しかしヴァシュロンは、旧世代のオーヴァーシーズ・デュアルタイムから文字盤を洗練させることに成功した。そして私の心に強く残った最大の魅力は文字盤、特にPGのケースに対するグリーンサンバーストダイヤルの見栄えの仕方であった。グリーンダイヤルは一時期流行していたこともあり、今では少し時代遅れに感じるかもしれないが、このモデルに関しては非常に気に入っている。

Vacheron perpetual calendar skeleton pink gold

 最後にこの時計の着用感に関して強調すべき点は、フルブレスレットで提供されることによる利便性である(これによってホワイトダイヤルのモデルに対して404万8000円の追加料金がかかる)。確かにかなり高額ではあるが、オーヴァーシーズは“ホーリートリニティ(聖なる三位一体)”ブランドのなかでもとりわけ快適で汎用性の高い一体型ブレスレットを持っていると思う。

Vacheron pink gold overseas dual time
Vacheron pink gold overseas dual time

 オーヴァーシーズは快適なリンク構造を持つだけでなく、手首に食い込むことのない優れたデプロワイヤントクラスプも装備。ブレスレットからケースまでの形状、ライン、ファセットはすべて美しく流れるように連続している。しかもこの時計の背面にあるクイックリリースボタンのおかげで、外観とフィーリングを簡単かつ完全に変えることができるという事実はまさに画期的だ。

Vacheron pink gold overseas dual time

 この時計は裏蓋側からPoinçon de Genève(ジュネーブシール)認証を受けた自動巻きムーブメントであるヴァシュロン製のCal.5110 DT/2を見せている。このムーブメントは2万8800振動/時で動作し、60時間のパワーリザーブを持ち、サファイアクリスタル製のケースバックを通して観賞することができる。さらにこの時計は150mの防水性能を備えており、スポーティな魅力も加わっている。そしてその防水性能を試したい場合、ブランドが提供している付属のラバーストラップに簡単に切り替えることだってできる。また派手さを控えめにしてドレスアップしたいなら、クイックチェンジでグリーンのレザーストラップにも変更可能だ。

Vacheron pink gold overseas dual time
Vacheron Constantin's Green Dial Pink Gold Overseas Dual Time and Time Only

 私はグリーンベイ・パッカーズのファンであり、グリーンベイ育ちのチーズヘッド(パッカーズのファンを指す言葉。ウィスコンシン州はチーズの生産で知られており、ファンが試合の際に巨大なチーズの形の帽子をかぶることからこう呼ばれる)なのでグリーンとゴールドの組み合わせを布教するつもりはないが、特に強く引かれる。このモデルの組み合わせはとりわけ素晴らしい。しかし、今年リリースされた唯一のグリーンダイヤルというわけではないので、ほかの選択肢についても触れておきたい。

Vacheron Overseas

 もっとシンプルなモデルもヴァシュロンには揃っている。新しい41mm径のオーヴァーシーズ・オートマティックも、同じグリーンとPGの組み合わせで登場している(ダイヤモンドセットベゼルを持つ35mm径のバージョンも同様だが、こちらは写真に撮らなかった)。

Vacheron Overseas

 このオーヴァーシーズ・オートマティックのスペックは、デュアルタイムと比べてよりシンプルだ。直径41mm、厚さは10.69mmで、この時計も60時間のパワーリザーブと150mの防水性を持ち、時・分・秒表示、そして3時位置のデイト表示のみというミニマルなディスプレイを特徴としている。デュアルタイムと比べてそれほど薄くはないため、デイトなしのオプションがあってもいいと思う。しかしこのような時計を探している裕福なビジネスマンのなかには、日付表示を必要としている人もいるかもしれない。

Vacheron Overseas
Vacheron Overseas

 価格は897万6000円(税込)でデュアルタイムよりも大幅に手ごろというわけではない。オートマティックのSSモデルからデュアルタイムへのアップグレードに90万2000円の差(371万8000円から462万円)があるのは確かに大きいが、PG製のこれらふたつのモデルを比較する場合は予算よりも使用目的や美学を重視するべきだ考えられる。ヴァシュロンは過去数年間で価格が少し上昇したように感じるが、市場の縮小が叫ばれるなか、ほかのブランドほど過剰な価格設定をしていない点は素晴らしい仕事をしている思う。どちらのモデルもこの価格帯で時計を探している顧客にとっていい選択肢となるだろう。私の決断(と想像上の予算)を聞かれれば、デュアルタイムと答えたい。

Vacheron overseas

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・デュアルタイム Ref.7920V/210R-B965。直径41mm、厚さ12mmの18KPG製ケース、150m防水。サンバーストサテン仕上げを下地としたグリーンラッカー仕上げのダイヤル、サーキュラー仕上げのミニッツトラック(内側)、ベルベット仕上げのミニッツトラック(外側)。スネイル仕上げのインダイヤル。18KRG製デュアルタイム針。18Kゴールドの時・分針とアプライドのアワーマーカーにブルーのスーパールミノバ®️。時・分・秒表示、デイト表示、デイ/ナイト表示付きデュアルタイム機能。自動巻きムーブメント、2万8800振動/時、60時間パワーリザーブ。18KPG製ブレスレットにクイックチェンジ機能を備えたグリーンカーフレザーとラバーストラップが付属。価格:1126万4000円(税込)。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・オートマティック Ref.4520V/210R-B967。直径41mm、厚さ10.69mmの18KPG製ケース、150m防水。サンバーストサテン仕上げを下地としたグリーンラッカー仕上げのダイヤル。3時位置にデイト表示。18Kゴールドの時・分針とアプライドのアワーマーカーにブルーのスーパールミノバ®️。時・分・秒表示、デイト表示。自動巻きムーブメント、2万8800振動/時、60時間パワーリザーブ。18KPG製ブレスレットにクイックチェンジ機能を備えたグリーンカーフレザーとラバーストラップが付属。価格:897万6000円(税込)。