Introducing 最後のグルーベル・フォルセイ バランシエール コンテンポランが登場

 　2019年に発表されたバランシエール コンテンポランは、グルーベル・フォルセイの優れたウォッチメイキング技術と仕上げの基準を受け継ぎ、39.6mm×12.25mmという小振りなパッケージに収めることで多くのファン（と批評家）を満足させた。そのサイズはそのままに、GFにとって最も珍しい素材であるSSを採用したのが本作だ。時・分表示部分にはブルーのサンバースト仕上げがあしらわれ、それぞれより深いブルーのトラックで取り囲まれており、ゴールド製の多層構造ダイヤルにはブルー仕上げだ。ブリッジはジャーマンシルバー製で、フロスト仕上げとサンレイ仕上げが手作業で施されている。完璧に磨き上げられた面取りとシャトン（石受け）、そしてストレートグレイン仕上げの側面がブリッジを際立たせている。直径12.6mmの大型自社製テンプには手作業で面取りが施されたブラックポリッシュ仕上げのSS製ブリッジが備わり、テンプは鏡の役割を果たすブラックポリッシュ仕上げの平らなゴールドプレートの上に搭載されている。

　時計の裏側では、多くのブランドが通常見せるムーブメントの姿はほとんど見えない。その代わり、ブラックポリッシュ仕上げのゴールドプレートに、グルーベル・フォルセイの基本理念がレリーフとして刻印されている。また、ゴールドシャトンにセットされたオリーブドーム型の3つの石は手作業で研磨されたシャトン（石受け）を備えている。この時計は現在22万スイスフラン（日本円で約4050万円）で発売中で、全モデルが2025年に限定生産・納品される予定だ。

　グルーベル・フォルセイは最近、大きな動きを見せている。年間の生産本数が非常に少ない高級時計ブランドであるが、よりユニークで限定的なモデルに焦点を当てる新たな戦略を展開しているようだ。たとえば同ブランドは43.5mmのGMT バランシエール コンヴェクスの生産を終了させ、より小振りなケースの新バージョンを発表した。また最近では、あえて公式発表を行わずにブルーサファイアケースを採用したダブルバランシエール コンヴェクスを3本限定で発売している。今回のプレスリリースでは、今後数年間の新作はより小径モデルに注力することが明言された。バランシエール コンテンポランに別れを告げる一方、今後も多くの興味深い新作が控えているようだ。

　グルーベル・フォルセイに対する評価は、私のように同社の製品に手が届かない人々と、実際に購入できる人々で分かれているようだ。スポーティなデザインを持つコンヴェックスシリーズを好む人もいれば、私のようにより伝統的なラインを好む人もいる。このモデルはグルーベル・フォルセイが得意とするウォッチメイキングと仕上げを称える素晴らしい作品だと思う。私にとってブルーのダイヤルは少し大胆すぎるが、この時計にとっていい送り出しになるだろう。

ブランド: グルーベル・フォルセイ（Greubel Forsey）
モデル名: バランシエール コンテンポラン ファイナルエディション（Balancier Contemporain Final Edition）

直径: 39.6mm
厚さ: 12.25mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: サンバースト仕上げのブルーアワーリングを備えた多層構造ゴールド製ダイヤル。テンプ用の開口部、濃いブルー仕上げにエングレービングとホワイトラッカーを施したミニッツサークル、ポリッシュ仕上げの面取り、エングレービングとラッカー仕上げにポリッシュ面取りを施したスモールセコンド、エングレービングとラッカー仕上げ、ハンドマットラップ仕上げのパワーリザーブインジケーター
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: 手縫いテクスチャードラバー、GFロゴが刻印されたSS製のピンバックル付き

キャリバー: Balancier Contemporain（バランシエール コンテンポラン）
機能: 時・分・スモールセコンド表示、パワーリザーブインジケーター
直径: 32.4mm
厚さ: 9.2mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 33（ゴールドシャトンにセットされたオリーブドーム型ルビー）
クロノメーター認定: なし
追加情報: 直径12.6mm、ゴールド製の緩急調整用スクリューを6本備えた自社製の可変慣性テンプ。3.2時間で1回転する高速回転型の直列配置香箱ふたつのうち、ひとつには過剰な張力を防ぐスリッピングスプリングを搭載。

価格: 22万スイスフラン（日本円で約4050万円）
発売: 発売中
限定: あり、33本限定。すべて2025年に製造・納品

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