Introducing パルミジャーニ・フルリエ トンダ PF スポーツ クロノグラフ、日付表示を廃したローズゴールド製のサンドストーンモデルが登場

　この新作は、PF クロノグラフの長年の定番であった日付表示機構において、新たな方向性を示している。正確に言えば、日付表示機構の搭載をやめ、よりすっきりとした文字盤デザインを採用したのだ。これは意図的な視覚の整理であり、文脈を持って理解されるべきだろう。というのも、2021年のデビュー以来、トンダ PF クロノグラフ（スポーツおよび非スポーツにおいても）は、常に日付表示を備えていたからだ。この年はトンダ PFコレクションそのものが本格的にデビューした年でもあった。2023年には、スティールとローズゴールドのケースを備えたトンダ PF スポーツ クロノグラフが登場したが、それでも日付表示は残されていた。しかし2024年に入って状況が一変したのだ。

　2024年、パルミジャーニ・フルリエは40mm径にサイズダウンし、日付表示のないトンダ PF クロノグラフ（非スポーツモデル）を発表した。そして2025年にはスポーツシリーズもその流れに追いつき、トンダ PF スポーツ クロノグラフ ウルトラサーメットが、スポーツサブライン初となる日付表示を搭載しないモデルとして登場したのである。そして今回、この新しいローズゴールド製サンドストーンモデルが、よりクラシカルなスタイルとなる貴金属仕様のPF スポーツコレクションにも同様に日付表示を省いた洗練されたスタイルをもたらした。

　ポリッシュとサテン仕上げを施した18KRG製のケースは直径42mm、厚さ12.9mmであり、パルミジャーニを象徴するフルーテッドベゼルも健在だ。シルバーを基調にしたダイヤルにはクル・トリアンギュレールのギヨシェ装飾が施され、インダイヤルにはまるで温かみのある海岸の光を想起させるような色合いのサンドストーンカラーを採用。ストラップはテクスチャー加工されたラバー製で、同系色のトゥーフォ（編注；凝灰岩のような色合い）トーンに仕上げられ、コーデュラ素材の風合いを再現、視覚的には柔らかく、機能的には堅牢に、全体の美観をまとめ上げている。

　ダイヤルのギヨシェ装飾は伝統的な旋盤を用いて手作業で仕上げられ、ベゼルのフルーテッド加工も同様に手作業で行われている。内部には3万6000振動/時（5Hz）という高振動のCal.PF070を搭載。65時間のパワーリザーブとCOSCクロノメーター認定の精度を誇る。このムーブメントにはダブルバレル、コラムホイールと垂直クラッチを備えた完全一体型のクロノグラフ機構、そしてフリースプラングテンプなど見どころのある技術仕様が詰め込まれているにもかかわらず、厚さはわずか7mmに抑えられ、22KRG製のスケルトンローターで美しく仕上げられている。さらにストラップもこだわりの仕様で、単なるインジェクション成型ではなくレザーのようなボリューム感を持ち、そしてステッチを施すことで質感を高めている。

　トンダ PF スポーツ クロノグラフ ローズゴールドのサンドストーンモデルは、ブランドのレギュラーコレクションの一部として展開され、価格は755万7000円（税込）だ。

　一見すると今回の新作は、すでに完成度の高いモデルに、新しいダイヤルとストラップを組み合わせただけにすぎない。しかし日付表示の廃止というデザイン上の決断はこの時計全体の印象を一変させ、今後の展開にさえ影響を与える可能性がある。これまでのトンダ PF スポーツ クロノグラフにおいて一貫して指摘されてきた唯一の批判、つまり4時30分位置の日付表示がもはや過去のものとなったのである。

　そう、サイズは引き続き42mmであり、昨年登場したサイズダウンバージョンのPF クロノグラフと同じ手法ではない。だがこれはPF スポーツであり、少し大きめに着けることを想定したモデルなのだ。とはいえ実際に手に取って試したうえで言えるのは、ヴィンテージ寄りの時計を好む私の手首にも心地よくフィットしたということである。

　トンダ PF スポーツ クロノグラフ ローズゴールドのサンドストーンモデルは革新的なモデルではないが、卓越した完成度を誇るラグジュアリースポーツクロノグラフであり、細やかな改良によってさらに洗練された仕上がりとなっている。本モデルはしかるべき顧客層にとっては極めて魅力的で、その価格を踏まえれば、近年のパルミジャーニが掲げるプレミアムな価格戦略とも整合性がとれた1本であろう。

ブランド: パルミジャーニ・フルリエ（Parmigiani Fleurier）
モデル名: トンダ PF スポーツ クロノグラフ（Tonda PF Sport Chronograph）
型番: PFC931-2020021-400182

直径: 42mm
厚さ: 12.9mm
ケース素材: 18kローズゴールド
文字盤色: シルバー地にクル・トリアンギュレールのギヨシェ装飾、サンドストーンのインダイヤル
インデックス: アプライド
夜光: あり、ブラックの夜光塗料が施された針とインデックス
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: トゥーフォ（凝灰岩）トーンのテクスチャー加工がされたラバーストラップに、18KRG製フォールディングクラスプ付き

キャリバー: PF070
昨日: 時・分表示、スモールセコンド、クロノグラフ
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
クロノメーター認定: あり、COSC認定
追加情報: コラムホイール一体型かつ垂直クラッチ搭載のクロノグラフ機構を備え、シースルーバックからはスケルトン仕様の22KRG製ローターを鑑賞できる

価格: 755万7000円（税込）
発売: 2025年7月発売予定
限定: なし

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